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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第172号/2011/2/7>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(116)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。
行政書士の津留信康です。
宮崎は、昨年の口蹄疫に続き、
今年も、鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火と、相次ぐ苦難に疲弊していますが、
県外の皆様から、暖かい励ましのお言葉やご支援をいただき、
とても心強く、また、大変ありがたく感じております。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編─中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(116)」
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★本稿では、「平成22年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第10回は、「本店の移転の
登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■
株式会社の本店を他の
登記所の管轄区域内に移転した場合
に関する次の記述のうち、正しいものはどれか(午後─第30問)。
1.新所在地における
登記をする場合において、
当該
登記所の管轄区域内に支店の所在地における
登記があるときは、
当該支店の所在地における
登記に係る
登記記録は、閉鎖される。
□正解: 〇
□解説
本肢は、商業
登記規則65条2項・4項の規定に沿った記述です。
2.本店に支配人を置いている場合には、
新所在地における
登記に課される登録免許税は、本店の移転分のほか、
支配人を置いている営業所の移転分も納付しなければならない。
□正解: ×
□解説
支配人を置いた本店を他の
登記所の管轄区域内に移転した場合には、
本店の旧所在地における、
本店移転の
登記の申請および支配人を置いた営業所の移転の
登記の申請と
本店の新所在地における、本店移転の
登記の申請とを
同時にしなければなりません(
会社法916条、商業
登記法51条2項、商業
登記規則58条)が、
本店の新所在地においては、
支配人を置いた営業所の移転の
登記をすることは要しません(先例)。
よって、本肢の場合において、納付を要する登録免許税は、
本店の移転分の3万円のみです(登録免許税法別表第一24(1)ヲ・ネ)。
3.旧所在地を管轄する
登記所の管轄区域内に支店を置いている場合には、
商号、本店および当該管轄区域内にある
支店の登記以外の
登記事項は、
登記官の職権により、抹消される。
□正解: ×
□解説
本店を他の
登記所の管轄区域内に移転した場合において、
旧所在地を管轄する
登記所において移転の
登記をしたとき
(当該
登記所の管轄区域内に支店があるときに限る)は、
その
商号、本店、支店(当該管轄区域内にあるものに限る)及び
会社成立の年月日の
登記並びに
登記記録区にされた
登記以外の
登記事項に
抹消する記号を記録しなければなりません(商業
登記規則65条5項)。
4.旧所在地において
株式会社の解散と同時に就任した清算人および代表清算人
が
登記されている場合には、
新所在地における
登記においては、
清算人および代表清算人の就任の年月日も
登記しなければならない。
□正解: ×
□解説
株式会社が本店を他の
登記所の管轄区域内に移転した場合、
新所在地における
登記においては、
設立の際の
登記事項と同一事項、
会社成立の年月日ならびに本店を移転した旨およびその年月日、
取締役等の就任の年月日を
登記しなければなりません(
会社法916条1号・911条3項、商業
登記法53条、
商業
登記規則65条2項)。
そして、同
登記においては、
清算人および代表清算人の
登記も行う必要がありますが、
その就任年月日については、旧所在地において解散と同時に就任しているため、
登記の実益がなく、
登記事項とはされていません(先例)。
5.新所在地を管轄する
登記所にする印鑑の提出は、
旧所在地を管轄する
登記所を経由してしなければならない。
□正解: 〇
□解説
登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、
その印鑑を
登記所に提出しなければなりません(商業
登記法20条1項前段)。
そして、本店を他の
登記所の管轄区域内に移転した場合の
新所在地における
登記の申請は、
旧所在地を管轄する
登記所を経由してしなければなりません(同法51条1項前段)が、
新所在地を管轄する
登記所にする印鑑の提出も、同様です(同後段)。
★次号では、「株式
会社の清算人の
登記」について、ご紹介する予定です。
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3.編集後記
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★「地方自治法の抜本改正」にご興味のある方は、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-d333.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/2月下旬~3月初旬を予定しております。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□当事務所へのご連絡は、
上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第172号/2011/2/7>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(116)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。行政書士の津留信康です。
宮崎は、昨年の口蹄疫に続き、
今年も、鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火と、相次ぐ苦難に疲弊していますが、
県外の皆様から、暖かい励ましのお言葉やご支援をいただき、
とても心強く、また、大変ありがたく感じております。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(116)」
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★本稿では、「平成22年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第10回は、「本店の移転の登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■株式会社の本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合
に関する次の記述のうち、正しいものはどれか(午後─第30問)。
1.新所在地における登記をする場合において、
当該登記所の管轄区域内に支店の所在地における登記があるときは、
当該支店の所在地における登記に係る登記記録は、閉鎖される。
□正解: 〇
□解説
本肢は、商業登記規則65条2項・4項の規定に沿った記述です。
2.本店に支配人を置いている場合には、
新所在地における登記に課される登録免許税は、本店の移転分のほか、
支配人を置いている営業所の移転分も納付しなければならない。
□正解: ×
□解説
支配人を置いた本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合には、
本店の旧所在地における、
本店移転の登記の申請および支配人を置いた営業所の移転の登記の申請と
本店の新所在地における、本店移転の登記の申請とを
同時にしなければなりません(会社法916条、商業登記法51条2項、商業登記規則58条)が、
本店の新所在地においては、
支配人を置いた営業所の移転の登記をすることは要しません(先例)。
よって、本肢の場合において、納付を要する登録免許税は、
本店の移転分の3万円のみです(登録免許税法別表第一24(1)ヲ・ネ)。
3.旧所在地を管轄する登記所の管轄区域内に支店を置いている場合には、
商号、本店および当該管轄区域内にある支店の登記以外の登記事項は、
登記官の職権により、抹消される。
□正解: ×
□解説
本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合において、
旧所在地を管轄する登記所において移転の登記をしたとき
(当該登記所の管轄区域内に支店があるときに限る)は、
その商号、本店、支店(当該管轄区域内にあるものに限る)及び
会社成立の年月日の登記並びに登記記録区にされた登記以外の登記事項に
抹消する記号を記録しなければなりません(商業登記規則65条5項)。
4.旧所在地において株式会社の解散と同時に就任した清算人および代表清算人
が登記されている場合には、
新所在地における登記においては、
清算人および代表清算人の就任の年月日も登記しなければならない。
□正解: ×
□解説
株式会社が本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合、
新所在地における登記においては、
設立の際の登記事項と同一事項、
会社成立の年月日ならびに本店を移転した旨およびその年月日、
取締役等の就任の年月日を
登記しなければなりません(会社法916条1号・911条3項、商業登記法53条、
商業登記規則65条2項)。
そして、同登記においては、
清算人および代表清算人の登記も行う必要がありますが、
その就任年月日については、旧所在地において解散と同時に就任しているため、
登記の実益がなく、登記事項とはされていません(先例)。
5.新所在地を管轄する登記所にする印鑑の提出は、
旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。
□正解: 〇
□解説
登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ、
その印鑑を登記所に提出しなければなりません(商業登記法20条1項前段)。
そして、本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の
新所在地における登記の申請は、
旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければなりません(同法51条1項前段)が、
新所在地を管轄する登記所にする印鑑の提出も、同様です(同後段)。
★次号では、「株式会社の清算人の登記」について、ご紹介する予定です。
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3.編集後記
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★「地方自治法の抜本改正」にご興味のある方は、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-d333.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/2月下旬~3月初旬を予定しております。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□当事務所へのご連絡は、
上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
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