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経営行動計画書とは?具体的な作成方法やポイントについて解説【エクセルテンプレート付き】

経営目標から事業戦略を考えている企業も多いかと思いますが、その後はどのように実行していますか? 実行に注目し進めることで、長期的な経営目標にも一歩ずつ近づいていきます。この記事では、経営行動計画書の重要性や具体的な作成方法、ポイントなどを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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経営行動計画書とは

経営行動計画書とは、事業や戦略における目標達成のために必要な、具体的なステップや行動を詳細に記述したものです。アクションプランとも呼ばれます。

単なる目標の羅列ではなく、「誰が」「いつまでに」「何を」するのかを明確に示した実行可能な計画です。作成が義務付けられているわけではありませんが、経営戦略を着実に実行していくうえで欠かせないものといえるでしょう。もともとはコロナ借換保証(現在は一部能登地震の影響があった地域のみに限定)を利用する場合に、金融機関と共同で作成していく資料として、中小企業庁からテンプレートが展開されていました。

【こちらもおすすめ】事業計画書とは?基本的な書き方と各項目ごとのポイント【わかりやすく解説】

経営行動計画書のメリット

経営行動計画書は、どのように役立つのでしょうか。よく取り上げられるメリットは、以下の4つの点にあります。

1. 目標達成のプロセスを明確化できる

経営行動計画書では、目標に向けて「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」実行すべきか、目標達成までのステップを具体的に細分化し、小さなタスクに分けます。漠然と目標が掲げられているだけでは行動することは困難ですが、やるべき内容が視覚的に整理されるため、迷うことなく目標達成するための行動につながるでしょう。

2. 進捗や到達度の把握と管理がしやすい

タスクの進捗状況や成果を定期的に確認することで、担当者別、期日別など管理がしやすくなります。また、問題が発生した場合にもどの項目で起きていることか把握しやすく、早期に発見して適切な修正を加えることができます。

3. 効率的な業務遂行につながる

経営行動計画書は、どのタスクの優先度が高いのか整理するのに役立ちます。各人が果たすべき役割と責任を明確にすることで、無駄な作業や重複業務を削減し、業務遂行のスピードを向上させられるでしょう。

4. チーム内のコミュニケーション向上

経営行動計画書を活用することで、チームメンバー間で目標やタスクの進捗に関する情報が共有されやすくなり、コミュニケーションが促進されます。特にプロジェクトの進行中、変更や問題点を把握しやすくなり、必要な調整を行ううえでも役立つはずです。

経営行動計画書の作成手順

次に、経営行動計画書の具体的な作成手順とポイントを説明します。経営行動計画書を実際に作成する際は、以下の5ステップに沿って着手してみましょう。

STEP1
(数値目標)
目標を立てる 精神論やあいまいな表現ではなく、
具体的な数値目標を立てる
STEP2
(何を)
具体的な行動(タスク)を決める 目標達成に必要なタスクを明確にしリストアップ。各タスクに必要な人員・予算・設備などのリソースを割り当てる
STEP3
(誰が)
メンバーや担当者を決める 各タスクの担当者を決め明確な責任分担を行う
STEP4
(どの順番で)
タスクの優先順位
を決める
重要度と緊急度を考慮し、タスクに優先順位をつける
STEP5
(いつまでに)
期限を設定する 各タスクごとに現実的かつ達成可能な期限を設定する

STEP1(数値目標):目標を立てる

目標を立てるときに最も気を付けるポイントは、具体的な数値目標を立てることです。たとえば、「売上をアップさせる」というあいまいな目標ではなく、年間売上高で前年比110%を達成する」のように具体的な数字を用いて目標を設定します。あいまいな目標では、何をどこまで達成すればよいのか分からず、行動に取り掛かることが難しくなってしまうでしょう。数値を用いることで期日までにどのくらいのペースで何をすればよいのか明確になるため、適切な行動に結びつきます。

