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組織の改善・改革は風土づくりから

■■  カワムラ事務所コラム    ■■ 2006/11/1 ■■

「組織の改善・改革は風土づくりから」
■                 発行:カワムラ社労士事務所
■■ http://kawamura-sr.blogdehp.ne.jp/

今回は「組織改革を急ぎ、風土づくりを怠ってしまった」事例を取り上げます。

『組織の改善・改革は風土づくりから』

日本郵政公社が07年の民営化に向けて3年前から導入したトヨタ自動車の生産方式をめぐって混乱がおきている、との記事が10月29日の朝日新聞に掲載されていました。

秒刻みでムダを排した「1兆円企業」から伝授されたのは「トヨタ方式」の仕事の「カイゼン」。公社は表向きその効果を強調していますが、全国の郵便局を視察した指導役のトヨタ社員は「81%がデタラメ局」「うその報告をあげている」などと厳しい内部報告書を作成しました。

一方現場からは「作業が混乱し効率は低下した」「年賀状配達も遅れるのでは」と批判が相次いでいます。

公社が採り入れたのは、トヨタ方式を応用した「JPS(ジャパン・ポスト・システム)」。この方式の本来の狙いは、仕事の量を明確にすることでムダのない人員配置をすることにあります。

しかし、トヨタから派遣された指導役の社員がJPSを重点的に進める142郵便局を視察したところ、現場に浸透していない実態が明らかになったのです。この報告書には「実効果につながる動きを何ひとつやっていない」「上辺だけの改善ごっこ」などと、厳しい指摘が並んでいます。

「トヨタ流」を疑問視する声は少なくありません。

JPSの導入にもかかわらず、05年度の郵便事業の人件費は前年度より31億円増えて1兆4238億円。超過勤務手当も115億円多い1040億円でした。

◆企業風土に合わないものを持ち込んでもうまくいかない◆

現場において「郵便局の仕事は自動車の製造とは違う」との改革を疑問視する声がこれほど多いという事実が、導入のための風土づくりを怠っていたことを顕著にあらわしているのではないでしょうか。
導入する先の風土が否定されれば拒絶されるのは当然のことです。

このように大きな問題を抱える日本郵政公社の改革ですが、実は、多大な時間と費用をかけて使えない制度・方式を導入したため、同じような問題を抱えている一般企業も多いのです。

「トヨタ方式」であれ、「○○式制度」であれ、どれほど優れた手段・方式であっても、企業風土に合わないものを持ち込んでもうまくいきません。

どんな手段・方式でも、これを活用して自ら組織を良くしよう、との思いが内から湧き上がらなければ、改善・改革は成功しないのです。

◆いきなり高レベルなものを導入すれば失敗する◆

日本郵政公社はトヨタ方式に倣い、いきなり高レベルの方式を導入しようとしました。

しかし、幹部・中堅管理職すら理解できていないものを導入して、はたして一般職員への指導ができるのでしょうか?理解できないものは何の役にも立ちません。

まずは簡単な仕組み・制度を導入することです。簡単な仕組みですから、当然のように問題が出てきます。この問題発生の場を、意見を言って一緒に解決策を考える風土づくりの場、幹部・中堅管理職の訓練の場、として活用すれば良いのです。

問題の発生しない高レベルの方式を、最初から導入しようとしないことです。
どんなに素晴らしい方式を導入しても、問題は必ず発生します。

問題が発生しない方式を考えるよりも、問題が発生したときにすぐに見直せる風土づくり・体制づくりこそが大切なのではないでしょうか。

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