• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

冷凍革命、地方を元気にするアビー大和田社長の革新志向!

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

      シリーズ「優れた経営者のコンピテンシーを学ぶ!」

<第332回>[(第30話)「冷凍革命、地方を元気にする
                  アビー大和田社長の革新志向!」

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介して
いきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読
みいただきたいと思います。

===========================

今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.箱根の名店の鯛茶漬けの通販にお客は大満足!
2.生クリーム用冷凍庫の開発に没頭!
3.「肉や魚の鮮度を保つ冷凍庫はまだか」と言われて発奮!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記

===========================


昭和30年代になり、家庭用の冷蔵庫が普及し始めて私たちの生活は様変わりし
た。例えばそれまでは冷たいビールは飲食店、レストランなどでしか飲めなかっ
たが家庭で冷たいビールが飲めるようになった。業務用の冷凍技術は100年も前
からあったが、今回紹介するCAS(Cells Alive System)なる冷凍庫が世に現
れるまではほとんど進化しなかった。

冷凍したマグロの刺身や牛肉を解凍すれば旨み成分を含んだ血汁が出てくる。こ
れがドリップ現象だ。水分が先に凍るため食品の細胞膜を破壊してしまうから味
が落ちて色味も黒ずんでしまう。

ところが千葉県流山市のABI(アビー)という中小企業が開発した特殊な冷凍
庫では磁場で振動を与えながら温度を下げていくため水分が凍るときでも細胞膜
を破壊しない。正に画期的な冷凍技術なのだ。CASで冷凍すれば何年経っても
鮮度が変化せず、解凍しても獲れたての新鮮さを保っている。

今離島を始めとする地域10ケ所でCASを導入し、例えば「CAS冷凍センタ
ー」を設置した。離島の海で獲れた魚は輸送のハンディがあり、市場に並ぶまで
に鮮度が落ちるためセリでも買い叩かれていたが、今は直接消費地、消費者に輸
送するからハンディはなくなった。しかも離島や地域に雇用を生み、若者がUタ
ーンしたり田舎暮らし志向の家族が移住し、人口も増えというありがたい効果を
もたらしている。

今回はCASを開発した「ABI」の大和田哲男(のりお)社長の「革新志向」
なるコンピテンシーに迫ってみる。



【1】心に刻んでおきたい言葉

***********************************************************************

鮮度とはどんなことかを深く勉強しようと地方を回ったが、年収100万円以下の
人が多いのに驚いた。農業や漁業を営む人が家族を養える収入、結婚できる収入
を得られるようにしなければならないと強く思った。

                          大和田哲男

***********************************************************************



【2】メルマガ本論

[(第30話)冷凍革命、地方を元気にするアビー大和田社長の革新志向!]

1.箱根の名店の鯛茶漬けの通販にお客は大満足!

都市部では食べることのできないもの、手に入れることのできないものは地方に
はたくさんある。旅行したときこれは旨い。是非家族や親しい友達にも食べさせ
たいと思うような料理や食材があるものだ。

例えば産地限定のたけのこ。たけのこは収穫したら直ぐにゆでてしまわないと鮮
度が落ちて本来の旨さが失せるのだそうだ。だからたけのこを直ぐにCASで冷
凍する。そうすれば新鮮な味のまま全国の消費者にお届けできる。

鳥取県の離島、海士町に全国に先駆けてCASセンターが設置された。名物の岩
牡蠣や白イカ。全国から注文を受け付け、クール便で配送する。何年経ったもの
でも味は獲れたての鮮度だ。海士町は人口がここ5年で250人も増え、島に活気
を取り戻したのである。当たり前のことだが雇用を生めば地域は活性化されると
いうことだ。

箱根の温泉地、塔ノ沢に懐石料理の名店「瓔珞(きょうらく)」がある。ここの
名物は生の鯛に特製のゴマだれを絡め、梅干を添えた絶妙の一品、鯛茶漬けがあ
る。店主の北野守氏はCASの導入を決断した。家族にも食べさせたいというお
客の要望が強かったからだ。

今、全国から注文が殺到し通販で鯛茶漬けなどを全国にクール便で発送している。
通販で食べたお客の満足度は二重丸だ。


2.生クリーム用冷凍庫の開発に没頭!