また、大きな目標(もしくは長期目標)を小さな目標(短期目標)に分解していくことで、より具体的になり把握しやすい目標となります。小さなタスクから考えてしまうと、経営戦略等の上位の目標からかけ離れたものになる可能性があるので、「大きな目標→小さな目標」の順番は重要です。具体的で測定可能な数値を設定することで、進捗状況も共有しやすくなります。何割程度進んでいるか、目標達成までの残りが分かりやすいので、メンバーもやる気も引き出されるでしょう。

目標設定においてよく使われるフレームワークとして、SMARTの法則があります。

S:Specific(具体的である)
M:Measurable(測定可能である)
A:Achievable(達成可能で現実的である)
R:Related(組織のビジョンなど上位目標との関連性がある)
T:Time-bound(期限を設定する)

SMARTの法則を原則として、目標の内容を書き出してみることをおすすめします。達成に向けたイメージをより強く持てるようになるでしょう。

STEP2(何を):具体的な行動(タスク)を決める

目標達成のために必要なことを明確にして、リストアップします。このときに気を付けることは、内容を細分化して具体的に書き出すことです。書き出して見える化することで、必要なリソースなどにも気づきやすくなるでしょう。 

STEP3(誰が):メンバー、担当を決める

具体的な行動が明確になったら、どの部門の誰がその作業を行うか、担当するメンバーを決めます。 

STEP4(どの順番で):タスクの優先順位を決める

書き出したタスクの優先順位、それぞれのタスクの関連性や実施可能かどうかなどを考慮し、タスクをグループ化して優先順位を付けます。どの順番で行うと最も効果的かを考えましょう。

STEP5(いつまでに):期限を設定する

いつまでに行うのかタスクの期日を設定します。期日を決めることで、アクションプランの進捗具合と全体像が掴みやすくなります。

経営行動計画書の管理

上記に沿っていつまでに何を誰がどのようにやるか計画を立てることができました。しかしながら、計画は立てただけでは半分しか進んでいません。計画を実現するためには、管理も重要です。経営行動計画書を管理する際の、5つのポイントをみてみましょう。

進捗管理の仕組み構築 定期的な進捗確認の仕組みをつくり、報告書作成や定例会議の実施などを計画する
柔軟性の確保 状況の変化に応じて計画を修正できるよう、柔軟性を持たせる
リスクの想定 実行の障壁となりうるリスクを事前に想定し、対策を考えておく
PDCAサイクルの導入 Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを組み込み、継続的な改善を図る
デジタルツールの活用 エクセルだけでなく、社内全体のプロジェクト管理ツールなどを使用して、効率的に計画を管理する

PDCAは、ご存じの方も多いと思いますが、下記の各内容の頭文字をとったもので、経営行動計画書に限らずマーケティング・生産管理など業務の改善や効率化を図るために経営全般に欠かせない考え方です。

P:Plan(計画を立てる)
D:Do(行動する)
C:Check(評価する)
A:Action(改善する)

経営行動計画書において、特に「C(評価)」「A(改善)」はより効果的に実行していくために重要です。中小企業庁には、経営計画を実行に移すための注意点が記載された資料があります。こちらにも管理の循環(PDCAを回す)が記載されており、計画を立てるだけではなく、定期的に評価し改善することが重要であることが分かります。

【こちらもおすすめ】施策を積極的に打つだけではダメ!PDCAサイクルの質を上げるチェック方法とは

各ポイントを押さえたテンプレートはこちら!

計画段階のポイントや管理段階のポイントを押さえながら活用できる、経営行動計画書のエクセルテンプレートを、下記リンクより無料ダウンロードできます。アクションごとに進捗管理ができるテンプレートなので、中小企業庁が展開しているテンプレートと併用して運用することがおすすめです。

▷エクセルテンプレートはこちら

まとめ

経営行動計画書の一つひとつの行動(アクション)の積み重ねが、5年後、10年後の企業の姿につながります。テンプレートを活用しながら、長期的な経営目標の達成に向け、より効果的で実行可能な経営行動計画書を作成・管理してみてください。

*3rdtimeluckystudio / shutterstock

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