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コラムの泉

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登録第6289453号:「オーヴォ」

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       4月20日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6289453号:「オーヴォ」

 指定商品は、第25類の各商品です。

 ところが、この商標は、

 登録第5885471,6157512号商標:「OVO」

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2020-005518)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標は、

「その構成文字に相応して「オーヴォ」の称呼が生じる。そして、
当該片仮名は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品
を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されて
いる実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させる
ものではない一種の造語として理解されるものであり、特定の観念
を生じない。」

 一方、引用商標

「欧文字は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品を
取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている
実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるもの
ではない一種の造語として理解されるものであり、特定の観念を
生じない。」

 そして、

「当該欧文字は、上記のとおり一連の成語を形成するものではなく、
アルファベット3文字を羅列してなるものであって、このような
場合、発音に際しては一気一連というよりも、一文字一文字を区切って
明確に発音される場合が多いといえるから、その構成文字に相応して
「オーブイオー」又は「オオブイオオ」の称呼が生じる。さらに、
当該欧文字は、ローマ字風の読みで、「オヴォ」の称呼が生じると
認めるのが相当である。」

 そこで、両者の外観を比較すると、

「文字種が片仮名か欧文字かで判然と区別できるのに加えて、
「OVO」の欧文字は、これを片仮名で表記するならば、その称呼
のとおり、「オーブイオー」、「オオブイオオ」又は「オヴォ」と
表記することが通常であるといえることから、当該欧文字から
「オーヴォ」の表記を直接想起するとはいいがたく、これら表記上
の関連性を見いだし難い。よって、両者は、外観上、相紛れるおそれ
のないものである。」

 称呼においては、

「音数が3音又は6音と大きく異なるものであるし、また、本願
商標の称呼「オーヴォ」と引用商標の称呼の一である「オヴォ」とは、
長音の有無の差を有するところ、このような差異が3音と2音という
短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は少なくない。よって、
両者は、称呼上、相紛れるおそれのないものである。」

 観念においては、

「両者は、いずれも、特定の観念を生じないものであるから、観念上、
比較することができない。」

 してみると、

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛
れるおそれのないものであるから、」

 非類似の商標と判断されました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が近いと思われた商標の類否が問題となりました。

 アルファベットの短い商標の場合、発音に際しては一気一連と
いうよりも、一文字一文字を区切って明確に発音されるか、ローマ
字風の読みになりやすいです。

 となると違いが明らかになることも多いです。

 文字種を変えることが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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