労働実務事例
[ 質問 ]
新しい「交通労働災害防止のためのガイドライン」において示されている交通労働災害防止のための教育の実施、健康管理などについてご教示ください。
埼玉・T社
[ お答え ]
「交通労働災害防止のためのガイドライン」のうち、教育の実施、健康管理などについて、具体的に述べます。
第3 教育の実施
(1)事業者は、労働安全衛生法第59条の規定により行う雇入時教育および作業内容変更時教育において、①交通法規、走行前点検などの運転者が遵守すべき事項、②改善基準告示などの遵守、運転日前日の睡眠時間確保、飲酒による運転への影響、睡眠時無呼吸症候群などの治療、体調の維持などの必要性に関する事項を含む教育を行うとともに、必要に応じて、知識および経験が豊富な者の添乗により、実地に指導を行うこと。
(2)事業者は、①改善基準告示などの遵守、運転日前日の十分な睡眠時間確保、飲酒による運転への影響、睡眠時無呼吸症候群などの適切な治療、体調の維持などの必要性に関する事項、②交通事故情報、交通事故のヒヤリ・ハット事例、デジタル式運行記録計の記録、ドライブレコーダーの記録などから判明した安全走行に必要な情報に関する事項、③危険な箇所、注意事項などを示した交通安全情報マップに関する事項、④交通労働災害に関する改正法令などの情報について運転者に交通労働災害防止に関する知識を付与すること。
(3)事業者は、実際の運転場面を想定したイラストシートなどを用いて、運転者に、交通労働災害の潜在的危険性を予知させ、その防止対策を立てさせる交通危険予知訓練を継続的に行うことが望ましい。
(4)事業者は、運転に必要な所定の資格を有する者で、一定の教育指導を受けたもの、認定試験に合格したものなどに対して運転業務を認める運転者認定制度を導入することが望ましいこと。
(5)事業者は、労働者をマイクロバスなどによって送迎する場合は、運転に必要な資格を有する者のうちから特に十分に技能を有する適格者を指名すること、また、運転以外の勤務の終了後に自動車の運転の業務に従事させる場合には、運転以外の勤務の軽減などについて配慮すること。
第4 交通労働災害防止に対する意識の高揚
(1)事業者は、ポスターまたは標語の募集および掲示、交通労働災害の写真の掲示、優良運転者の公表などにより、交通労働災害防止に対する意識の高揚を図ること。
(2)事業者は、交通事故情報、デジタル式運行記録計・ドライブレコーダーの記録、交通事故のヒヤリ・ハット事例などに基づき、危険な箇所、注意事項などを示した交通安全情報マップの配布、掲示などにより、運転者に注意の喚起を図ること。
第5 荷主・元請事業者による配慮
荷主および運送業の元請の事業者は、①走行開始直前に貨物の増量を行う必要が生じた場合には、過積載運行にならないようにすること、②到着時間の遅延が見込まれる場合には、到着時間の再設定、ルート変更などを行うこと、また、運搬する事業者に対して、不当に不利益な取扱いを行うことがないようにすること、③安全な走行が確保できない可能性が高い発注を行わないこと、無理な運行となるおそれがあるときは到着時間の見直しなどを行うこと、④荷積み・荷卸し作業の遅延で出発できない場合は、到着時間の再設定を行うなど、安全な運行の確保のため必要な事項について、荷を運搬する事業者と協働して取り組むよう努めること。
第6 健康管理
(1)運転者に対し、健康診断を確実に実施し、その結果に基づき、保健指導などを行うこと、また、所見が認められた運転者に対しては、健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針に基づき、適切な就業上の措置を講じること。
(2)長時間にわたる時間外・休日労働を行った運転者に対しては、労働安全衛生法第66条の8または第66条の9の規定に基づき面接指導などを行うとともに、必要があると認められるときは、労働時間の短縮などの適切な措置を講ずること。
(3)運転者の心身両面にわたる健康の保持増進を図るため、事業場における健康の保持増進措置を継続的かつ計画的に講じるように努めること。また、運転者に対して、走行経路の途中において、肩、腕および腰部のストレッチング、体操などにより、疲労回復に努めるよう指導を行うこと。
第7 その他
(1)異常な気象、天災などの場合は、安全な運転の確保を図るため、必要な指示を行うこと(以下略)。
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