札幌市豊平区の
税理士 溝江諭(みぞえさとし)です。
過去に中古で取得した
資産に適用される「新
耐用年数」はどうなるのかの第2回目です。
前回は、「1の① 過去に取得した中古
資産の
耐用年数を簡便法で決めていた場合で、新品としての法定
耐用年数が短縮された場合」について説明しました。その内容は、改正後の法定
耐用年数を基礎に中古
資産の
耐用年数を簡便法により再計算することができるというものでした。(「
耐用年数の適用等に関する取扱
通達」の1-5-7)
今回は、まず、「1の② 過去に取得した中古
資産の
耐用年数を簡便法で決めていた場合で、新品としての法定
耐用年数が同じか延長された場合」について見ていきましょう。すなわち、次の場合です。
その中古
資産が新品であったとした場合の旧
耐用年数 ≦ その中古
資産が新品であったとした場合の新
耐用年数
新品としてのこれら2つの
耐用年数が同じであった場合は、これからも今までの
耐用年数を使用することに何の問題もありませんが、法定
耐用年数が延長された場合はどうなるのでしょうか?
「
減価償却資産の
耐用年数等に関する省令」や「
耐用年数の適用等に関する取扱
通達」を調べてみても、延長の場合の規定はないようです。すなわち、新しい
耐用年数を決定するための再計算は必要とされず、今後も今まで適用していた簡便法の
耐用年数をそのまま使用して、
減価償却費を計算することになります。
さて、次に、「2 過去に取得した中古
資産の
耐用年数を原則法(見積法)で決めていた場合」について見ていきましょう。これもさらに2つに分けて考える必要があります。
① 見積
耐用年数 > 新品の法定
耐用年数 の場合
② 見積
耐用年数 ≦ 新品の法定
耐用年数 の場合
上記の式の左辺が「見積
耐用年数」となっている点が「簡便法」で決めていた場合と違う所です。ご注意下さい。
まず、①の「見積
耐用年数 > 新品の法定
耐用年数 の場合」の答えは、「
耐用年数の適用等に関する取扱
通達」の1-7-2にあります。そこにはこう書かれています。
(見積法を適用していた中古
資産の
耐用年数)
1-7-2 見積法により
算定した
耐用年数を適用している中古
資産について、法定
耐用年数の改正があったときは、その改正後の法定
耐用年数を基礎として当該中古
資産の使用可能期間の見積り替えをすることはできないのであるが、改正後の法定
耐用年数が従来適用していた見積法により
算定した
耐用年数より短いときは、改正後の法定
耐用年数を適用することができる。
例えば、過去の事業年度で中古のデジタル印刷システム設備を取得し、その
耐用年数を「見積法」により6年としていたとします。
これが、今回の
耐用年数の見直しにより、印刷業の設備については法定
耐用年数が4年とされたことにより
見積
耐用年数 6年 > 新品の法定
耐用年数 4年
の場合に該当しますので、平成20年4月1日以後に開始する事業年度からは、この中古
資産については
耐用年数4年として償却できることになります。
(※注 その中古
資産が平成19年3月31日以前に取得し、既に償却可能額95%に達した物である場合には、備忘価額 1円を残した5年均等償却の対象とされるため、今回の
耐用年数の見直しは不要です。)
さて、最後に、「2 過去に取得した中古
資産の
耐用年数を原則法(見積法)で決めていた場合」で、②「見積
耐用年数 ≦ 新品の法定
耐用年数 の場合」です。
この場合については、前記の
通達1-7-2に、「法定
耐用年数の改正があったときは、その改正後の法定
耐用年数を基礎として当該中古
資産の使用可能期間の見積り替えをすることはできない」とありますので、今後も今まで適用していた見積法の
耐用年数をそのまま使用して、
減価償却費を計算することになります。
以上、平成20年4月1日以後に開始する事業年度から、
減価償却の
耐用年数区分が簡素化され、それに伴い、新しい
耐用年数が既存の
資産についても適用されることとされたため、「過去に中古で取得した
資産の
耐用年数はどうなるのだろうか?」と疑問に思い、調べた結果です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(※参考)取得した中古
資産の
耐用年数の決定法は以下の通り。ただし、取得価額の50%相当額を超える改良費や再取得価額の50%相当額を超える改良費を支出した場合を除きます。
【原則法】 事業の用に供した時以後の見積もりによる使用可能期間の年数(
耐用年数省令3①一)。
【簡便法】 次の区分に応じ、それぞれ計算した年数で、1年未満の端数は切り捨て、ただし、最低でも2年(
耐用年数省令3①二)。
1 法定
耐用年数の全部を経過した中古
資産
法定
耐用年数×20%
2 法定
耐用年数の一部を経過した中古
資産
(法定
耐用年数-経過年数) + 経過年数×20%
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いよいよ、寒さ厳しい冬本番の到来です。メタボな私は脂肪にしっかりガードされた肉体を誇っているので、寒さには強いのですが、「大雪だけは勘弁」と願う今日この頃です。ここ北海道では、大雪の朝は暗いうちから起き出して雪かきに精を出します。出社前だというのに、雪かきだけで既に疲労困憊!こんなときは、南の島に住んでいる方がつくづくうらやましい。いつかは、南へ移住するぞ!?
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税理士 溝江 諭KSC
会計事務所
http://www.ksc-kaikei.com/
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札幌
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札幌市豊平区美園12条7丁目7-1 011-812-1672
札幌学院大学 客員教授 溝江 諭
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札幌市豊平区の税理士 溝江諭(みぞえさとし)です。
過去に中古で取得した資産に適用される「新耐用年数」はどうなるのかの第2回目です。
前回は、「1の① 過去に取得した中古資産の耐用年数を簡便法で決めていた場合で、新品としての法定耐用年数が短縮された場合」について説明しました。その内容は、改正後の法定耐用年数を基礎に中古資産の耐用年数を簡便法により再計算することができるというものでした。(「耐用年数の適用等に関する取扱通達」の1-5-7)
今回は、まず、「1の② 過去に取得した中古資産の耐用年数を簡便法で決めていた場合で、新品としての法定耐用年数が同じか延長された場合」について見ていきましょう。すなわち、次の場合です。
その中古資産が新品であったとした場合の旧耐用年数 ≦ その中古資産が新品であったとした場合の新耐用年数
新品としてのこれら2つの耐用年数が同じであった場合は、これからも今までの耐用年数を使用することに何の問題もありませんが、法定耐用年数が延長された場合はどうなるのでしょうか?
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」や「耐用年数の適用等に関する取扱通達」を調べてみても、延長の場合の規定はないようです。すなわち、新しい耐用年数を決定するための再計算は必要とされず、今後も今まで適用していた簡便法の耐用年数をそのまま使用して、減価償却費を計算することになります。
さて、次に、「2 過去に取得した中古資産の耐用年数を原則法(見積法)で決めていた場合」について見ていきましょう。これもさらに2つに分けて考える必要があります。
① 見積耐用年数 > 新品の法定耐用年数 の場合
② 見積耐用年数 ≦ 新品の法定耐用年数 の場合
上記の式の左辺が「見積耐用年数」となっている点が「簡便法」で決めていた場合と違う所です。ご注意下さい。
まず、①の「見積耐用年数 > 新品の法定耐用年数 の場合」の答えは、「耐用年数の適用等に関する取扱通達」の1-7-2にあります。そこにはこう書かれています。
(見積法を適用していた中古資産の耐用年数)
1-7-2 見積法により算定した耐用年数を適用している中古資産について、法定耐用年数の改正があったときは、その改正後の法定耐用年数を基礎として当該中古資産の使用可能期間の見積り替えをすることはできないのであるが、改正後の法定耐用年数が従来適用していた見積法により算定した耐用年数より短いときは、改正後の法定耐用年数を適用することができる。
例えば、過去の事業年度で中古のデジタル印刷システム設備を取得し、その耐用年数を「見積法」により6年としていたとします。
これが、今回の耐用年数の見直しにより、印刷業の設備については法定耐用年数が4年とされたことにより
見積耐用年数 6年 > 新品の法定耐用年数 4年
の場合に該当しますので、平成20年4月1日以後に開始する事業年度からは、この中古資産については耐用年数4年として償却できることになります。
(※注 その中古資産が平成19年3月31日以前に取得し、既に償却可能額95%に達した物である場合には、備忘価額 1円を残した5年均等償却の対象とされるため、今回の耐用年数の見直しは不要です。)
さて、最後に、「2 過去に取得した中古資産の耐用年数を原則法(見積法)で決めていた場合」で、②「見積耐用年数 ≦ 新品の法定耐用年数 の場合」です。
この場合については、前記の通達1-7-2に、「法定耐用年数の改正があったときは、その改正後の法定耐用年数を基礎として当該中古資産の使用可能期間の見積り替えをすることはできない」とありますので、今後も今まで適用していた見積法の耐用年数をそのまま使用して、減価償却費を計算することになります。
以上、平成20年4月1日以後に開始する事業年度から、減価償却の耐用年数区分が簡素化され、それに伴い、新しい耐用年数が既存の資産についても適用されることとされたため、「過去に中古で取得した資産の耐用年数はどうなるのだろうか?」と疑問に思い、調べた結果です。
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(※参考)取得した中古資産の耐用年数の決定法は以下の通り。ただし、取得価額の50%相当額を超える改良費や再取得価額の50%相当額を超える改良費を支出した場合を除きます。
【原則法】 事業の用に供した時以後の見積もりによる使用可能期間の年数(耐用年数省令3①一)。
【簡便法】 次の区分に応じ、それぞれ計算した年数で、1年未満の端数は切り捨て、ただし、最低でも2年(耐用年数省令3①二)。
1 法定耐用年数の全部を経過した中古資産
法定耐用年数×20%
2 法定耐用年数の一部を経過した中古資産
(法定耐用年数-経過年数) + 経過年数×20%
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