• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

登録第6227042号:「MOMOTOSE」

------------------------------------------------------------
□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□                     
□                       8月11日号
------------------------------------------------------------

 弁理士 深澤です。

------------------------------------------------------------
★このメルマガの目的♪
------------------------------------------------------------

 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

------------------------------------------------------------
★今回の事例♪
------------------------------------------------------------

 今回取り上げるのは、

○登録第6227042号:「MOMOTOSE」

 指定商品・役務は、第33類の各商品です。


 ところが、この商標は、

(1)登録第5477819号商標:「百年焼酎」

(2)登録第5482600号商標:「百年」

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


------------------------------------------------------------
★判断の分かれ目♪
------------------------------------------------------------

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-008055)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「欧文字は、辞書類に載録されていない造語であって、本願商標
指定商品を取り扱う酒類の分野において、特定の意味合いを表す語
として使用されている実情も見受けられないことから、本願商標は、
その構成文字に相応して、ローマ字読みにより、「モモトセ」の
称呼を生じ、また、特定の観念を生じるものではない。」

 一方、引用商標1は

「その構成文字に相応して、「ヒャクネンショウチュウ」の称呼を
生じ、「百年の焼酎」程の意味合い(観念)が想起されるものである。」

 また、

「「焼酎」の文字部分は、引用商標1の指定商品である「焼酎」の
普通名称であるから、同部分から出所識別標識としての称呼、観念
は生じないものであり、よって、「百年」の文字部からは、
「ヒャクネン」の称呼を生じ、「百年」の観念を生じるものである。」

「なお、「百年」の文字については、これを「モモトセ」と読む
用法は存在するものの、当該読みは、短歌・俳句などの詩的表現や
文語文に多く用いられる和語であり(株式会社三省堂 新明解国語
辞典第七版)、日常の会話や文章に常用されるものではないため、
我が国の一般の需要者、取引者の間において、広く知られた読み
とは言い難いものである。」

 また、

「指定商品を取り扱う分野においても、「百年」の文字を、
「モモトセ」と読むものとして、一般に認識されていると認めるに
足る事情は見いだせない。」

 引用商標2は、

「その構成文字に相応して、「ヒャクネン」の称呼を生じ、
「百年」の観念を生じる。」

 また、引用商標1と同様に、

「「モモトセ」の称呼を生じるものとして、一般に認識されている
と認めるに足る事情は見いだせない。」

 そこで、それぞれを比較すると、

「両者は外観において、構成文字、構成文字数及び文字種が異なる
ものであるから、判然と区別し得るものである。」

 称呼は、

「それぞれの構成音が相違するものであって、全体の音感音調が
明らかに異なり、明瞭に区別し得るものである。」

 観念は、

本願商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標からは、
「百年の焼酎」又は「百年」の観念を生じるものであるから、
商標は、相紛れるおそれのないものである。」

 したがって、

「外観、称呼及び観念のいずれにおいても、何ら相紛れるおそれの
ないものであるから」

 非類似の商標とされました。

------------------------------------------------------------
★事例からわかったネーミングのツボ♪
------------------------------------------------------------

 今回は、称呼が共通するとされた商標の類否が問題となりました。

 称呼は、「一般の需要者、取引者の間において、広く知られた
読み」で比較されるので、マイナーな称呼があっても比較対象と
ならない場合があります。

 一般的な称呼で対比させることが真似とは言わせないツボになります。 

------------------------------------------------------------
 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

************************************************************
真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
************************************************************

名無し

閲覧数(1,573)

絞り込み検索!

現在22,386コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP