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■■■■ ■■■■ ■■■■ 知って得する経営塾 第76号 2003年9月22日
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■ ■ ■ ■ 発行:
株式会社イーシーセンター
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http://www.ecg.co.jp/
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原稿執筆の励みになりますので、
ご意見・ご感想を、是非お聞かせ下さい > > >
info@ecg.co.jp
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■ 目次
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▼タックスペイヤーの視点39
税理士・FP 榎本 恵一
▼世界経済に果たす日本の役割(10) MBA 長友 孝幸
▼「うちの子に限って・・・」 落語家 三遊亭金時
▼編集後記 副編集長 森本 正博
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■ タックスペイヤーの視点39
税理士・FP 榎本 恵一
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今号では、創業経営者の問題を提示しながら見事に成功を収めた事例をご紹介
致します。創業経営者は、環境の変化ないし「ゆらぎ」、あるいは危機的状況
の発見をすることが出来やすい反面、実際に行動に移すとなると結構躊躇して
いる。
新たな意味の創造や新しい秩序の形成が「ゆらぎ」によって引き起こされるな
らば経営者は環境の変化ないし「ゆらぎ」あるいは危機を利用して組織を変革
することが必要である。しかし変化や「ゆらぎ」は組織そのものを不安定化さ
せ、混乱させたりする。そのため組織はー般には変化や「ゆらぎ」を避けそれ
らを抑えようとする。ここで問題になってくるのが、経営者のビジョンの提示
とそれを達成しようとする強い意志である。
企業の状況は、経営者の価値や理想水準の高さにある。それは現状に満足せず
より高い理想を求めて絶えず変革し創造しようとする経営者の価値や理想の高
さにある。しかし単に高い理想だけではなく、新たに創造しようとする強い意
志がなければ、それは実現できない。そこで経営者は社員に対して高い理想や
理念あるいはビジョンを提示し、そしてそれを実現しようとする強い意志を持
つことが必要なのである。
人間は元来、現状維持志向あるいは安定志向ないし内的均衡を求める特徴を持
っている。人間はこのような安定志向や定常的均衡を求める性向を持っている
ために変化に抵抗する。特に、それが現状を打破するような革新的なアイデア
であればあるほどそれは、彼らに受け容れられなくなる。人々の抵抗、あるい
は経営者と社員との対立葛藤は、一般には組織そのものを無秩序化させ、不安
定化させ、組織の存続を困難にする。その困難を見事にうち破った素晴らしい
創業経営者がいる。アンチ日本型経営を取り入れた、
株式会社ミスミの創業経
営者である田口 弘社長の戦略に注目してみました。ミスミは創業以来金型用
部品等の取り扱いからスタートして約38年で東証1部上場をしている。プレ
ス金型用部品からデジタル素材までの購買
代理商社にまで成長している。成長
企業になった陰には、時代を先取りした
人事革命であるチーム制が存在する。
田口社長の戦略的意志決定である問題形成指向、【持たざる経営】に先見性が
みられる。この【持たざる経営】について、田口社長は以下のような定義をし
ている。『工場を持つから、売れる以上にモノを作りたくなる。余分にモノを
つくるから、なんとしてでも売ろうとして無理な営業をしてしまう。組織があ
るから、本来役目の終わったはずの組織も維持しようとして、肝心の人を殺し
てしまう。3人で十分なセクションに4人も人を置くから、仕事の配分に頭を
ひねるばかりで肝心の仕事が進まない。4人の人も、自分のキャパシティを越
える仕事が与えられないために、いつまでたっても能力アップが図れない。も
っと過激にいえば、会社に社員がいるから、食わせるために、とんでもないル
ーティンワークを用意する。会社には社員は不要である。必要なときに必要な
ヒトを集めるのがこれからの企業の望ましい姿かもしれない』以上のような視
点をもっている。
このようなポリシーのもとで、94年4月にチーム制の導入とともに、チーム
制を考慮にいれた
年俸制を世に先駆けて
採用した。この戦略的意志決定は、今
のミスミの成長する上で最大のキーポイントとなっている。確かに
