【未上場企業の株式の買取り争い】(和出吉央)
ある未上場企業に、設立当初(発起人7名・株式
引受人1名以上の時代)出資した方の
相続人から、今までの
株主総会不開催、
配当の不実施等を理由に、弁護士さんを通じて株式の買取要求の
内容証明郵便が届きました。
(最初は、口頭による本人からの「お願い」だったのですが、それを無視したため、弁護士さんが出てきました)
どうにか
抗弁したいところですが、
株主総会の議事録(実際は不開催)以外に
株主総会に関する資料はもなく、かつ、
配当は設立以来、20年以上一度も実施していないため、まったく打つ手がありません。最終的な判断としては、
「相手方の要求を受け入れてすぐ株を買取る」ということになりました。
“未上場企業の株式=市場のない株式”の買取り金額で裁判になると、多くのケースでは、まずは、いわゆる“時価純
資産価額”をベースに話が進み、合意とならない場合は、その後、審理の過程でお互いの側の株価鑑定人(
会計士・
税理士等)がそれぞれに有利な「株価鑑定書」を提出するという流れになります。
そして、最終的に裁判所が金額を決定することになりますが、これまで見てきたほとんどケースで、この決定金額は、時価純
資産価額の8割~9割くらいに落ち着いているのですが、今回は、幸いなことに、相手方の買取要求金額は、時価純
資産価額の6割程度という比較的安価でした。
そこで、裁判所を関与させると金額が上がってしまう可能性が高いという判断のもと、後継者が買取ることで事実上の
和解が成立しました。
後継者は、一部借金で買取資金を補填することになりましたが、それでも万々歳だと思います。
会社法上、特段の事情もない状況で、(
合併等へ反対の
株主の買取請求等は可)
株主に株式買取請求権という権利はありませんが、毎年の
株主総会の開催や
配当実施等の
株主対策をきっちりしていないと、事実上、会社やオーナーに対する株式買取請求を免れることは困難です。しかし、この買取要求も、場合によっては、
「
株主からの株式買取請求=買い取れる絶好のチャンス」
と捉えることができるのです。
そのためには、確かな知識や信頼できる専門家のバックアップが必要となります。
【未上場企業の株式の買取り争い】(和出吉央)
ある未上場企業に、設立当初(発起人7名・株式引受人1名以上の時代)出資した方の相続人から、今までの株主総会不開催、配当の不実施等を理由に、弁護士さんを通じて株式の買取要求の内容証明郵便が届きました。
(最初は、口頭による本人からの「お願い」だったのですが、それを無視したため、弁護士さんが出てきました)
どうにか抗弁したいところですが、株主総会の議事録(実際は不開催)以外に株主総会に関する資料はもなく、かつ、配当は設立以来、20年以上一度も実施していないため、まったく打つ手がありません。最終的な判断としては、
「相手方の要求を受け入れてすぐ株を買取る」ということになりました。
“未上場企業の株式=市場のない株式”の買取り金額で裁判になると、多くのケースでは、まずは、いわゆる“時価純資産価額”をベースに話が進み、合意とならない場合は、その後、審理の過程でお互いの側の株価鑑定人(会計士・税理士等)がそれぞれに有利な「株価鑑定書」を提出するという流れになります。
そして、最終的に裁判所が金額を決定することになりますが、これまで見てきたほとんどケースで、この決定金額は、時価純資産価額の8割~9割くらいに落ち着いているのですが、今回は、幸いなことに、相手方の買取要求金額は、時価純資産価額の6割程度という比較的安価でした。
そこで、裁判所を関与させると金額が上がってしまう可能性が高いという判断のもと、後継者が買取ることで事実上の和解が成立しました。
後継者は、一部借金で買取資金を補填することになりましたが、それでも万々歳だと思います。
会社法上、特段の事情もない状況で、(合併等へ反対の株主の買取請求等は可)株主に株式買取請求権という権利はありませんが、毎年の株主総会の開催や配当実施等の株主対策をきっちりしていないと、事実上、会社やオーナーに対する株式買取請求を免れることは困難です。しかし、この買取要求も、場合によっては、
「株主からの株式買取請求=買い取れる絶好のチャンス」
と捉えることができるのです。
そのためには、確かな知識や信頼できる専門家のバックアップが必要となります。