大和田社長は高校卒業後食品会社を経て父の経営する機器メーカーに入社した。
1966年(昭和41年)のことである。当時は厨房用の機器を製造しており、大和
田氏は主に営業を担当していたが作れば売れる時代だった。だがこの状態がいつ
までも続くものではないと考え、新たな商品の開発を模索していた。

大和田氏は技術畑出身ではないが好奇心旺盛で研究熱心。容易に諦めることはし
ない強い性格の持ち主だった。

当時ケーキ、中でも「生クリームの冷凍」という概念はどこにもなかった。仮に
売れ残ったケーキを冷凍庫に保存して翌日解凍して売ろうとしても生クリームに
巣が入ったようになり、売り物にはならない。東京下町のケーキ屋さんから生ク
リームを冷凍保存できる冷凍庫がほしいと依頼があった。8年もの歳月をかけて
大和田氏が開発した冷凍庫は翌日解凍しても作りたてのケーキそのものだった。
そのことが菓子作りの本場フランスに知れ渡り、フランスにも輸出した。

ところがフランスで出会ったレストランのシェフが肉や魚の冷凍に使ったらしく、
この冷凍庫は肉や魚には使えない。肉や魚にも使える冷凍庫を開発してほしいと
言い出したのである。大和田氏は「前向きに検討しましょう」と曖昧に、遠まわ
しにお断りしたつもりだった。ところがそのシェフが5年後日本を訪れ、大和田
氏と再会することになった。


3.「肉や魚の鮮度を保つ冷凍庫はまだか」と言われて発奮!

「例の冷凍庫の技術開発はどこまで進んでいるのか」と訊ねられてハッとした。
5年間着手すらしていなかったのだ。「前向きに検討する」という言葉を相手は
着手すると解釈したのだった。それから発奮して着手したが、失敗の連続だった。
くる日もくる日も実験しては失敗の繰り返し。ふと頭をよぎった現象があった。
寒冷地では雨が地面に落ちた瞬間に凍る現象があり、「過冷却現象」と呼ばれて
いた。

その現象を人工的に作れないかと実験を繰り返した。実験しているうちに、磁場
で振動を与えながらどんどん温度を下げていっても水は凍らないことを体験した。
その水を容器に流すと振動がなくなるため瞬時に凍るのである。食物に含まれる
水分同士がくっついて凍らなければ組織膜を破壊することはない。つまり解凍し
てもドリップ現象は起きないから獲れたての鮮度が維持されるのである。これが
CASの原理である。こうして1996年にCASの開発に成功したのである。

2008年にフォーヴェスという雑誌に大和田氏とCASが大きく採り挙げられ、
「ミスターフリーズ(ミスター冷凍)」として世界に紹介されたのである。数年
前から22ケ国にCASを輸出しているが各国の政府関係者が多くABIを訪れ
るそうだ。正に「食の流通を変える冷凍革命」なのだ。

「素人のほうが学問的な裏づけがなくとも諦めずに研究を続ける力がある」と自
分が諦めずに成し遂げた開発の成功談を決して美談化しようとしない大和田氏の
「革新志向」なるコンピテンシーには脱帽だ。



【3】今日のまとめ

1.生クリームを保存する冷凍庫開発の依頼が大和田氏のその後の経営者として
  のターニングポイントだったこと。

2.フランスの有名シェフから肉や魚を美味しく保存する冷凍庫を開発してほし
  いと言われ、「前向きに検討する」と答えたことが「イエス」と受け取られ
  ていたこと。5年後に再会したとき開発の進捗を問われ、そのご猛烈に研究
  開発に打ち込んだこと。

3.素人発想でヒントを集め、実験と失敗を繰り返し、寒冷地で起こる「過冷却
  現象」をヒントに磁場で振動を与えながら温度を下げることで人工的な「過
  冷却現象」の再現に成功し、それをCASの開発に結びつけたこと。

4.大和田氏は農業や漁業に従事する人が家族を養うことができる収入、結婚で
  きる収入を得られるようにCASを導入してくれることを切に願っているこ
  と。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



【4】編集後記

食品スーパーのオーケーストアでも新店舗ではCASを積極的に導入し始め、好
評だという。大丸松坂屋でも旨い食材の通販にCASを導入することにしたとい
う。また医療の分野でも画期的な使われ方が開発されつつある。例えば、女性の
がん患者から卵巣を取り出してCASで保存、がんを手術して完全に治療が終了
したところで本人の卵巣を移植する。生殖機能は見事復元という画期的な医療も
夢ではなくなるという。

CASの応用範囲は限りなく広い。

<この記事はテレビ東京の2010年5月放送の「カンブリア宮殿」も参考にしてい
 ます。>

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回に続く。

***********************************************************************

発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

***********************************************************************

絞り込み検索!

現在23,161コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP