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上場企業の業績と景気の関係(Side-B)

1.◆◆◆上場企業の業績と景気の関係(Side-B)◆◆◆

まず、GDPの説明から始めたいと思います。

GDPとは「Gross Domestic Product」の略で、
国内で新たに生産されたモノやサービスの付加価値の合計額を表しています。
新たに創り出された付加価値の中で、従業員に分配される部分を雇用報酬
言います。


それでは実際にバブルの頃の1990年と2004年のGDPと雇用報酬
比較してみます。
GDPには実質(物価の変動を考慮したもの)と名目(物価の変動を
考慮していないもの)があります。本来なら実質で比較すべきですが、
1990年度の実質の数字を入手できなかったので名目GDPで比較をします。

1990年度のGDPは439兆円なのに対して、2003年度のGDPは501兆円になっています。
また、雇用報酬の金額も1990年度の231兆円から、
2003年度は263兆円に増加しています。

あれ、バブルの頃より現在の方が、GDPも雇用報酬も大きくなっていますね。
それなのに、不景気と感じるのはなんだかおかしい気がします。

GDPが増えているのに、多くの人が不景気と感じている理由としては、
経済構造がバブルの頃と比較して次のように変化したためと考えられます。




1.流通形態の変化


海外から100円の原料を仕入れて、最終消費者に1,000円の商品を
販売した場合を例に考えて見ましょう。


バブルの頃の流通形態
メーカーが自社の製品を問屋、小売を使って販売していました。

1.メーカー 仕入 100円  売上 300円  利益 200円
2.一次問屋 仕入 300円  売上 500円  利益 200円
3.二次問屋 仕入 500円  売上 700円  利益 200円
4.小売   仕入 700円  売上 1,000円 利益 300円


現在の流通形態
メーカーが自社のホームページを使って消費者に直接商品を販売
するようになってきました。

メーカー 仕入 100円  売上 1,000円  利益 900円

すべての商品について、このように劇的に流通経路が変化したわけでは
ありませんが、多くの企業がホームページ等を使用し、
直接最終消費者に販売することに力をいれるようになりました。
以前よりも間違いなく問屋や小売りの利益は減少しています。



2.企業の差別化

前回のメルマガで、日産のリバイバルプランの戦略の一つとして、
取引を行う部品や資材メーカーの数を半減して調達コストを下げるという
方法を説明しました。
日産の売上はその後も順調に伸びており、取引を継続している
メーカーの売上は以前より増加しています。



このように考えると、現在は不景気と言うより社会構造が変化して、
人々の間に格差が生じたと言えるのではないでしょうか。


高級ブランドや外資系超高級ホテルが、最近次々と東京に進出しています。
これは、間違いなく高級ホテルやブランドを利用できる人が増えていることを
意味しているでしょう。


現在を不景気と考えると、再び好景気が来るのを待ってしまいます。
受身な姿勢で時が経過してしまいます。

そうではなく、格差が生じつつあると考えるなら、
格差を縮めるために何らかの行動を起こしたくなるはずです。
少しずつ何かを変えていかなければならいと感じるはずです。




以前は企業が利益を出していなくても、それほど大きな問題にはなりませんでした。
しかし現在は、利益を出さない企業は淘汰されてしまいます。
今後は、何故企業が利益を稼がなければならないというプレッシャーを
昔よりも感じるようになったかを説明します。


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発行者  望月 実(公認会計士
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