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中小企業診断士【第2次試験突破のノウハウ】
第47号
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ご講読いただきましてありがとうございます。
このメールマガジンでは、新試験制度移行後の中小企業診断士【第2次試験】
の過去問題を中心に、解答作成のプロセスを詳細に解説していきます。
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当メルマガと連動する形で「事例構造化」資料を作成し、ホームページに掲載
しております。ここでの分析・解説の参考資料としてご覧ください。
※ホームページ
http://www.geocities.jp/lazybird_jp/
「事例構造化資料」の「平成14年度」から「事例 III」のリンクをクリッ
クしてください。
前回は「平成14年度:事例 III」の第1問の分析・解説を行いました。
いくつかの受験対策校の模範解答を見てみたところ、SWOT分析の記述が半
分程度となっているものが大半でした。やはり、記述のボリュームとしては、
SWOT分析で100字、セールスポイントの説明で100字とするのがバラ
ンス的にも最適なようです。その他の点では、設問文に沿ってSWOT分析か
らセールスポイントへと流れているものと、結論先出しでセールスポイントか
ら書いているものがありました。前回の第1問の場合はSWOT分析から書き
始めるほうが無難なような気がします。「環境分析を踏まえて」みたいな設問
文の場合には「結論先出し型」のほうがいいと思いますが、前回の設問は「環
境分析およびそこから導かれるセールスポイント」と書かれていますので、S
WOT分析始めるほうが適切ではないかと考えています。
それでは、「平成14年度:事例 III」の第2問(設問1)の分析・解説を始
めます。
<<<<<<<<<< 分 析・解 説 >>>>>>>>>>
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┃ ┃
┃ 平成14年度 事例 III(生産・技術戦略) ┃
┃ ┃
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【第2問(設問1)】/////////////////////////
中小企業診断士であるあなたは、生産部門において発生している問題点や受注
状況の変化などを踏まえた生産計画に関する提案をC社から求められた。生産
計画に関して、最も重要だと考える提案を1つ挙げ、その内容を200字以内
で説明せよ。
///////////////////////////////////
【題意の把握】----------------------------
この設問の題意はかなり明確ですね。
「C社の生産計画の改善提案」
を200字で記述してください、とのことです。しかし、生産計画の提案だけ
で200字も書かせるとは、なかなかキツイ要求ですね。
また、提案する生産計画の「改善の方向性」に対する制約が付いていることを
見逃してはいけません。
1.生産部門において発生している問題点
2.受注状況の変化
などがそれにあたります。これらの現状をよく見たうえで、
「中小企業診断士であるあなたが最も重要だと考える提案」
をC社に対して行わなければならない、と言うことですね。したがって、改善
の提案は1つだけ記述することになります。あれと、これと、それと...な
んて盛りだくさんに提案してはいけない、と言うことですね。
しかし、提案は1つだとしても中身を具体的に書かないと200字は埋められ
そうもありません。その具体的な中身については、上記の制約を踏まえた内容
にする必要がありそうです。
そこで題意を踏まえたうえでの、この設問に対する「取り組みの手順」は次の
ようになると考えられます。
1.生産部門で発生している問題点を列挙する
2.受注状況の変化を把握する
3.1.と2.から改善の方向性をいくつか挙げる
4.最も重要な改善策を特定する
といったところでしょうか。次の【与件文との関連】ではこのプロセスに沿っ
て検討を進めていきたいと思います。
【与件文との関連】--------------------------
まずは「生産部門で発生している問題点」から挙げていきます。
1.各ロットの仕様によって段取り替えに要する時間や生産スピードにバラ
ツキがあるのに加え、飛び込みの受注や設備の不調によるラインの停止
によって、生産計画どおりに生産が進まないことが週に2日程度ある
2.重要な得意先からの飛び込みの注文を優先することによって工程が混乱
し、他の注文について納期遅れが生じることがある
与件文から読み取れる問題点としてはこんなところでしょうか。ここで、これ
らはどうすれば問題ではなくなるのかについて一旦考えておこうと思います。
1.ロットの仕様ごとの段取り替え時間や生産スピード、飛び込みの受注や
設備の不調をあらかじめ加味した生産計画を立案する
2.優先度の高い注文が入った場合の対応方法を整備して工程を混乱させな
いための対策を講じる
1.については段取り替え時間や生産スピードのバラツキ、それからアクシデ
ントに対するバッファをあらかじめ生産計画に織り込んでおくことで
「生産計画どおりに生産が進まない」
ことを防止する、といった効果が期待できそうです。これらについては、ロッ
ト仕様ごとの段取り替え時間や生産スピードは調査することで明確化できそう
です。また、設備の不調によるラインの停止についてもいわゆる
平均故障間隔(MTBF)
稼働率 = ───────────────────────────
平均故障間隔(MTBF)+平均修理時間(MTTR)
で求められる設備の「稼働率」が分かれば、「不稼働率」をバッファとして織
