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コラム<企業防災・オフィス防災とは何か?>第2回(全2回)
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配信 2019年5月22日
前回のコラムは、オフィス防災・企業防災の誕生と、
その変遷から見えてきた課題について掲載しました。
~第1回はこちら~
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-173974/
では、続きをどうぞ!
――――――――――――――――――――――――――――――
③自助・共助・公助、企業防災は何助か?
――――――――――――――――――――――――――――――
企業防災、オフィス防災の難しさはどこにあるのでしょうか?
そもそも防災対策は
・経済活動に対し直接的には寄与していない。
・使わない(過去の経験則でおそらく使わないと思われている)ことを前提に
設置・導入されていることが多く、
その割には手間・コスト・保管場所までもかかる
とうことで、どうしても優先順位が下がります。
自治体でさえ、消火器設置のような義務ではない任意型の防災対策(備蓄品等)
については、その導入・維持には苦慮しています。
つまり企業やオフィスにとっては当然として受け入れ難い異物であり、
完全に排除されることはないにせよ、
常に最低限度に跳ね返る力がかかる環境にあるのです。(残念ながら。。。)
コクヨで実施した防災担当者に関するアンケート調査によれば、
「毎年一定の予算がある」企業は約30%にとどまり、
担当者の業務としては、
「防災の業務経験が5年未満である(81.0%)」
「防災業務は兼務である(99.4%)」という結果が出ました。
アンケートコメントの中には
「5年に1回買い替えを行う業務を、
コスト削減・平準化が求められるバック部門で行っているため、
担当した社員の
人事考課が下がることもあった。」
などというものまでありました。
担当者自身も厳しい環境の中で業務にあたっていることがわかりますね。
もうひとつ、
企業防災を難しいものにしている理由としてその位置づけがあります。
自分自身が行う防災は自助、
地域の中での助け合い等は共助、
自治体・消防・警察・自衛隊等によって行われる防災は公助
とされています。
また阪神・淡路大震災において多くの生命が共助により救われたことや、
公助には物理的にも限界があることが知られるようになり、
平成30年の防災白書によれば、公助依存ではなく、自助や共助を重視すべきと
考えている人の割合は非常に高くなっています。(全体の64.3%)
しかし、その中に企業防災は明記されていません。
では企業防災とは何助なのでしょうか?
――――――――――――――――――――――――――――――
④企業防災の限界
――――――――――――――――――――――――――――――
自助・共助・公助の関係性について、広く社会全体の構成要素として
みるのであれば、個人も企業などの組織も、同じ立場にあると言えます。
また自助ができていなければ共助の余地はなく、
その前提として公助の限界について知っておくべきだとすれば、
それはやはり個人も組織も同様です。
しかし企業の場合、さらにその構成要素たるワーカーとの関係性においても
自助・共助・公助(公助の定義には中らないが、立場がそれに近いもの)が
二重に存在しており、そのことが企業防災の難しさを生んでいます。
前項にて、自治体等による公助への依存は減っていると述べましたが、
企業に対するワーカーからの依存はむしろ増加傾向にあります。
例えば自宅では防災対策に取り組んでいても
オフィスでは何も対策はしていないというワーカーも多いのではないでしょうか?
企業としての取り組みを進めれば進めるほど、ワーカーの過度な安心と
依存度を高めてしまうという矛盾がそこにはあります。
また日頃企業から執務環境を提供され、その感覚のままに災害時においても
同等の支援があると、無意識に感じてしまうことも原因として
あるのかもしれません。
企業防災の限界をどうワーカーに伝えていくか、
それこそがこれから最も重要なテーマになるのではないでしょうか。
★企業防災からみた自助・共助・公助の相関図をチェック!
http://www.soumunomori.com/rc/id-1401
★社会全体からみた自助・共助・公助の相関図をチェック!
http://www.soumunomori.com/rc/id-1402
(コクヨ防災事業部にて作成)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
コラム<企業防災・オフィス防災とは何か?>はこれで終了です。
みなさんにおける<オフィス防災>を考えるきっかけになれば幸いです。
感想・ご意見など、お聞かせください!
以下の「オフィス防災」のテーマ検討ご投稿をお願いします。
https://www.soumunomori.com/forum/thread/trd-228668/
一言投稿も大歓迎です!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■
総務の森 専門家プロフィール
コクヨのオフィス防災<ソナエル>
https://www.soumunomori.com/profile/uid-123878/
コクヨだからできること、
オフィス環境を熟知しているからこそ提案できる「防災」がある。
コクヨ防災ソリューション専門スタッフは、働き方とオフィスに合わせた
防災のはじめる・つづける、をささえます。
■企業ホームページURL
https://www.kokuyo-st.co.jp/solution/bousai/?utm_source=soumu&utm_medium=column2&utm_campaign=URL-link
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コラム<企業防災・オフィス防災とは何か?>第2回(全2回)
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配信 2019年5月22日
前回のコラムは、オフィス防災・企業防災の誕生と、
その変遷から見えてきた課題について掲載しました。
~第1回はこちら~
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-173974/
では、続きをどうぞ!
