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ホンダ、燃料電池車開発責任者のリーダーシップ力!

    ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

   <第219回>できる人のコンピテンシーをベンチマークする!

 ==■「ホンダ、燃料電池車開発責任者のリーダーシップ力!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐
れとなり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。

「できる人のコンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説して
いきます。

コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トッ
プ・管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さん
にも是非ともお読みいただきたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】部下に「叱咤、叱咤だ」と言われて開発の現場を去る!
【2】「開発の現場に戻ってくれ」と乞われて!
【3】「思いを意地でも形にせよ」と鼓舞!
【4】編集後記

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埼玉県の田園地帯にホンダの研究所がある。いろいろな部署があるが特に燃料
電池車の開発現場はセキュリティレベルの最も高い部署だ。中で何人の技術者
が働いているかさえも公表されていない。

そこにNHKのカメラが初めて入ることを許された。「プロフェッショナル 
仕事の流儀」という番組である。番組では一人の開発責任者にスポットを当て
ていた。30代のころ、「エンジンシステムの神様」と称されていた藤本幸人
(さちと)氏52歳である。

藤本氏は究極のエコカー、燃料電池車の開発リーダーである。リーマンショッ
ク以降見舞われた世界同時不況で王者トヨタも大幅赤字。そんな中、ホンダが
ハイブリッド車インサイトを発売したところこれが大当たり、ついでトヨタが
同じくハイブリッド車の新型プリウスを発売して火がついた。エコカー減税の
追い風もプラスに作用した。

三菱は充電式の電気自動車を発売して話題になり、日産も来年には電気自動車
で勝負に出ると報道されている。

しかし究極のエコカーはなんと言っても燃料電池車だ。燃料は水素。水素で発
電してモーターを駆動し水滴をたらしながら走る。排ガスゼロ、CO2ゼロだ。
ホンダでは公道テストでデータを積み上げ、アメリカでもユーザーモニターテ
ストは順調に進んでいる。そして車にとってもっとも過酷なドイツでの公道実
験も行い、量産技術の確立とコストダウンの実現に向け加速し始めた。2020年
には街中が燃料電池車と電気自動車だらけになることだろう。

そこで、今回は藤本幸人氏の「リーダーシップ力」に迫ってみる。



【1】部下に「叱咤、叱咤だ」と言われて開発の現場を去る!

若いときから頭角を現し、「エンジンシステムの神様」とまで言われた藤本幸
人氏が技術者としての実力を買われて燃料電池車開発プロジェクトのリーダー
に抜擢された。

エンジンの技術やノウハウは過去の実績データが積み上げられ、技術資料豊富
にある。しかし燃料電池車については全く未知の世界だ。

日々試行錯誤の繰り返しだ。遅々としてタイムスケジュール通りにことが進ま
ないため藤本氏の顔には苛立ちの表情が現れる。部下は思わず言い訳をする。
「否定的な言葉からは何も生まれない。問題解決にならない」と厳しい口調で
切り返してしまう。当然のごとく部下には叱責と受け取られてしまう。

藤本氏が主任研究員に昇進したとき、お祝いの席が設けられた。宴たけなわの
ころ一人の部下が言った。「叱咤激励という言葉があるが藤本さんは叱咤、叱
咤だ」と。藤本氏の胸にぐさりと刺さった。そして開発の現場を離れる決意を
した。



【2】「開発の現場に戻ってくれ」と乞われて!

開発の現場を離れて三ヶ月。上司に呼ばれて開発の現場に戻ってくれと言われ
た。今度は単なるリーダーではなく開発総責任者として指揮を取って欲しいと
乞われた。迷ったが藤本氏は引き受けることにした。そしていくつかマネジメ
ントのやり方を変えた。

部下に対しては数値目標だけでなく、夢を語り、夢を共有できるように切り替
えた。車も成長していくが人も一緒に成長していくのだという思いを強く抱く
ようにした。

「技術の前では誰もが平等」という理念の下に部下の意見が出尽くすまでじっ
と聴き入るようにした。耳を傾けてよく聴き、理解するように努めるのである。
そして「満足したら技術は死ぬ」と事あるごとに強調し、皆を鼓舞し続けた。

メンバーの誰もが藤本氏の変化に気付いた。明らかにマネジメントが変化して
おり、リーダーシップ力なるコンピテンシーが磨かれていたのである。



【3】「思いを意地でも形にせよ」と鼓舞!

公道テストのデータはかなり積み上がってきた。アメリカでのユーザーモニタ
ーテストでも好評だ。

一番過酷なドイツでドイツ人による公道テストの評価を受けるべく部下たちが
先行してドイツに入った。藤本氏は遅れて現地入りして合流した。

ドイツの高速道路は速度無制限。200キロで走行する車と60キロで走行する車
が混在して走るから加速と減速が繰り返される。ひとたび街中に入れば石畳で
道は細く曲がりくねっている。これらの条件をクリアすべく車の足回りなどの
調整が必要だ。

部下たちは入念に調整を繰り返して追い込んでいく。藤本氏は部下たちの仕事
振りを見届けて「思いは意地でも形にせよ」といって立ち去った。

ドイツ人の前に藤本氏が試乗してみた。結果は上場だった。藤本氏は部下たち
に労をねぎらいドイツ人の試乗評価を受けた。彼らの評価も上場だった。

量産技術で一般ユーザーが購入できる価格にすることが急務となった。藤本氏
は「自分がリタイアする前にこの車を購入したいですね」と夢を語った。



【4】編集後記

「プロフェッショナルとは」の質問に対して「信念を持って突き進み、どんな
こんなんがあっても結果を出す人。そうなりたいですね」と笑顔がこぼれた。

<この記事は平成21年7月放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」
を参考にしています。>



次回に続く

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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