り込むことが可能であると考えられます。
また、2.については
「重要な顧客と言えども後回しにして工程は混乱させない」
という手も考えられますが、競争が激化し受注を取られることもあるような状
況では得策ではないでしょう。わざわざ「重要な顧客」と書かれているわけで
すから、この受注の優先度は会社的に高いはずです。むしろ、工程の混乱を起
こさずにスムーズな切り替えを可能にする手を考えるべきではないでしょうか。
となると、2.ついては生産計画とはあまり関係なさそうな気がします。どち
らかというと、第2問(設問2)や(設問3)との関連のほうが強いような気
がします。
次に「受注状況の変化」を見ていきます。これについては前回のメルマガでも
書きましたが、
「小ロット/短納期化が進展している」
ことが与件文から読み取れます。短納期化については
「500~1000部の注文を中心に受注から納品までの期間が5日」
であることも前回のメルマガに書きました。いわゆる「生産リードタイムの短
縮化」の傾向があるということになります。これは生産計画の立案に大きなイ
ンパクトを与えそうです。
また、注文の小ロット化が進展している点については
「段取り替え回数が増加する」
ことが考えられます。これも生産計画の立案に与えるインパクトは小さくない
でしょう。が、こちらについても生産計画との関連性よりもこの後の設問との
関連性が強いような気がします。
なぜなら、小ロット化ニーズの高まりを考えると、段取り替え回数を「減らす」
ことは難しいと考えられ、段取り替えのスピードを改善して、1日何回段取り
替えが必要になっても「へっちゃら」にならないといけないと考えられるため
です。つまり、生産計画に対する改善ではなく、作業上の改善点であるという
ことになります。
そして最後に、現状の生産計画立案はどのように行われているのかを見ていき
たいと思います。与件文には以下のように書かれています。
「毎週木曜日に翌週の生産計画を立てる」
これは
「1週間に1回、翌週分(1週間分)の計画を立てている」
ということであると読み取れます。つまり
・生産計画立案サイクルは週1回(週次)
・生産計画対象期間は1週間
ということですね。ここで現状の生産計画立案方法を「生産部門の問題」と「
受注状況の変化」に照らし合わせてみます。
まず目に付くのが「生産リードタイム5日の注文」との関係です。現状の生産
計画立案方法だと、もし金曜日に「生産リードタイム5日の注文」が入った場
合どうなるのでしょうか。きっと翌週の木曜日まで生産計画には組み込まれず
放ったらかしになるのではないでしょうか。
そして、週次の生産計画立案時に「やばい明日納期の注文があるぞ!」ってな
感じで「特急品化」し、工程の混乱や納期遅延などが発生する...実際は与
件文にそこまで書かれていないのでオーバーかも知れませんが、週次での生産
計画立案が「生産リードタイムの短い注文の特急品化」を招いていることはじ
ゅうぶんに考えられます。
ここまでの検討で以下の点を提案できそうです。
・生産計画立案サイクルは日次で行う
・生産計画の日々の変更に柔軟に対応できる体制を整備する
提案の基本的な方向性は「計画立案の短サイクル化」になります。生産体制な
どについては提案を実現するための具体的な内容として参考解答に含めたいと
思います。
【使用可能なキーワード】-----------------------
ここまでの検討から解答作成に使用できそうなキーワードを抽出しておきます。
・生産計画立案サイクル
・生産計画対象期間
・生産リードタイムの短縮化
・週次から日次の生産計画立案サイクルへの変更
・生産計画の日々の変更に柔軟に対応できる体制の整備
・ロット仕様ごとの段取り替え時間、生産スピードの明確化
・設備の稼働率の算出
何かいろいろ検討してきた割には少ないですね。それにキーワードにしては長
すぎるものもあるような気がします。これで200字も埋められるか心配です
が、とりあえず参考解答の記述に進みたいと思います。
【文章構成の設計】--------------------------
文章構成は、設問文の最後が
「提案を1つあげ説明せよ」
となっていますので「結論先出し型」とします。
「C社は~とすべきである」
といった感じです。それに続いて提案の具体的な中身を書いていきます。
「具体的には、1)~、2)~、3)~とする」
200字の解答スペースなので3つぐらいは具体的内容を書いたほうがいいか
もしれませんね。字数配分としては結論部分に50字程度、具体的内容は50
字×3=150字程度といったところでしょうか。
理想的には何か明確な切り口があるといいんですが、今回は特に見つけられて
いませんので、なんとなくダラ~っとした文章になってしまいそうです。
「参考解答」=============================
C社は、段取り替え時間や生産スピードのバラツキとラインの停止などの不
測の事態に対するバッファを考慮に入れた生産計画を、日次サイクルで立案す
べきである。具体的には、得意先からの生産リードタイムの短縮化ニーズに対
応するため、生産計画立案サイクルを現在の週次から日次へ変更する。また、
ロット仕様ごとの段取り替え時間や生産スピードの明確化、設備の稼働率の算
出等を行い生産計画へ反映することにより精緻化を図る。
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生産計画立案の対象期間を入れ忘れました。それにやっぱり何だかダラ~っと
した文章になってしまいました。この問題、難しいですね。受験対策校の模範
解答はどうなっているんでしょうか。っていうか今年の試験にこんなの出たら
まずいですね。さっそく受験対策校の模範解答との比較をしてみます。
今回はここまでとさせていただきます。
次回は「平成14年度:事例 III」の第2問(設問2)から分析・解説します。