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チームビルディング

優秀な人たちなのに結果が出ない?組織のパフォーマンスを最大化する「チームビルディング」とは

2022.10.13

“チームビルディング”という言葉をご存知でしょうか? 優秀な人材はいるはずなのに、なぜか成果が感じられない……といった課題を抱え、組織力の向上を前向きに検討している経営者にとって、チームビルディングは有効な経営手段の一つです。今回は、チームビルディングの基礎をわかりやすく解説していきましょう。

チームビルディングとは

チームビルディングは、会社が設定した目標を社員同士が協力して達成するために“チーム力”を改善する取り組みです。わかりやすく言い換えると、チームを作り上げていくこと。スポーツにおけるチームと同様に、会社の場合も経営者や管理職、社員など一人ひとりが同じ方向を向き、一つの“組織”として目標達成に向けて取り組んでいくことが必要不可欠です。優秀な社員が一人いたところで実現できるものではなく、“チーム単位”で目標に向けて進んでいくことに意義があります。

社員それぞれの持つスキルや経験をできる限り活かすことができるよう、社内で研修やワーク、プログラムなどを活用し、チームの能力アップを目指しましょう。また、ここでいう“チーム”とは、共通の目標達成を目指す会社内の組織を指します。課やプロジェクトチームを想定するとよいでしょう。

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チームビルディングのメリット

次に、チームビルディングで得られるメリットを確認してきましょう。

①個々の社員の意識改革が実現

終身雇用が主だった時代と比べ、中途採用者が増加したことで、会社への忠誠心や思い入れが薄い社員が増えています。チームビルディングを実施することで、従業員は会社での自身の立ち位置やこれから進むべき方向性、業務に取り組む姿勢などの基本的意識を身に着けることが可能となり、立場を理解した行動ができるようになります。新入社員の場合は社会人として会社で仕事をする方向性が明確になり、中堅社員の場合はチームをうまく機能させ経営層の目指す目的を達成するためのマネジメント能力が育まれるでしょう。

②コミュニケーション増加による結束力アップ

チームビルディングを行うと、社員同士が顔を合わせ、意見を交換する機会が増えます。自然と自分たちが一つのチームであるという意識が植えつけられ、情報の伝達や仕事の割り振り、段取りの付け方が適切な方向へ進みます。社内での人間関係トラブルを減少させる効果も期待できるでしょう。

③新たな発想力誕生のきっかけとなる

チームビルディングを実施することで、前述の通り社員同士がコミュニケーションをとる機会が増加するため、社員がお互いにどのような仕事へ携わっているかが知れ渡り、気軽に意見交換をできるようになります。その結果、新たな発想やアイデアが誕生し、比較的容易に実現できるような環境が整い、会社の生産性アップへとつながる効果がみられます。

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チームビルディングのプロセスと手法

チームビルディングを実際に行うにあたって知っておくべき5段階のプロセスを紹介します。アメリカの心理学者であるブルース・W・タックマンが提唱したプロセスで、『タックマンモデル』と呼ばれ広く知られています。

①形成期

形成期とは、チームができあがった直後の状況のことを指します。チームのメンバー同士の面識があまりなく、どのようなメンバーがいるのか、どんな目的で何をしたら良いのかが明らかになっておらず、それぞれが不安を抱えている状態です。

形成期に有効な手法は、チーム全体で楽しみながら親睦を深めることのできるようなアクティビティ(マシュマロやパスタなどを使い高いタワーを作ったチームが勝利するゲーム『マシュマロ・チャレンジ』など)や、懇親会の開催などが挙げられます。

②混乱期

人間は一人ひとり考え方や趣味嗜好が異なります。形成期を経てメンバー同士が互いを知るにつれ、考え方が異なる相手に対して困惑や対立をすることで混乱してしまう状況を言います。

混乱期には、互いが本音を出し合えるようなチームビルディングが有効です。組織の本質的な問題解決に効果的と言われる『すごい会議』などの手法を用いて、互いに意見を出し合う時間をじっくり取ると良いでしょう。

③統一期

混乱や対立を経て、メンバー同士が互いを理解し、信頼感が生まれる時期のことです。メンバーの間に信頼感が生まれるため、チーム全体が安定し始める状況であるとも言えるでしょう。

チームが本格的に稼働をし始めるこの時期には、特別なアクティビティを実施するよりも、チームリーダーによる管理体制を整備する方法が有用となります。リーダーがプロジェクトの進み具合を把握した上で、メンバーの状況に応じたフォローを行う必要があるのが統一期です。

④機能期

メンバー一人ひとりが自身のやるべき立場を理解し、お互いにフォローし合うことができる状況を指します。チームが適切に機能するよう、チームのリーダーを担う立場の者には、メンバーのフォローやチームワークを強固なものにするためのサポートが求められています。

機能期には、チームで取り組んでいる仕事とは異なる分野で交流を進める方法が良いでしょう。屋外でチームワークを深めるアクティビティや、体験型宝探しゲームなどもおすすめです。オンラインで開催しているものもありますので、状況に応じて取り入れてみてください。

⑤散会期

オリンピックにおける日本代表が解散するように、プロジェクトの修了や人事異動、一定の期限が過ぎたことなどによりチームとしての活動が終了する時期のことです。この段階で「もう少しこのチームで仕事がしたかった」とメンバー同士が思えるような環境づくりが実施できていれば、チームビルディングの成果が出たと判断できます。

チームの解散を記念した懇親会や打上げ飲み会などで互いの健闘を称えあい、ねぎらいの機会を設けると良いでしょう。

チームビルディングに重要なコミュニケーションを促すオフィスづくり

チームビルディングの概要や効果、プロセスについてお分かりいただけたかと思います。チームビルディングの実施により一定の成果をあげるためには、取り組み内容の検討に加え、チームビルディングに適した環境を整える方法が非常に有効です。プライベートの場合でも、「この場所なら落ち着いて考え事や話し合いができる」という環境がいくつか挙げられるように、オフィス空間のレイアウトや雰囲気づくりは人の心理状態に大きな影響を及ぼします。

また、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響によりリモートワークが主流化したことで、社員同士がコミュニケーションをとる機会が減少しているという課題も見られています。まずは従業員が出社する意味を見出せるオフィスづくりをすることもチームビルディングを円滑に進めるうえで重要であると言えるでしょう。

まずは現状を洗い出し、どのようなオフィス環境が適しているのかを、オフィスの移転も含めて検討してみてはいかがでしょうか。

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*ふじよ、kikuo、Graphixchon、buritora、sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)