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相続財産の事実認定

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こんにちは。


今回は、相続に関する国税不服審判所での最近の裁決事例を一つご紹介致します。



(事例)

 被相続人X(以下X)は平成19年4月11日に病院に入院した後、4月20日に一度退院したが、翌日別の病院に入院し、数日後に死亡した。
 Xが入院中の4月19日に子C(以下C)が、X名義の銀行口座より現金で5,000万円の金員(以下本件金員)を引き出している。
 
 原処分庁は本件金員がXの相続財産に該当するとして、更正処分等を行い、争いとなった。


(請求人の主張)
CはXの指示で銀行から金員を引き出し、その日にAの入院先の病院に運び全額を引き渡した。
その後の金員の保管・処分・使途についてCはまったく関与していないため、金員はAが費消したもので、相続開始日には存在しなかったというべきである。


(原処分庁の主張)
Xが多額の現金を退院までのわずかな間に全額を費消したとは考えにくく、Cが金員を管理していたと考えるのが自然であり、Xが費消したとする客観的な証拠が見当たらない以上、相続開始時に存在していたと認定するのが相当である。


(裁決)
通常想定し得る流出先をみても費消等の事実はなく、金員はXにより費消等されなかったと認めることができ、ほかにこれを覆すに足りる証拠はない。
従って、金員は相続開始時点までAの支配が及ぶ範囲の財産から流出しておらず、相続財産であると認められるとした。


(平成23年6月21日決裁の内容を要約)






今回のケースでは、現金の引き出し時期や、Xの入院から死亡までのプロセスを考えると、妥当な裁決といえますが、これがもしもう少し死亡時までの期間が長かった場合、退院期間が長かった場合等を考えると、相続時の金員の所在が不明の状態のときに、

・原処分庁側が課税処分を行う場合の立証責任
・納税者側がそれを取消すための立証責任

がどこまで必要かが難しいところです。


推計課税に対する実額反証や、消費税法における仕入税額控除のための帳簿等の保存の有無の認定などの場合、原則納税者側が立証責任を負うこととなりますが、上記のような相続財産の所在が不透明な場合等は、立証責任の分配も含めて、判断が難しいケースもあると推察されます。




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