年俸制は、
この頃から急速に導入する企業が増えてきたが、どの企業も個々の社員の適正
額を決めるのが難しい。そこで、ミスミのチーム制、各社員に『企業内企業家
型人材』への脱皮を図らせるのが大きな狙いであった。『企業家』である以上
成果には
報酬という見返りがなくてはならない。そこで、今までの年功給とい
う要素の強い従来型の
賃金を、成果型の
年俸制に変更するのは不可欠の条件で
あった。
長年続いた会社の制度を大きく変えるというのはやはり並大抵のものではない
はずである。更に、翌95年4月には、
年俸制の仕組みを社員個々人の年俸額
をはじき出すのに「マーケットバリュー(市場価値)の概念」を取り入れ、年
俸を「確定型の基礎年俸と変動型の成果年俸」の二つの部分(現在の
年俸制の
草分け)に分け、仕事上の成果が年俸に跳ね返ってくることを明確にした。(
マーケットバリューとは、ある社員が転職しようとしたときに、労働市場では
どのくらいの価値になるかを測定する仕組み)その後も、
人事戦略に関しては
大胆な行動を行っている。ミスミは、
年俸制の導入の以前は、世間のご多分に
漏れず社員の中高年齢化に悩んでいたが実に的を得た改革により、財務内容も
一段とよくなっている。
まさに、創業経営者の独特のカリスマを発揮して時代の変化を先読みした長期
指向にたった信念を具現化し常に新しい価値の創造に努めてきたことにつきる。
◎変革によって得られる利益の保証
社員が変革を受容するかどうかは、最終的にはその変革が自分たちの利益にな
るかどうかに依存する。その変革によって社員に何らの利益ももたらさないと
すれば、人間の現状維持志向的特徴からしてその変革に抵抗する。改革や変革
することが現状よりも大きな利益を生じるとすれば変革を支持する。したがっ
て、リーダー(経営者)は社員に対して変革によってどのような利益が得られ
るか、それがどれだけ利益をもたらすかを明らかにし、それを保証することが
必要なのである。上記の事が比較的出来るのが創業経営者(所有経営者)では
ないであろうか。あと残された最大の問題は、創業経営者がインパクトが強け
れば、その後の変革を試みる2代目創業経営者でないであろうか。
次回は、創業経営者と専門経営者の利点をまとめ、これから起業される方にと
っての参考となる観点から、ゼロベース予算をテーマに考えてみたいと思いま
す。
企業の応援団:榎本
会計事務所
http://www.ecg.co.jp/firm/about.htm?mm=76
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■ 世界経済に果たす日本の役割(10) MBA 長友 孝幸
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「消費動向を常に把握し、究極の経営」、パソコン市場で大きな成功をおさめ
たデルコンピュターやワールド(アパレルメーカー)の経営手法(SCM⇒Su
pply Chain Management 以後SCM)は、それまで企業が抱えていた販売機会
損失や不良在庫の問題を解決し、急変する企業環境に対して機敏に反応するこ
とができるとして、多くの企業に導入されてきました。
このSCM(サプライチェーンマネジメント)経営は資材の調達から最終消費
者に届けるまでの資材や部品の調達・生産・販売・物流といった業務の流れを、
一つの大きな供給のチェーン(鎖)として捉えたもので、製造・販売系をモデ
ルに考えた場合、顧客、小売、卸、製造業、部品業者、資材供給者などを供給
活動の連鎖構造として捉えます。しかし、現在ではトヨタのかんばん方式のよ
うに供給側の業務(ジャスト・イン・タイム)ばかりに目が向けられ、無駄を
排除した供給サイドをコントロールすることがSCMの代表策と理解されてい
るようです。
今回、このSCMテーマにしたのは、このところ続いている製造現場での事故
(ブリヂストンの栃木工場・新日本製鉄の名古屋製鉄所火災)によって、新聞
や雑誌などにSCMの真意を問うような話題が多くなっているからです。本来、
SCMは激変する市場状況に対して、サプライチェーン全体を俊敏に対応させ
て、経営連鎖全体の最適化を図ることと理解する必要があります。
ブリヂストン栃木工場の火災を受け、同工場からタイヤ供給を受けている各自
動車メーカーは、一時的に、ブリヂストンの他工場からの調達や他タイヤメー
カーから代替調達することも含め、在庫総数とにらみ合いながら対応策を討っ
ていました。リスク回避の観点から当然の行動になりますが、その影響がそれ
以降の工程に与える影響を最小限におさえています。新日鉄名古屋製鉄所の事
故の場合、復旧のメドなどについては未定としているものの、自動車関連の製
品については1カ月程度の在庫を抱えており、マスコミが騒ぎ立てるほど取引
先に影響を与えることはないとしています。
