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消防組織のコンプライアンス研修:3つの動きを反映した公務員…

1 令和8年は、消防を取り巻く法規制が実際に動く年である
消防本部が対応を迫られる事項が三つ同時に到来する。いずれも知っておく段階ではなく、施行日までに体制と教育を整える段階にある。
(1)ハラスメント対策 消防消第11号 令和8年1月14日 女性消防吏員の更なる活躍の推進とハラスメント対策の徹底。対策を三つのフェーズに整理した体系的な取組と、再発防止のための研修等の充実
⇒背景には、総務省消防庁が全国720消防本部を対象に実施した初のハラスメント実態調査がある。令和5年度中に少なくとも176件のハラスメントが発生し、幹部級を含む206人が懲戒処分等を受けていた。上司から部下への行為が83.5%を占め、処分者の階級は消防司令・消防司令補で6割を超える。他方、消防吏員向け調査では、被害を受けた際の対応として「何もしなかった(できなかった)」が最多であり、その理由として相談窓口が公平・公正に対応してくれると思えなかったことが挙げられている。既に約8割の本部が研修を実施しているにもかかわらず不祥
事が続く原因は、知識の不足ではなく、声を上げても大丈夫だという組織への信頼の欠如にある。ハラスメント対策と公益通報体制を切り離さず、一体で教えるべき理由がここにある。
処分者が集中する消防司令・消防司令補という階層は、幹部教育の対象と一致する。

(2)カスタマーハラスメント対策 令和8年10月1日施行

(3)改正労働施策総合推進法33条により措置義務化。方針の策定・公表、相談体制、事後対応、抑止措置、職員への教育・研修。住民・搬送先医療機関等からの著しい迷惑行為への組
織対応。
⇒改正公益通報者保護法 令和8年12月1日施行 公益通報を理由とする分限免職・懲戒処分への直罰、通報者特定行為の禁止、通報を妨げる合意の無効。職員301人以上の本部・組合は従事者指定を含む体制整備義務。消防職員への適用関係は法9条が定め、民間向けの推定規定は及ばない

2 実施実績─鳥取県西部広域行政管理組合消防局(2年連続)
当方は、鳥取県西部広域行政管理組合消防局(職員約300人規模)において、令和7年度・令和8年度と2年連続で公務員倫理・コンプライアンス研修の講師を務めた。研修後、消防長から、当該組合の実情に合わせたテキストの作り込みまで含めて評価をいただいている。
一年目は制度と用語を知る段階、二年目は知識を実際の判断に使う段階と位置付け、条文の羅列ではなく現場で判断が分かれる場面を中心にテキストを構成した。ハラスメントは、消防消第11号が求める再発防止のための研修等の充実そのものとして位置付け、第三者として取り得る具体的行動を挙げられることを到達目標に据えた。カスハラ・公益通報の二法は、施行日までに組織が体制を整える必要があることを明示し、制度理解と組織対応を接続した。災害現場の判断については、根拠条文と権限主体(消防職員個人か、消防長・署長か)を区別できる

3 教育訓練の基準への位置付け
消防学校の教育訓練の基準(平成15年消防庁告示第3号)の下で、各消防学校は到達目標を尊重しつつ、標準的な教科目及び時間数を参考指針として具体のカリキュラムを自主的に編成できる。特別教育は、教科目及び時間数を目的に応じて適宜編成できる建付けである。これを踏まえ、次の三通りの組込み方を提案する。

以下は、中川総合法務オフィスのサイトで消防コンプライアンス研修について詳しく解説している。
 ⇒https://compliance21.com/fire-service-compliance/

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