――――――――――――――――――――――――――――――
③自助・共助・公助、企業防災は何助か?
――――――――――――――――――――――――――――――
企業防災、オフィス防災の難しさはどこにあるのでしょうか?
そもそも防災対策は
・経済活動に対し直接的には寄与していない。
・使わない(過去の経験則でおそらく使わないと思われている)ことを前提に
設置・導入されていることが多く、
その割には手間・コスト・保管場所までもかかる
とうことで、どうしても優先順位が下がります。
自治体でさえ、消火器設置のような義務ではない任意型の防災対策(備蓄品等)
については、その導入・維持には苦慮しています。
つまり企業やオフィスにとっては当然として受け入れ難い異物であり、
完全に排除されることはないにせよ、
常に最低限度に跳ね返る力がかかる環境にあるのです。(残念ながら。。。)
コクヨで実施した防災担当者に関するアンケート調査によれば、
「毎年一定の予算がある」企業は約30%にとどまり、
担当者の業務としては、
「防災の業務経験が5年未満である(81.0%)」
「防災業務は兼務である(99.4%)」という結果が出ました。
アンケートコメントの中には
「5年に1回買い替えを行う業務を、
コスト削減・平準化が求められるバック部門で行っているため、
担当した社員の人事考課が下がることもあった。」
などというものまでありました。
担当者自身も厳しい環境の中で業務にあたっていることがわかりますね。
もうひとつ、
企業防災を難しいものにしている理由としてその位置づけがあります。
自分自身が行う防災は自助、
地域の中での助け合い等は共助、
自治体・消防・警察・自衛隊等によって行われる防災は公助
とされています。
また阪神・淡路大震災において多くの生命が共助により救われたことや、
公助には物理的にも限界があることが知られるようになり、
平成30年の防災白書によれば、公助依存ではなく、自助や共助を重視すべきと
考えている人の割合は非常に高くなっています。(全体の64.3%)
しかし、その中に企業防災は明記されていません。
では企業防災とは何助なのでしょうか?
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④企業防災の限界
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自助・共助・公助の関係性について、広く社会全体の構成要素として
みるのであれば、個人も企業などの組織も、同じ立場にあると言えます。
また自助ができていなければ共助の余地はなく、
その前提として公助の限界について知っておくべきだとすれば、
それはやはり個人も組織も同様です。
しかし企業の場合、さらにその構成要素たるワーカーとの関係性においても
自助・共助・公助(公助の定義には中らないが、立場がそれに近いもの)が
二重に存在しており、そのことが企業防災の難しさを生んでいます。
前項にて、自治体等による公助への依存は減っていると述べましたが、
企業に対するワーカーからの依存はむしろ増加傾向にあります。
例えば自宅では防災対策に取り組んでいても
オフィスでは何も対策はしていないというワーカーも多いのではないでしょうか?
企業としての取り組みを進めれば進めるほど、ワーカーの過度な安心と
依存度を高めてしまうという矛盾がそこにはあります。
また日頃企業から執務環境を提供され、その感覚のままに災害時においても
同等の支援があると、無意識に感じてしまうことも原因として
あるのかもしれません。
企業防災の限界をどうワーカーに伝えていくか、
それこそがこれから最も重要なテーマになるのではないでしょうか。
★企業防災からみた自助・共助・公助の相関図をチェック!
http://www.soumunomori.com/rc/id-1401
★社会全体からみた自助・共助・公助の相関図をチェック!
http://www.soumunomori.com/rc/id-1402
(コクヨ防災事業部にて作成)
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みなさんにおける<オフィス防災>を考えるきっかけになれば幸いです。
感想・ご意見など、お聞かせください!
以下の「オフィス防災」のテーマ検討ご投稿をお願いします。
https://www.soumunomori.com/forum/thread/trd-228668/
一言投稿も大歓迎です!
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■総務の森 専門家プロフィール
コクヨのオフィス防災<ソナエル>
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コクヨだからできること、
オフィス環境を熟知しているからこそ提案できる「防災」がある。
コクヨ防災ソリューション専門スタッフは、働き方とオフィスに合わせた
防災のはじめる・つづける、をささえます。
■企業ホームページURL
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