ブリヂストンの栃木工場、新日本製鉄の名古屋製鉄所、いずれの工場をとって
も、各自動車メーカーに対して部品や資材の在庫を抑え、製造部品を円滑に供
給しなければならない立場にいます。今回の事故は単純に一般人が考えるよう
に、日系企業のSCMに危機感を与えるような事故であったことは事実です。
しかし、SCMが課題としているものはあくまでも、需要の不確実性への対応
であり、需要予測と実需要とのギャッブを把握し、短いサイクルでサプライチ
ェーン全体を俊敏(アジル経営)に調整できる経営連鎖全体の構築です。不測
の事態が起きても、日系企業からなるSCMの体系は機能し続けています。
MBA 長友 孝幸プロフィール
http://www.ecg.co.jp/supporter/nagatomo/index.htm?mm=76
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■ 「うちの子に限って・・・」 落語家 三遊亭金時
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少年犯罪が多くていやになってしまう。我々の中学生の頃、人を殺す、とかセ
ックスをするとか強盗なんて考えてもみなかった。せいぜいボンタン履いた不
良が友達をカツ上げして2~300円盗るぐらいか。それでも大ニュースにな
ったもんだ。すると親は子供を連れて一軒一軒謝りに行って頭をボコボコにし
ていた。ところが最近はどうだ!「家の子に限ってそんなことする訳がありま
せん!誰かにそそのかされてやったんでしょう。うちの子は悪くない!」とい
う親が殆どだそうだ。
私が愛読している池波正太郎先生の「剣客商売」の中で主人公の秋山小兵衛が
息子の大治郎に「人間には色んな顔がある。仕事仲間といるときの顔、家族と
いる時の顔、女といる時の顔、それが全部が集まって一人の人間じゃよ。お前
も知らぬわしの顔を見たらさぞ、驚くわえ」子供にも家にいる時の顔、友達と
いる時の顔、色々あるんだろう。だが強盗したり売春したりまでする子のウラ
の顔を見破れず、なおかつ親に向ける「可愛い顔」を信じすぎるのを「親バカ」
というのかもしれない。
鬼平犯科帖の中でも「甥っ子の猫なで声に誤魔化されて奴の素顔を見抜けなか
った自分が情けねえ」と言う老盗賊が登場する巻がある。自分の子供の事は親
が一番判っているようなことをどの親も言うが、一番判っていないのが親かも
ね。え?お前の子が事件起こしたらどうするかって?何いってんですか、うち
の子に限って!
金時ホームページはこちら
http://www.club-ec.com/kintoki/index.htm?mm=76
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■ 編集後記 副編集長 森本 正博
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
いつも、当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。そ
れにして9月ももうすぐ終ろうとしていますが、暑いですね~!体調管理には
くれぐれもお気をつけ下さい。
さて、先日御殿場のプレミアムアウトレットに行って来ました。世の中、不景
気だと言っているのにここだけは、「好景気」といった感じでした。これだけ
有名ショップが1ヶ所に集まると集客力は抜群でした。やっぱり、日本は、「
金があるところにはあるのだなぁ」と思いました。皆様も一度行ってみてはい
かがですか?但し、出来れば土、日、祝日は避けた方が良いかもしれません。
なんてったって凄い人ですから・・・・
次回の発行は9月29日(月)です。お楽しみに!
決算診断サービスを行っております。経営の見直しとしてご活用下さい。
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▼世界経済に果たす日本の役割(10) MBA 長友 孝幸
▼「うちの子に限って・・・」 落語家 三遊亭金時
▼編集後記 副編集長 森本 正博
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今号では、創業経営者の問題を提示しながら見事に成功を収めた事例をご紹介
致します。創業経営者は、環境の変化ないし「ゆらぎ」、あるいは危機的状況
の発見をすることが出来やすい反面、実際に行動に移すとなると結構躊躇して
いる。
新たな意味の創造や新しい秩序の形成が「ゆらぎ」によって引き起こされるな
らば経営者は環境の変化ないし「ゆらぎ」あるいは危機を利用して組織を変革
することが必要である。しかし変化や「ゆらぎ」は組織そのものを不安定化さ
せ、混乱させたりする。そのため組織はー般には変化や「ゆらぎ」を避けそれ
らを抑えようとする。ここで問題になってくるのが、経営者のビジョンの提示
とそれを達成しようとする強い意志である。
