労働実務事例
[ 質問 ]
当社は、過半数労働組合と時間外・休日労働協定(36協定)を締結し、時間外労働の上限時間を1日4時間、1カ月45時間、1年360時間と協定し、労基署に届け出ています。繁忙期には短期間に残業が集中しますが、1日4時間、1カ月45時間の範囲内であれば、1週20時間など限度時間を超える残業を行わせても問題ないのでしょうか。
【徳島・M社】
[ お答え ]
36協定では、1日の時間外労働時間のほかに、1日を超える一定期間の時間外労働の最長限度を必ず協定しなければなりません。
1日を超える一定期間については、「労基法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」において、「当該一定期間は1日を超え3カ月以内の期間および1年間にしなければならない」とされ、1週間15時間、2週間27時間、4週間43時間、1カ月45時間、2カ月81時間、3カ月120時間、1年間360時間(1年単位の変形労働時間制の場合を除く)の限度時間が示されています。
一定期間のいずれか1つ以上と1年間について協定する必要があります。
1日4時間、1カ月45時間、1年360時間で36協定が締結されていますから、この3つの上限時間により時間外労働が制限されることになります。この場合、1日について4時間を超えて時間外労働をさせた場合のほか、1日4時間以内であっても、1カ月45時間を超えて時間外労働をさせることになれば、その時点で違法になります。
行政解釈も「一定期間の延長時間の限度について協定した場合に、これに違反して時間外労働をさせれば、当然法違反となる」(昭53・11・20基発第642号)としています。
1日4時間以内で、たとえば、ある週の時間外労働が20時間(4時間×5日)となり、1週間の限度時間(15時間)以上となっても、協定した1カ月45時間、1年360時間の範囲内であれば違法とはなりません。短期期間に残業が集中し、1週20時間、2週30時間など、1週間、2週間の限度時間を超える時間外労働を行わせても、1日4時間、1カ月45時間、1年360時間の範囲内であれば問題はありません。
しかし、月末のある日に3時間の時間外労働をさせようとするとき、1日については協定の4時間の範囲内ですが、その月にすでに43時間の時間外労働をさせていた場合は2時間までしか時間外労働を行わせることはできず、すでに45時間に達している場合は時間外労働ができないことになります。
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