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【レジュメ編】 行政法(その6〔2〕)

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     ★★★ 新・行政書士試験 一発合格! Vol. ’06-25 ★★
           【レジュメ編】 行政法(その6〔2〕)

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■■■ 行政手続法の施行状況に関する調査結果
■■■ お願い
■■■ 編集後記

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■■■ 行政手続法の施行状況に関する調査結果 ■■■
この5月15日に、総務省から、行政手続法の的確な施行・運用を推進するため、国の行
政機関が、(1)行政手続法の適用がある処分についての手続(審査基準および標準処
理期間の設定状況)、(2)不利益処分処分についての手続(処分基準の設定状況およ
び聴聞・弁明の実施状況)ならびに(3)行政指導についての手続(書面の交付状況お
よび行政指導方針の公表状況)に関して調査した結果が公表されました。その概要はつ
ぎのとおりです。


(1)行政手続法の適用がある処分についての手続(平成17年3月末現在) 
■ 審査基準の設定状況
「行政庁は、審査基準を定めるものとする」(法5条1項)と規定されていますが、対
象処分種類総数8,361件中、約85%で審査基準が設定されています。ただし、このなか
には、法令で判断基準が言い尽くされているので、改めて別途の審査基準の設定が不要
なものが含まれています。

■ 審査基準を公にしている状況・方法
「行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、審査基準を公にしておかなければな
らない」(法5条3項)と規定されていますが、審査基準を公にしている処分は、通
知・通達等で審査基準を設定している処分(「法令の規定において判断基準が言い尽く
されているもの」を除く。)4,277 種類のうち、4,194種類(約98%)です。

審査基準を公にしている方法は、e-Gov(電子政府の総合窓口)やインターネット・ホ
ームページ等に掲載する方法により公にしている場合(45%)およびこうした方法はと
っていないが、申請者等の求めに応じて提示する方法により公にしている場合(39%)
が大半を占めています。このほか、情報提供窓口、申請先窓口等に備え付けて自由に閲
覧できる方法により公にしている場合も約13%あります。

■ 標準処理期間の設定状況
「行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常
要すべき標準処理期間を定めるように努める」(法6条)と規定されていますが、対象
処分種類総数8,361件中、約71%で標準処理期間が設定されています。ただし、このな
かには、法令の規定において処理期間が定められているので、改めて別途の標準処理期
間の設定が不要なものも含まれています。

■ 標準処理期間を公にしている状況・方法
「行政庁は、標準処理期間を定めたときは、これを公にしておかなければならない」
(法6条)と規定されていますが、通知・通達等で標準処理期間を設定している処分
(「法令の規定において処理期間が定められているもの」は除く。)4,978 種類のう
ち、標準処理期間を公にしている処分は4,621種類(約93%)です。

標準処理期間を公にしている方法は、e-Gov(電子政府の総合窓口)やインターネッ
ト・ホームページ等に掲載する方法により公にしている場合(約45%)およびこうした
方法はとっていないが、申請者等の求めに応じて提示する方法により公にしている場合
(約34%)が大半を占めています。このほか、情報提供窓口、申請先窓口等に備え付け
て自由に閲覧できる方法により公にしている場合も約16%あります。

(2)不利益処分処分についての手続(平成17年3月末現在) 
■ 処分基準の設定状況
「行政庁は、処分基準を定めるように努める」(法12条1項)と規定されていますが、
国における処分基準の設定状況を調査した結果は、対象処分種類総数6,002件中約71%
で処分基準が設定されています。ただし、このなかには、法令の規定において判断基準
が言い尽くされているとの理由で、処分の設定が不要なものも含まれています。

■ 処分基準を公にしている状況・方法
「行政庁は処分基準を公にしておくよう努めなければならない」(12条1項)と規定さ
れていますが、通知・通達等で処分基準を設定している処分(「法令の規定において判
断基準が言い尽くされているもの」は除く。)1,823 種類のうち、当該処分基準を公に
している処分は1,614種類(約89%)です。

処分基準を公にしている方法は、e-Gov(電子政府の総合窓口)やインターネット・ホ
ームページ等に掲載する方法により公にしている場合(約41%)およびこれらの方法は
とっていないが、求めに応じて提示する方法により公にしている場合(約31%)が大半
を占めています。このほか、情報提供窓口、申請先窓口等に備え付けて自由に閲覧でき
る方法により公にしている場合も約16%あります。

■ 聴聞及び弁明の手続の実施状況
「行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、当該不利益処分の名あて人となるべ
き者について、意見陳述のための手続を執らなければならない」(13条1項)と規定さ
れていますが、平成16 年度中に聴聞又は弁明の機会の付与の通知が行われた件数は、
それぞれ328件と3,092件です。

このうち、名あて人の聴聞不出頭又は弁明書未提出により手続を終結したものの件数
は、それぞれ121件(約37%)および2,336件(約76%)です。弁明書未提出により手続
を終結する割合が高いのは、行政手続法上、必要であるため、行政庁が弁明の機会を付
与するものの、不利益処分を受ける者が、事前にその内容や理由等を承知していて、当
該不利益処分を致し方ないもの(弁明書を提出してまで行政庁と争うよりも、そのまま
不利益処分を受け入れる方が有利である)と判断しているためではないかと思われま
す。

(3)行政指導についての手続
■ 行政指導の書面の交付状況
「行政指導が口頭でされた場合、相手方から書面の交付を求められたときは、当該行政
指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない」
(35条1項)と規定されていますが、平成14 年度から16 年度までの3年間に、行政指
導を受けた者からの求めに応じて、その内容を書面で交付した件数は43件です。

■ 行政指導の指針の公表状況
「同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしよ
うとするときは、行政機関は、あらかじめ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の
支障がない限り、これを公表しなければならない」(36条)と規定されていますが、平
成14 年度から16 年度までの3年間に公表された行政指導指針の件数は29件です。


行政手続法の実際の施行状況が、ご理解頂けたでしょうか。なお、調査結果の概要およ
び詳細については、以下をご参照下さい。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/pdf/060515_4_1.pdf 


■■■ お願い  
継続して発刊するためには読者の皆様のご支援が何よりの活力になります。ご意見、ア
ドバイス、ご批判その他何でも結構です。内容、頻度、対象の追加や変更等について
も、どうぞ何なりと e-mail@ohta-shoshi.com までお寄せください。

質問は、このメールマガジンの趣旨の範囲内のものであれば、大歓迎です。ただし、多
少時間を要する場合があります。


■■■ 編集後記 
これで行政手続法を終わります。次回と次々回では、行政不服審査法を予定していま
す。以下、行政事件訴訟法、国家賠償法、損失補償法と続く予定です。

行政手続法は条文数が少ないので(全部で38条)、全条文を通読することをお勧めしま
す。なお、準用規定については、どの条文の、どの部分が、どのように準用されている
のかを条文一つずつ確認することが重要です(いわゆる「横」比較の視点です。)。行
政手続法では、参加人(17条3項)、続行期日の指定(22条3項)、聴聞の再開(25
条)、聴聞に関する手続の準用(31条)および意見公募手続(44条)に準用規定があり
ます。

また、判例六法に掲載された判例については、最高裁判決ではなくても、目を通してお
くべきです。なお、判例六法は、大判の判例六法ではなく、コンサイス版の判例六法で
十分です。


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 マガジンタイトル:新・行政書士試験 一発合格!
 発行者:行政書士 太田誠   東京都行政書士会所属(府中支部)
 発行者Web:http://www.ohta-shoshi.com
 発行者メールアドレス:e-mail@ohta-shoshi.com
 発行協力「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/
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