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コラムの泉

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登録第5614543号:「天香」

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       9月16日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第5614543号:「天香」

 指定商品・役務は、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」です。

 ところが、この商標は、

 登録第2281914商標:「天好」

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2013-011379号)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「「天香」の漢字を標準文字で表してなるところ、該文字は、
「テンコウ」の読み及び「天からくだる香り。非常によい香り。」
等の意味を有する語(「漢字源改訂第四版」(株式会社学習研究社発行))
であるから、その構成文字に相応して、「テンコウ」の称呼を
生ずるものであり、「天からくだる香り。非常によい香り。」
の観念を生ずるものである。」

 一方、引用商標は、

「「天好」の漢字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書類に
載録された成語とは認められないものの、該文字を構成する「天」
及び「好」の各漢字は、それぞれ「テン」の読み及び「空もよう。
自然。」の意味並びに「コウ」の読み及び「このむ。このましい。
いい。」の意味を有する語(各語の読み及び意味は、
「新明解国語辞典第七版」(株式会社三省堂発行)から引用。)として、
いずれも一般に慣れ親しまれているものであるから、その構成文字に
相応して、「テンコウ」の称呼を生ずるというのが自然であり、」

「また、「天」及び「好」の漢字それぞれが上記の意味を有する
ものであるから、「空もようがいい。自然がこのましい。」程の
意味合いを想起させることも決して少なくないというのが相当で
ある。」

 そこで両者を比較すると、

「いずれも漢字2字という短い文字構成からなるものであって、
2文字目において「香」と「好」との差異を有することからすれば、
外観上、容易に区別し得るものであるから、相紛れるおそれはない。」

 称呼は、

「いずれも「テンコウ」の称呼を生ずることから、両商標は、称呼
を共通にするものである。」

 観念は、

本願商標は、「天からくだる香り。非常によい香り。」の観念を
生ずるものであるのに対し、引用商標は、「空もようがいい。自然
がこのましい。」程の意味合いを想起させるものといい得るから、
商標は、観念において相紛れるおそれはない。」

 ここで、

「称呼を共通にするものであるとしても、外観及び観念においては、
相紛れるおそれのないものであるから、これら両商標における
異同を総合勘案すれば、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に
使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断
するのが相当であり、ほかにこれを左右する特段の事情も見当たら
ない」

 として非類似のものとされました。


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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が共通する場合の類否が問題となりました。

 通常は、称呼が共通する場合には類似と判断されることが多い
です。

 でも、外観や観念で相当の差異がある場合には、非類似とされる
こともあります。

 外観での差別化が真似とは言わせないツボになります。


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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ
(原則、毎週月曜日発行ですが、祝日のときは祝日明けに発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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