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わかっちゃう! 知的財産用語 No.254
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こんにちは! わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。
☆ 本日の知的財産用語
[
権利譲渡(けんりじょうと)]
権利を他の人に譲渡する(譲り渡す)ことです。
(1)
特許権,実用新案権,
意匠権,
商標権などは「産業財産権」と呼
ばれますが、「財産」ですので基本的に自らの意志で処分すること
ができます。
たとえば自分の所有している「腕時計」という財産を他人に譲る
ことができるように、
特許権,
商標権などの権利も他人に譲ること
ができます。
少し前まで「産業財産権」のことを「工業
所有権」と呼んでいま
したが、その名の示すように「
所有権」としての性質を持っており、
売り買い等することもできるのです。
このように権利を他人に譲渡することを「
権利譲渡」といいます。
(2)
権利譲渡は有償であることが多いですが、無償の譲渡もあります。
たまにメール相談などで
権利譲渡の「相場」を尋ねられることが
有るのですが、特に決まりはありません。基本的には当事者間の交
渉次第です。
「どうしても欲しい」という事情があれば足下を見られて高額に
なってしまうこともあると思いますし、特に権利者が必要としてい
ない権利なら安価で譲渡してもらえることもあると思います。
尚、権利の経済的価値を判断する「評価」については いろいろ
手法や算出方法が検討されていますので、当事者間で合意が得られ
るのであれば そのような方法も参照されるとよいかもしれません。
(3)
特許や意匠や
商標の登録があると、権利者に「
特許証」,「意匠
登録証」,「
商標登録証」などが付与されます。
参照:「
特許証」
http://www.jpat.net/y32.htm
しかしながら、この「
特許証」等は記念品的な存在であり、それ
自体は「権利書」ではありません。
したがって、「
特許証」や「
商標登録証」自体を譲渡しても、特
許権や
商標権などを譲渡したことにはなりません。
譲渡する際には、権利の「移転登録」の手続が必要です。
参照: 「移転登録」
http://www.jpat.net/Y172.htm
☆ ☆
[関連事項と経験談]
(1)
他人の権利を譲渡して欲しい場合は権利者と交渉しますが、権利
者が権利を手放したくない場合は譲渡の合意が得られません。
そのような場合、
権利譲渡ではなく、途中から「実施許諾」,
「使用許諾」の交渉に変わっていくこともあります。
「実施許諾」,「使用許諾」というのはいわゆる「ライセンス」
のことで、
特許権や
商標権などは権利者が保持したまま、発明や商
標などを実施・使用する権利である「実施権」,「使用権」を(通
常は有償で)認めることです。
(2)
他人に
権利譲渡してしまうと、当然ながら その権利は他人のも
のとなります。
そのため、自分も譲渡後は発明,
商標などを実施・使用できなく
なります。勝手に使うと、権利侵害となってしまいます。
他人に譲渡したいが自分の使用は確保したい場合には、新たな権
利者となる譲渡相手に
権利譲渡をする代わりに相手から「実施許諾」,
「使用許諾」してもらえるよう交渉すると良いと思います。
(3)
商標権は原則として10年ごとの更新ですが、
特許権,実用新案
権,
意匠権は権利を維持するために「年金」とよばれる登録料を納
付しなくてはなりません。(納付しないと権利は消滅します。)
参照:「年金」
http://www.jpat.net/y06.htm
つまり権利を維持するために
費用かかかるということです。いろ
いろ戦略はあるとは思うのですが、使わない権利を持っていても費
用の無駄になることが多いです。
近年では景気の関係で、「年金」を納付せずに せっかく取得し
た
特許権等を消滅させるというケースも多くなってきていると聞き
ます。
しかしながら、誰かに有償で
権利譲渡できれば
収益を得ることが
できますので、権利消滅させる前に、
権利譲渡できないか検討され
ると良いと思います。
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「わかっちゃう! 知的財産用語」
発行 西川
特許事務所 (
http://www.jpat.net/ )
兵庫県西宮市東山台3丁目9-17
電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821
発行人 弁理士 西川 幸慶
pat@jpat.net
ご意見、ご感想 お待ちしてます。
* このメールに返信いただけば、西川に届きます。
★ 遠方からの「意匠」,「
商標」の出願のご依頼承っております。
まずは Eメール,FAX等で お問い合わせ下さい。
☆「メール相談」
http://www.jpat.net/sodan.htm は「有料」です
が、出願等のご依頼に伴うご相談は「無料」で承っております。
☆ 「
商標救助隊T-Rescue」
http://www.japat.net/
☆ 日記
http://plaza.rakuten.co.jp/pinnote/
https://twitter.com/tokkyon
☆ ☆
掲載された記事の内容を許可なく転載することを禁じます。
但し、署名を含めて全文転載でしたら転載,転送していただいて
結構です。
(C) 2010 Nishikawa Yukiyoshi
『まぐまぐ』 を 使ってお届けしています。
本マガジンの解除や配信先メールアドレスの登録変更は
http://www.mag2.com/m/0000098536.htm からお願いします。
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[編集後記]
家で息子(小6)の勉強を みてやりました。学校では「社会」
では日本史を習っており、今は「平氏(平家)と源氏」が話の中心
です。
しかしながら、私はその時代の日本史にあまり興味が無く、教え
ていても面白くありません。
次第に話が日本史から外れていき、途中で「昆虫」と「水の生物」
の図鑑を持ち出して
「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」の違いとか、「ヘイケガニ」
