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企業内物流はコストダウンの最後の秘境!

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      シリーズ「カイゼン活動で仕事のできる人の集団を作る!」

  <第414回>[(第5話)「企業内物流はコストダウンの最後の秘境!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の
必要性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「カイゼン
活動で仕事のできる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析し
た良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企
業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきた
いと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】企業内物流がコストダウン最後の秘境!
【3】物流コストを正確に把握する!
【4】企業内物流費の削減方法!
【5】編集後記

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遅れている工場の物流と進んでいる工場の物流とでは、天地の開きが生じて
いるように思う。遅れている工場では物流コストすら十分把握されていない
のが実情だ。

物流を本業としている運送会社なら物を運送したり移動すればお客からお金
をもらえるが、製造業では企業内物流費を価格に転嫁できたとしてもそれは
小額だろう。思う存分価格に転嫁すれば製品の売価が高くなり、競争に負け
てしまうからだ。企業内物流費をどこまで抑えられるかが競争力のカギを握
る。


【1】心に刻んでおきたい言葉

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工場内では物を運搬したり移動する業務に多くの人員を配している。だがこ
れまで企業内物流にはあまりカイゼンのメスを入れてきていない。企業内物
流は、コスト削減の最後の秘境ではないか。

       下山明央

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【2】企業内物流がコストダウン最後の秘境!

中小企業は日夜コストダウンに努力している。仕事を頂いている親企業は容
赦なくコストダウンを要求してくるからだ。もうとっくの昔に「乾いたタオ
ル」常態になっている。だが、企業内物流にはまだコストダウンの余地があ
るケースがある。

工場内では頻繁に物の運搬や移動が繰り返されている。顧客先への納入にも
自社便を使っている企業は多い。企業内物流の遅れている企業の特徴は概ね
以下のようになる。


◆ 納品場所・・・3K職場(きつい、汚い、危険)

◆ 納品の梱包・荷姿・・・様々な梱包・荷姿で不統一

◆ 受入検査場所・・・荷物の山で足の踏み場もない

◆ 倉庫・保管場所・・・5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾け)や識別表
  示不十分

◆ 入庫・出庫システム・・・伝票による手作業

◆ ピッキング(品出し)・・・慣れた人が探し回る

◆ 構内運搬・・・手押し台車、ひどい場合はハンドキャリー

◆ 物流センター・・・ないかあっても倉庫、ひどい場合は物置

◆ 物流ネットワーク・・・構築されていない

◆ カイゼンに対する意識・・・低い


企業内物流の進んでいる企業では、上記の項目がほとんどクリアされている
が遅れている企業では「当たり前」のこととしてカイゼンのメスは入ってい
ない。



【3】物流コストを正確に把握する!

物流コストの正確な把握から着手することをお勧めする。物流費が「物流部
門の人件費」、「外部に支払った運賃」、「購入した梱包資材費」、「燃料
費」、「車両等の整備費」だけで済んでいるとは限らない。

工場では、生産管理部門の名札を着けた人がほとんど席にいないと言う例も
ある。必要な部品が納入されず飛び回っているからだ。これも物流の欠陥が
もたらすムダな「隠れ物流コスト」だ。

物流部門以外の人も相当の工数を何らかの形で物の運搬や移動に時間を割か
れている。本来営業活動に専念すべき営業マンが運搬や配送に時間が割かれ
ている例もある。これもムダな「隠れ物流費」と考えることだ。

企業内物流コストを正確に把握し、各製品に対して有効な基準(ルール)を
決めて按分してみるとよい。企業内物流費こそが「コストダウンの最後の秘
境」であることに気付くはずだ。



【4】企業内物流費の削減方法!

部品メーカーでは調達するものは主として材料であり、調達先に配達させて
いるから問題ないと考えるきらいがある。しかし購入した材料代に配達料
(物流費)も含まれているのである。セットメーカーではたくさんの部品を
調達して組み立てている。構内は納品の車で渋滞し、非効率なばかりか部品
代に配達料(物流費)も含まれている。しかも欠品があって生産に支障をき
たすことも度々ある。


1.調達物流のカイゼン


(1)購入点数を激減する手を考える

資材購買部門だけでは思い切ったカイゼンは難しい。購入する部品点数を劇
的に少なくすることだ。それには「ユニット納入」に切り替えることだ。つ
まり、いくつかの部品を組み付けてユニット状態にし、しっかり品質検査を
して納入させるようにするのだ。

「ユニット納入」の業者を「コア業者(一次調達先)」に指定し、部品メー
カーから部品を自給して組み立て、ユニット納入してもらうことだ。部品自
給に関する管理費等は当然支払わなければならないが、発注点数が激減でき
るため、調達要員や生産管理要員も削減できる。この効果は大きい。


(2)JIT(Just In Time)納入を推進する

必要な部材・材料やユニットを必要なとき、必要な数量を“ちょうど間に合
うように”納品させることだ。無手勝流ではできない。ここが「IT化」の
腕の見せ所である。手配漏れと言ったようなミスが出るようではJIT納入
の意味がなくなるからしっかりしたシステムを構築することが肝要だ。

無用な在庫が極力ない状態を創り上げることができる。その分だけ社内でム
ダな運搬や移動がなくなるわけだ。


(3)取りに行く物流を考える

JIT納入を調達先にお願いしても納品のための物流費は部品・材料やユニ
ット品に加算されている。この物流費をもっと下げたい欲望に駆られる。そ
んな時威力を発揮するのが「取りに行く物流」だ。

自社便あるいは契約した委託便を調達先に回して必要な部品・材料やユニッ
ト品を集荷するシステムだ。「行き」の便で顧客先に製品を納入し「帰り」
の便で「取りに行く物流」を実施すれば車両やドライバーの稼働率は劇的に
向上するから企業内物流費は大幅に削減できるというわけだ。


2.物流全体最適化

調達物流のカイゼンで「不要な資材」が激減した状態になれば工場内の物流
はかなり楽になることが期待できる。

本来は受入検査合格の物を「入庫処理」をし、部品庫(倉庫)に保管される。
生産計画にあわせて「出庫処理」をし、現場に払い出す。この手続きは経理
に絶対に必要な手続きだ。だからと言って必ず部品庫に運ぶのはどうかと思
う。

コンピューター上で「入庫処理」と「出庫処理」をし、実際は受入検査合格
品をそのまま現場にストレートに移動すればよい。

但し、現場の一角に「仕分け」と「キット配膳」の準備をするスペースを設
けて各工程で必要な材料・部品やユニット品をキットで配膳すれば誤部品組
み付け等のミスもなくせて生産効率は飛躍的に向上することが期待できる。
これが「物流の全体最適化」がもたらす大きなカイゼンになるわけだ。

企業内物流を「全体最適」と言う観点で考えれば知恵はいくらでも出るので
はないか。



【5】編集後記

企業内物流を自前でやるかアウトソーシングするかは経営的に判断する必要
がある。大企業では自前でやっていた物流部門を一つの企業として独立させ、
他社の物流も事業に取り入れている例は多い。しかし、中小企業では難しい
面がある。

そこで「限定的請負物流」と言う手も選択肢に挙げてはどうかと思う。つま
り自社の物流部門が近隣の他社の物流も請け負って物流の効率を上げると言
う考え方だ。

さらには「共同物流センター」構想もいいのではないかと思う。「共同物流
センター」を拠点に調達物流を実施し、「共同物流センター」と工場間にシ
ャトル便を走らせ、部品を運び、できた製品を一旦「共同物流センター」に
運んでそこから客先に計画納入する考え方だ。

このように企業内物流のカイゼンの知恵はまだまだたくさんある。正に「コ
ストダウンの最後の秘境」なのである。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=

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次回に続く。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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