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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第188号/2011/12/1>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(133)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。
行政書士の津留信康です。
早いもので、今日から師走。
年末年始に向けた準備は、進んでいらっしゃいますか?
私は、クリスマスケーキ&おせちの予約、年賀状の印刷は済みましたが、
毎年恒例の年またぎのお仕事は、これからが本番・・・といったところです。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編─中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(133)」
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★本稿では、「平成23年度
司法書士試験問題」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第7回は、「株式
譲渡制限の
定款の定めに係る
登記の申請」に関する問題です。
※本稿では、便宜上、
問題文・設問肢を一部変更している場合がありますので、ご了承ください。
■株式
譲渡制限の
定款の定めに係る
登記の申請に関する次の記述のうち、
正しいものはどれか(午後─第30問)。
1.
種類株式の内容として株式
譲渡制限を
定款で定めた場合には、
当該
種類株式の種類
株主を構成員とする
種類株主総会を譲渡承認機関とする
内容の
登記を申請することができる。
□正解: ○
□解説
株式会社が、
譲渡制限株式の
株主または株式取得者からの譲渡承認請求
を承認をするか否かの決定をするには、
原則として、
株主総会(
取締役会設置会社にあっては、
取締役会)の決議
によらなければなりませんが、
定款に別段の定めがある場合は、
他の機関の決議とすることも可能です(
会社法139条1項)。
よって、本肢の場合には、上記のような
登記を申請することができます。
2.譲渡を承認しなかった場合の指定買取人を
定款で定めたときは、
その定めを内容とする
登記を申請することができる。
□正解: ×
□解説
株式会社が、譲渡承認請求を承認をしない旨の決定をしたときは、
当該譲渡等承認請求に係る
譲渡制限株式
を買い取らなければなりません(
会社法140条1項)が、
この場合、
株式会社は、
株主総会(
取締役会設置会社にあっては、
取締役会)の決議によって、
指定買取人を指定することもできますし、
定款で定めることもできます(同法同条4項・5項)。
しかし、当該
定款の定めは、
登記すべき事項とはされておらず(同法911条3項参照)、
本肢の
登記を申請することはできません。
3.
株券発行会社であっても、
譲渡承認機関を
取締役会から
株主総会に変更したこと
を内容とする
登記を申請する場合には、
当該
登記の申請書には、
株券の提出に関する公告をしたことを証する書面の添付を要しない。
□正解: ○
□解説
株券の提出に関する公告が要求されるのは、
株券発行会社が、
新たに株式の
譲渡制限規定を
定款で定めたときであり(
会社法219条1項1号)、
本肢の場合には、当該公告は、要求されません(同規定参照)。
4.全部の
種類株式につき株式
譲渡制限を
定款で定めている
種類株式発行会社が
監査役も
取締役会も置いていない場合において、
一部の
種類株式について
株式
譲渡制限の
定款の定めの廃止による変更の
登記をするときは、
取締役会設置会社および
監査役設置会社である旨の変更の
登記
を申請しなければならない。
□正解: ×
□解説
本肢の場合、当該会社は、
「
公開会社でない会社」から「
公開会社」となるため、
取締役会を置かなければなりません(
会社法367条1項1号)。
また、
公開会社は、
監査役(
取締役会設置会社の場合)、
または、
会計監査人(
委員会設置会社の場合)
を置かなければなりません(同法同条2項~5項)。
よって、本肢の場合、
取締役会設置会社および
監査役設置会社である旨の変更
登記、
または、
取締役会設置会社、
委員会設置会社および
会計監査人設置会社である旨の変更
登記
を申請しなければなりません。
5.
取締役会設置会社でない
株式会社において、
代表取締役を譲渡承認機関とする内容の
登記を申請することができない。
□正解: ×
□解説
株式会社が、
譲渡制限株式の
株主または株式取得者からの譲渡承認請求
を承認をするか否かの決定をするには、
原則として、
株主総会(
取締役会設置会社にあっては、
取締役会)の決議
によらなければなりませんが、
定款に別段の定めがある場合は、
他の機関の決議とすることも可能です(
会社法139条1項)。
よって、本肢のような
登記を申請することもできます。
★次号では、
「募集株式の発行による変更の
登記の申請」について、ご紹介する予定です。
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3.編集後記
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★来年1月からの「
登記・
供託オンライン申請システム(法務省)」について・・・
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/23-f9c8.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/12/15(木)を予定しております。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
津留
行政書士事務所(
http://www.n-tsuru.com)
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第188号/2011/12/1>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(133)」
3.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。行政書士の津留信康です。
早いもので、今日から師走。
年末年始に向けた準備は、進んでいらっしゃいますか?