の話などをしました。
(確かに 名前は「平家」と「源氏」に由来するのですが・・)
結局 ほとんど歴史の勉強になりませんでした (^-^;)
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こんにちは! わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。
☆ 本日の知的財産用語
[権利譲渡(けんりじょうと)]
権利を他の人に譲渡する(譲り渡す)ことです。
(1)
特許権,実用新案権,意匠権,商標権などは「産業財産権」と呼
ばれますが、「財産」ですので基本的に自らの意志で処分すること
ができます。
たとえば自分の所有している「腕時計」という財産を他人に譲る
ことができるように、特許権,商標権などの権利も他人に譲ること
ができます。
少し前まで「産業財産権」のことを「工業所有権」と呼んでいま
したが、その名の示すように「所有権」としての性質を持っており、
売り買い等することもできるのです。
このように権利を他人に譲渡することを「権利譲渡」といいます。
(2)
権利譲渡は有償であることが多いですが、無償の譲渡もあります。
たまにメール相談などで権利譲渡の「相場」を尋ねられることが
有るのですが、特に決まりはありません。基本的には当事者間の交
渉次第です。
「どうしても欲しい」という事情があれば足下を見られて高額に
なってしまうこともあると思いますし、特に権利者が必要としてい
ない権利なら安価で譲渡してもらえることもあると思います。
尚、権利の経済的価値を判断する「評価」については いろいろ
手法や算出方法が検討されていますので、当事者間で合意が得られ
るのであれば そのような方法も参照されるとよいかもしれません。
(3)
特許や意匠や商標の登録があると、権利者に「特許証」,「意匠
登録証」,「商標登録証」などが付与されます。
参照:「特許証」
http://www.jpat.net/y32.htm
しかしながら、この「特許証」等は記念品的な存在であり、それ
自体は「権利書」ではありません。
したがって、「特許証」や「商標登録証」自体を譲渡しても、特
許権や商標権などを譲渡したことにはなりません。
譲渡する際には、権利の「移転登録」の手続が必要です。
参照: 「移転登録」
http://www.jpat.net/Y172.htm
☆ ☆
[関連事項と経験談]
(1)
他人の権利を譲渡して欲しい場合は権利者と交渉しますが、権利
者が権利を手放したくない場合は譲渡の合意が得られません。
そのような場合、権利譲渡ではなく、途中から「実施許諾」,
「使用許諾」の交渉に変わっていくこともあります。
「実施許諾」,「使用許諾」というのはいわゆる「ライセンス」
のことで、特許権や商標権などは権利者が保持したまま、発明や商
標などを実施・使用する権利である「実施権」,「使用権」を(通
常は有償で)認めることです。
(2)
他人に権利譲渡してしまうと、当然ながら その権利は他人のも
のとなります。
そのため、自分も譲渡後は発明,商標などを実施・使用できなく
なります。勝手に使うと、権利侵害となってしまいます。
他人に譲渡したいが自分の使用は確保したい場合には、新たな権
利者となる譲渡相手に権利譲渡をする代わりに相手から「実施許諾」,
「使用許諾」してもらえるよう交渉すると良いと思います。
(3)
商標権は原則として10年ごとの更新ですが、特許権,実用新案
権,意匠権は権利を維持するために「年金」とよばれる登録料を納
付しなくてはなりません。(納付しないと権利は消滅します。)
参照:「年金」
http://www.jpat.net/y06.htm
つまり権利を維持するために費用かかかるということです。いろ
いろ戦略はあるとは思うのですが、使わない権利を持っていても費
用の無駄になることが多いです。
近年では景気の関係で、「年金」を納付せずに せっかく取得し
た特許権等を消滅させるというケースも多くなってきていると聞き
ます。
しかしながら、誰かに有償で権利譲渡できれば収益を得ることが
できますので、権利消滅させる前に、権利譲渡できないか検討され
ると良いと思います。
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「わかっちゃう! 知的財産用語」
発行 西川特許事務所 (
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電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821
発行人 弁理士 西川 幸慶
pat@jpat.net
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★ 遠方からの「意匠」,「商標」の出願のご依頼承っております。
まずは Eメール,FAX等で お問い合わせ下さい。
☆「メール相談」
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が、出願等のご依頼に伴うご相談は「無料」で承っております。
☆ 「商標救助隊T-Rescue」
http://www.japat.net/
☆ 日記
http://plaza.rakuten.co.jp/pinnote/
https://twitter.com/tokkyon
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但し、署名を含めて全文転載でしたら転載,転送していただいて
結構です。
(C) 2010 Nishikawa Yukiyoshi
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[編集後記]
家で息子(小6)の勉強を みてやりました。学校では「社会」
では日本史を習っており、今は「平氏(平家)と源氏」が話の中心
です。
しかしながら、私はその時代の日本史にあまり興味が無く、教え
ていても面白くありません。
次第に話が日本史から外れていき、途中で「昆虫」と「水の生物」
の図鑑を持ち出して
「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」の違いとか、「ヘイケガニ」
の話などをしました。
(確かに 名前は「平家」と「源氏」に由来するのですが・・)
結局 ほとんど歴史の勉強になりませんでした (^-^;)