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海外子会社への貸付金の金利と移転価格税制

 東証1部上場のキノコ栽培大手「ホクト」が、関東信越国税局の
税務調査を受け、米国子会社への貸付金を巡り、金利が不当に低く
海外に所得を移転したと判断され、移転価格税制を適用されたとの
報道がありました。

 今回は海外の子会社等への貸付金の金利と移転価格税制について
とりあげます。金銭の貸借取引についても、損益に影響を与える項
目として当然、移転価格税制が適用され、金利の独立企業間価格と
の間に差額があれば課税されるリスクが生じます。

 貸付金利の独立企業間価格の算定については、基本的には商製品
と同様、独立価格比準法と同等の方法又は原価基準法と同等の方法
を適用することになります。その際、国外関連取引と同一通貨、貸
借時期、貸借期間、金利の設定方式(固定又は変動、単利又は複利
等)、利払方法(前払い、後払い等)、借手の信用力、担保及び保
証の有無等が同様であるような比較対象取引があることが必要です。

 但し、上記のような方法を一般の事業会社が算定することは実現
可能性に難があることから、一般の事業会社については、下記のよ
うな方法で算定することも認められます。(1)の方法から順に優先
適用されます。

(1)借手の銀行調達利率(通貨、貸借時期、貸借期間等が同様である
 ことが必要)
(2)貸手の銀行調達利率(通貨、貸借時期、貸借期間等が同様である
 ことが必要)
(3)国債等による運用利率(通貨、取引時期、期間等が同様であるこ
 とが必要)

 また、貸付金の金利が、例えば業績不振の子会社等の倒産を防止
するために、やむを得ず行われるもので合理的な再建計画に基づく
ものである等、合理的な理由により低利又は無利息としている場合
には、移転価格税制上も、適正な取引として取り扱われます。

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税理士 齋藤 忠志[http://www.saito777.com]
[国際税務サイト http://www.saito555.com]
[相続税贈与税事業承継サイト http://www.saito888.com]

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