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南海トラフ地震に備える!中小企業が今すぐ取り組むべき対策を解説

2024.09.11

2024年8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。これを受けて、気象庁は「南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます」と発表し、「南海トラフ地震臨時情報」を公表しました。

本記事では、中小企業の経営者や防災担当者向けに、南海トラフ地震の特徴と、企業が取るべき対策についてご紹介します。

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南海トラフ地震とは?「半割れ」って?

南海トラフ地震は、九州の日向灘から静岡の駿河湾まで続く南海トラフと呼ばれる海溝に沿って発生する巨大地震のことを指します。今後30年以内に約70%の確率で発生すると予測されています。

特徴的な現象の一つに『半割れ』現象があります。これは、南海トラフの想定震源域が東西に分かれており、複数の巨大地震が時間差で発生することを指します。1854年には約32時間の間隔を置いて、1944〜1946年には2年の間隔を置いて巨大地震が発生しました。

この時間差が、南海トラフ地震に対する対策を難しくしています。発生した場合、地震からの復旧と次の大地震に対する警戒を同時に行う必要があり、企業も短期的・長期的な備えを両立させる必要があります。場合によっては、数年間にわたる長期的な対策が求められることもあります。
【参考】南海トラフ地震とはどのような地震ですか?/南あわじ市
【参考】半割れ(大規模地震)/被害甚大ケースにおける具体的な防災対応について/内閣府
【参考】南海トラフ地震防災対策推進基本計画/内閣府

【こちらもおすすめ】企業における防災マニュアルの作成方法。記載すべき内容や作成時のポイントまで解説

南海トラフ地震が起きたら

南海トラフ地震が発生した際、企業に求められるのは迅速かつ的確な対応です。最優先事項は従業員の安全確認です。普段から緊急連絡網を整備し、定期的に更新することで、迅速な対応が可能となります。

また、地震に備えた安否確認の手順や報告ルートを事前に設定しておくことも重要です。各部署の責任者が部下の安否を確認し、総務部門に報告する流れをあらかじめ決めておくと良いでしょう。

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【こちらもおすすめ】中小企業が取り組むべき防災対策とは?備品の見直しに役立つ防災グッズリストも

南海トラフ地震に備えて

南海トラフ地震に備えるためには、平時からの準備が欠かせません。以下に、企業が取り組むべき主な対策をご紹介します。

パソコンの転倒対策とデータの保護

南海トラフ地震が発生した時にパソコンが転倒しないよう、耐震マットや転倒防止用ストラップを活用しましょう。また、パソコンに保存した重要なデータが消失しないよう、定期的にクラウドや外部ハードディスクにバックアップを取りましょう。データの多重バックアップは、災害時の事業継続に欠かせません。

確保避難経路の確保

避難経路の確保は、地震発生時の人命保護に直結します。出口や廊下、階段などオフィス内の通路には物品を置かないよう徹底し、定期的に避難訓練を実施して従業員に避難経路を周知させましょう。避難経路の明示と点検は、安全な避難を確保するための基本です。

オフィス家具の固定

オフィス内の家具が倒れて避難経路を塞ぐことがないよう、特に重心が高い書類棚やキャビネットは、耐震ベルトやL字金具でしっかり固定しましょう。高層階では長周期地震動の影響で家具の転倒リスクが高まるため、コピー機や大型キャビネットも壁や床に確実に固定する対策が必要です。これにより、地震時の被害を最小限に抑えることができます。

危険物の管理と消火器の設置

オフィス内の化学薬品や可燃物は、専用の保管庫に保管し、定期的に安全確認を行いましょう。地震による火災に備えて、消火器を適切な場所に設置し、全従業員に使用方法を周知することが重要です。容器の転倒防止や火を使用する設備の安全確認も行い、初期消火の準備と訓練を徹底することで、二次災害のリスクを減らせます。

防災用品の確認

南海トラフ地震に備えるためには、適切な防災用品の備蓄も欠かせません。特に、帰宅困難者が出た場合に備え、飲料水や非常食、携帯トイレ、衛生用品、毛布、敷物、懐中電灯と予備電池、ポータブルラジオ、救急医療薬品などを用意しておきましょう。

従業員数に応じた十分な量を確保し、定期的に消費期限を確認することが重要です。また、オフィス防災に役立つ『PARTS-FIT』といった防災用品を備えておくことも検討してみてください。

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【引用】特集 オフィスの防災/内閣府
【参考】大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン/内閣府 

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新しく防災担当になった方には、何から始めればよいか戸惑うことも多いでしょう。そんな方には『防災ことはじめBOOK』がおすすめです。この資料には、企業防災の基本から具体的な対策までがわかりやすく解説されています。防災担当者はもちろん、防災の基礎を改めて学びたい方にも役立つ一冊です。

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まとめ

南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくない大規模災害です。そのため、「半割れ」を理解し、長期的な視点を持ちながら対策を講じる必要があります。企業として最も重要なのは、従業員の安全確保です。緊急連絡網の整備や安否確認の手法は今すぐにでも着手できます。また、適切な防災用品の備蓄も忘れずに行いましょう。

新任の防災担当者や、改めて基礎から学びたい方は『防災ことはじめBOOK』を活用することをおすすめします。南海トラフ地震への備えは、従業員の命を守り、企業の事業継続を可能にするために欠かせない経営課題です。自社の状況に合わせた対策を進めていきましょう。

*metamorworks,Pressmaster,beauty-box / shutterstock

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