企業の状況は、経営者の価値や理想水準の高さにある。それは現状に満足せず
より高い理想を求めて絶えず変革し創造しようとする経営者の価値や理想の高
さにある。しかし単に高い理想だけではなく、新たに創造しようとする強い意
志がなければ、それは実現できない。そこで経営者は社員に対して高い理想や
理念あるいはビジョンを提示し、そしてそれを実現しようとする強い意志を持
つことが必要なのである。
人間は元来、現状維持志向あるいは安定志向ないし内的均衡を求める特徴を持
っている。人間はこのような安定志向や定常的均衡を求める性向を持っている
ために変化に抵抗する。特に、それが現状を打破するような革新的なアイデア
であればあるほどそれは、彼らに受け容れられなくなる。人々の抵抗、あるい
は経営者と社員との対立葛藤は、一般には組織そのものを無秩序化させ、不安
定化させ、組織の存続を困難にする。その困難を見事にうち破った素晴らしい
創業経営者がいる。アンチ日本型経営を取り入れた、株式会社ミスミの創業経
営者である田口 弘社長の戦略に注目してみました。ミスミは創業以来金型用
部品等の取り扱いからスタートして約38年で東証1部上場をしている。プレ
ス金型用部品からデジタル素材までの購買代理商社にまで成長している。成長
企業になった陰には、時代を先取りした人事革命であるチーム制が存在する。
田口社長の戦略的意志決定である問題形成指向、【持たざる経営】に先見性が
みられる。この【持たざる経営】について、田口社長は以下のような定義をし
ている。『工場を持つから、売れる以上にモノを作りたくなる。余分にモノを
つくるから、なんとしてでも売ろうとして無理な営業をしてしまう。組織があ
るから、本来役目の終わったはずの組織も維持しようとして、肝心の人を殺し
てしまう。3人で十分なセクションに4人も人を置くから、仕事の配分に頭を
ひねるばかりで肝心の仕事が進まない。4人の人も、自分のキャパシティを越
える仕事が与えられないために、いつまでたっても能力アップが図れない。も
っと過激にいえば、会社に社員がいるから、食わせるために、とんでもないル
ーティンワークを用意する。会社には社員は不要である。必要なときに必要な
ヒトを集めるのがこれからの企業の望ましい姿かもしれない』以上のような視
点をもっている。
このようなポリシーのもとで、94年4月にチーム制の導入とともに、チーム
制を考慮にいれた年俸制を世に先駆けて採用した。この戦略的意志決定は、今
のミスミの成長する上で最大のキーポイントとなっている。確かに年俸制は、
この頃から急速に導入する企業が増えてきたが、どの企業も個々の社員の適正
額を決めるのが難しい。そこで、ミスミのチーム制、各社員に『企業内企業家
型人材』への脱皮を図らせるのが大きな狙いであった。『企業家』である以上
成果には報酬という見返りがなくてはならない。そこで、今までの年功給とい
う要素の強い従来型の賃金を、成果型の年俸制に変更するのは不可欠の条件で
あった。
長年続いた会社の制度を大きく変えるというのはやはり並大抵のものではない
はずである。更に、翌95年4月には、年俸制の仕組みを社員個々人の年俸額
をはじき出すのに「マーケットバリュー(市場価値)の概念」を取り入れ、年
俸を「確定型の基礎年俸と変動型の成果年俸」の二つの部分(現在の年俸制の
草分け)に分け、仕事上の成果が年俸に跳ね返ってくることを明確にした。(
マーケットバリューとは、ある社員が転職しようとしたときに、労働市場では
どのくらいの価値になるかを測定する仕組み)その後も、人事戦略に関しては
大胆な行動を行っている。ミスミは、年俸制の導入の以前は、世間のご多分に
漏れず社員の中高年齢化に悩んでいたが実に的を得た改革により、財務内容も
一段とよくなっている。
まさに、創業経営者の独特のカリスマを発揮して時代の変化を先読みした長期
指向にたった信念を具現化し常に新しい価値の創造に努めてきたことにつきる。
◎変革によって得られる利益の保証
社員が変革を受容するかどうかは、最終的にはその変革が自分たちの利益にな
るかどうかに依存する。その変革によって社員に何らの利益ももたらさないと
すれば、人間の現状維持志向的特徴からしてその変革に抵抗する。改革や変革
することが現状よりも大きな利益を生じるとすれば変革を支持する。したがっ
て、リーダー(経営者)は社員に対して変革によってどのような利益が得られ
るか、それがどれだけ利益をもたらすかを明らかにし、それを保証することが
必要なのである。上記の事が比較的出来るのが創業経営者(所有経営者)では
ないであろうか。あと残された最大の問題は、創業経営者がインパクトが強け
れば、その後の変革を試みる2代目創業経営者でないであろうか。
次回は、創業経営者と専門経営者の利点をまとめ、これから起業される方にと
っての参考となる観点から、ゼロベース予算をテーマに考えてみたいと思いま
す。
