
環境や人に優しい働き方!グリーンオフィスで得られる効果と導入フローを解説
オフィス環境の快適性を追求する現代において、働く人々の健康と生産性向上を目指し、オフィスにグリーンを取り入れることが注目されています。この記事では、グリーンオフィスの概念、メリット、デメリット、そして効果的な緑の選び方や導入フローについて解説します。
目次
グリーンオフィスとは
グリーンオフィスとは、働く環境を改善するために植物を取り入れたオフィス運営を行うことです。オフィス緑化という呼び方をする場合もあります。
【こちらもおすすめ】やっぱりオフィスで働きたい…!社員が出社したくなるオフィス環境とは?
グリーンオフィスのメリット
オフィスにグリーンを取り入れることで、社員の生産性向上やストレス緩和の効果があります。コクヨ株式会社が行った調査によると、オフィスに植物を取り入れることで76.9%の方が「ストレスの軽減を感じた」と回答しました。
また、植物を通じてオフィスの美観を向上させることで、訪問者に対してもポジティブな印象を与えることが可能です。
さらに、環境省の省エネ改修の費用対効果の資料によると、グリーンオフィスはエネルギーコストの削減にも寄与することが期待でき、長期的には経済的なメリットも見込めます。社員の幸福感を高め、企業イメージを向上させるなど多岐にわたる利点がある施策といえるでしょう。
【参考】オフィスにグリーンを取り入れるメリットは?取り入れ方の具体例まで紹介/コクヨマーケティング株式会社
【参考】省エネ改修の費用対効果/環境省
グリーンオフィスのデメリット
グリーンオフィスにもいくつかのデメリットが存在します。
まず、本物の植物を使用する場合には定期的な水やりや環境管理が必要となり、それに伴う手間やコストがかかります。
また、植物によってはアレルギーを引き起こす可能性もあり、オフィス内の全員が快適に過ごせるとは限りません。さらに虫が発生するリスクもあり、清潔なオフィス環境を維持するためには注意が必要です。グリーンオフィスの概念を理解し、適切な管理を行う知識がなければ、緑のある環境を維持することは難しくなるでしょう。
グリーンの種類・選び方
オフィスの緑化には、本物の植物からフェイクグリーンまでさまざまな選択肢があります。空間の雰囲気やメンテナンスの手間、予算に合わせて最適なグリーンを選びましょう。
ここからはオフィスの緑化に使えるグリーンの種類について解説します。
フェイクグリーン
フェイクグリーンは、手入れが不要でありながらオフィス空間に自然の雰囲気をもたらすことができる便利なアイテムです。本物の植物と異なり、水やりや日光が不要で枯れる心配もありません。また、アレルギーの心配が少なく清潔に保ちやすいためオフィス環境に適しています。
デザインやサイズの多様性もフェイクグリーンの魅力で、季節に関わらず常にフレッシュな見た目をキープできる利点もあります。
ただし、質の低い製品は不自然に見えることがあるため、選ぶ際にはリアルな質感を重視するとよいでしょう。フェイクグリーンは、手軽にオフィスの雰囲気を変えたいときに最適な選択肢です。
本物の植物
オフィスに本物の植物を取り入れてグリーンオフィスをつくることもできます。ストレス軽減などの効果は本物の植物でのみ期待されているようです。
しかし、本物の植物は栽培に土が必要なので虫が湧いてしまう可能性があります。
その解決策の一つとして『ハイドロ植栽』が挙げられます。ハイドロ植栽とは人工の土を使って植物を栽培する方法で、清潔で虫の心配が少なく、メンテナンスも簡単です。
植物は視覚的な癒し効果があり、オフィス環境を快適に保つ手助けをしてくれます。選ぶ際には、光の量や温度、湿度などのオフィスの環境に適した植物を選ぶことが大切です。また、観葉植物から花を咲かせる植物まで、多種多様な選択肢があるため、オフィスの雰囲気に合わせて選ぶことができます。
グリーンオフィスの導入フロー
グリーンオフィスの導入フローはおおむね以下の通りです。
- オフィスにグリーンを取り入れる目的を設定する
- 現在のオフィス環境を評価し、どのような植物が適しているかを検討する
- 空間の利用計画を立て、植物の配置や照明、水やりのスケジュールを決める
- 必要な植物や資材を購入し、オフィスに配置する
- メンテナンスを定期的に行う
社員に管理方法やメリットを説明して理解を深めることも大切です。定期的なメンテナンス計画も立て、快適なグリーンオフィスを維持しましょう。
【こちらもおすすめ】生産性の低さはオフィスが原因?「オフィス見直し診断」で問題点を把握する
緑化するうえでの注意点
オフィスの緑化を進める際には、いくつかの注意点があります。
オフィスに合った植物を選ぶ
植物はオフィスの環境に合った品種を選ぶことが大切です。特に本物の植物は環境に適した品種でないと枯れてしまいます。また、仕事の邪魔になりやすいような植物もふさわしくないでしょう。たとえば以下のような特徴を持つ植物は選択肢から外すべきでしょう。
- 季節によって葉や花びらが大量に落ちる
- メンテナンスに手間がかかる
- すぐに枯れやすい
- 最終的に大きく育ちすぎる
- 独特な匂いがする、または匂いがきつい
メンテナンスは定期的に
フェイクグリーンであればあまりメンテナンスは必要ありませんが、本物の植物の場合は水やりなどの世話は定期的に行う必要があります。「気づいた人がやる」といったあいまいな手法では誰もやらない可能性があり、植物が枯れてしまいますので、担当者を決めて業務の一環として実施することが必要です。
【こちらもおすすめ】出社したいと思えるオフィスに!デザインワン・ジャパン代表取締役・高畠 靖雄氏にインタビュー
まとめ
グリーンオフィスは環境にも人にも優しい働き方を提案します。メリットが多く、生産性の向上やストレス軽減が期待できますが、デメリットにも目を向けたうえでの導入が重要です。適切な植物の選択と管理に注意して緑化を進めることで、快適で持続可能なオフィス環境を実現しましょう。
*An image to remember, Doitforfun, Art_Photo, Olena Yakobchuk, fornStudio,Morakot Kawinchan / shutterstock, zak / PIXTA(ピクスタ)
【オフィスの課題を見える化】働く環境診断「はたナビPro」お問い合わせはこちら