私は、クリスマスケーキ&おせちの予約、年賀状の印刷は済みましたが、
毎年恒例の年またぎのお仕事は、これからが本番・・・といったところです。
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(133)」
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★本稿では、「平成23年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第7回は、「株式譲渡制限の定款の定めに係る登記の申請」に関する問題です。
※本稿では、便宜上、
問題文・設問肢を一部変更している場合がありますので、ご了承ください。
■株式譲渡制限の定款の定めに係る登記の申請に関する次の記述のうち、
正しいものはどれか(午後─第30問)。
1.種類株式の内容として株式譲渡制限を定款で定めた場合には、
当該種類株式の種類株主を構成員とする種類株主総会を譲渡承認機関とする
内容の登記を申請することができる。
□正解: ○
□解説
株式会社が、譲渡制限株式の株主または株式取得者からの譲渡承認請求
を承認をするか否かの決定をするには、
原則として、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議
によらなければなりませんが、定款に別段の定めがある場合は、
他の機関の決議とすることも可能です(会社法139条1項)。
よって、本肢の場合には、上記のような登記を申請することができます。
2.譲渡を承認しなかった場合の指定買取人を定款で定めたときは、
その定めを内容とする登記を申請することができる。
□正解: ×
□解説
株式会社が、譲渡承認請求を承認をしない旨の決定をしたときは、
当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式
を買い取らなければなりません(会社法140条1項)が、
この場合、株式会社は、
株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、
指定買取人を指定することもできますし、
定款で定めることもできます(同法同条4項・5項)。
しかし、当該定款の定めは、
登記すべき事項とはされておらず(同法911条3項参照)、
本肢の登記を申請することはできません。
3.株券発行会社であっても、
譲渡承認機関を取締役会から株主総会に変更したこと
を内容とする登記を申請する場合には、
当該登記の申請書には、
株券の提出に関する公告をしたことを証する書面の添付を要しない。
□正解: ○
□解説
株券の提出に関する公告が要求されるのは、
株券発行会社が、
新たに株式の譲渡制限規定を定款で定めたときであり(会社法219条1項1号)、
本肢の場合には、当該公告は、要求されません(同規定参照)。
4.全部の種類株式につき株式譲渡制限を定款で定めている種類株式発行会社が
監査役も取締役会も置いていない場合において、
一部の種類株式について
株式譲渡制限の定款の定めの廃止による変更の登記をするときは、
取締役会設置会社および監査役設置会社である旨の変更の登記
を申請しなければならない。
□正解: ×
□解説
本肢の場合、当該会社は、
「公開会社でない会社」から「公開会社」となるため、
取締役会を置かなければなりません(会社法367条1項1号)。
また、公開会社は、監査役(取締役会設置会社の場合)、
または、会計監査人(委員会設置会社の場合)
を置かなければなりません(同法同条2項~5項)。
よって、本肢の場合、
取締役会設置会社および監査役設置会社である旨の変更登記、
または、取締役会設置会社、
委員会設置会社および会計監査人設置会社である旨の変更登記
を申請しなければなりません。
5.取締役会設置会社でない株式会社において、
代表取締役を譲渡承認機関とする内容の登記を申請することができない。
□正解: ×
□解説
株式会社が、譲渡制限株式の株主または株式取得者からの譲渡承認請求
を承認をするか否かの決定をするには、
原則として、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議
によらなければなりませんが、定款に別段の定めがある場合は、
他の機関の決議とすることも可能です(会社法139条1項)。
よって、本肢のような登記を申請することもできます。
★次号では、
「募集株式の発行による変更の登記の申請」について、ご紹介する予定です。
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3.編集後記
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★来年1月からの「登記・供託オンライン申請システム(法務省)」について・・・
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/23-f9c8.html
■本号は、いかがでしたか?
次号の発行は、2011/12/15(木)を予定しております。
■編集責任者:行政書士 津留信康
津留行政書士事務所(
http://www.n-tsuru.com)
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
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■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。