企業の応援団:榎本会計事務所
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「消費動向を常に把握し、究極の経営」、パソコン市場で大きな成功をおさめ
たデルコンピュターやワールド(アパレルメーカー)の経営手法(SCM⇒Su
pply Chain Management 以後SCM)は、それまで企業が抱えていた販売機会
損失や不良在庫の問題を解決し、急変する企業環境に対して機敏に反応するこ
とができるとして、多くの企業に導入されてきました。
このSCM(サプライチェーンマネジメント)経営は資材の調達から最終消費
者に届けるまでの資材や部品の調達・生産・販売・物流といった業務の流れを、
一つの大きな供給のチェーン(鎖)として捉えたもので、製造・販売系をモデ
ルに考えた場合、顧客、小売、卸、製造業、部品業者、資材供給者などを供給
活動の連鎖構造として捉えます。しかし、現在ではトヨタのかんばん方式のよ
うに供給側の業務(ジャスト・イン・タイム)ばかりに目が向けられ、無駄を
排除した供給サイドをコントロールすることがSCMの代表策と理解されてい
るようです。
今回、このSCMテーマにしたのは、このところ続いている製造現場での事故
(ブリヂストンの栃木工場・新日本製鉄の名古屋製鉄所火災)によって、新聞
や雑誌などにSCMの真意を問うような話題が多くなっているからです。本来、
SCMは激変する市場状況に対して、サプライチェーン全体を俊敏に対応させ
て、経営連鎖全体の最適化を図ることと理解する必要があります。
ブリヂストン栃木工場の火災を受け、同工場からタイヤ供給を受けている各自
動車メーカーは、一時的に、ブリヂストンの他工場からの調達や他タイヤメー
カーから代替調達することも含め、在庫総数とにらみ合いながら対応策を討っ
ていました。リスク回避の観点から当然の行動になりますが、その影響がそれ
以降の工程に与える影響を最小限におさえています。新日鉄名古屋製鉄所の事
故の場合、復旧のメドなどについては未定としているものの、自動車関連の製
品については1カ月程度の在庫を抱えており、マスコミが騒ぎ立てるほど取引
先に影響を与えることはないとしています。
ブリヂストンの栃木工場、新日本製鉄の名古屋製鉄所、いずれの工場をとって
も、各自動車メーカーに対して部品や資材の在庫を抑え、製造部品を円滑に供
給しなければならない立場にいます。今回の事故は単純に一般人が考えるよう
に、日系企業のSCMに危機感を与えるような事故であったことは事実です。
しかし、SCMが課題としているものはあくまでも、需要の不確実性への対応
であり、需要予測と実需要とのギャッブを把握し、短いサイクルでサプライチ
ェーン全体を俊敏(アジル経営)に調整できる経営連鎖全体の構築です。不測
の事態が起きても、日系企業からなるSCMの体系は機能し続けています。
MBA 長友 孝幸プロフィール
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■ 「うちの子に限って・・・」 落語家 三遊亭金時
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ったもんだ。すると親は子供を連れて一軒一軒謝りに行って頭をボコボコにし
ていた。ところが最近はどうだ!「家の子に限ってそんなことする訳がありま
せん!誰かにそそのかされてやったんでしょう。うちの子は悪くない!」とい
う親が殆どだそうだ。
私が愛読している池波正太郎先生の「剣客商売」の中で主人公の秋山小兵衛が
息子の大治郎に「人間には色んな顔がある。仕事仲間といるときの顔、家族と
いる時の顔、女といる時の顔、それが全部が集まって一人の人間じゃよ。お前
も知らぬわしの顔を見たらさぞ、驚くわえ」子供にも家にいる時の顔、友達と
いる時の顔、色々あるんだろう。だが強盗したり売春したりまでする子のウラ
の顔を見破れず、なおかつ親に向ける「可愛い顔」を信じすぎるのを「親バカ」
というのかもしれない。
鬼平犯科帖の中でも「甥っ子の猫なで声に誤魔化されて奴の素顔を見抜けなか
った自分が情けねえ」と言う老盗賊が登場する巻がある。自分の子供の事は親
が一番判っているようなことをどの親も言うが、一番判っていないのが親かも
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気だと言っているのにここだけは、「好景気」といった感じでした。これだけ
有名ショップが1ヶ所に集まると集客力は抜群でした。やっぱり、日本は、「
金があるところにはあるのだなぁ」と思いました。皆様も一度行ってみてはい
かがですか?但し、出来れば土、日、祝日は避けた方が良いかもしれません。
なんてったって凄い人ですから・・・・
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