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ABCマート14期連続増収増益なるか?!その強さを支えるビ…

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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』
  2017年2月28日号   受講者数:26,298人
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こんにちは!『1日3分MBA講座』をお届けする安部です。


今日で2月も終わりですね。

今月はいろいろと慌ただしい月でした。(^^;

そんな中、ほんの一部ですが私が執筆した
ビジネスモデルのムック本が来月出版される予定です。

また店頭に並びましたらこのメルマガでもご案内します。

是非とも書店でチェックしてみて下さいね。(^^)


それでは、今回のMBA講座も張り切ってお届けして
いきますので、最後までよろしくお願いします!


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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』は、
基本的に具体的なケースをお伝えしています。

ベースとなるMBA理論をマスターしたい方は、
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超一流の理論をわかりやすく解説した書籍です。

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書評をいただけると嬉しいです!(^^)


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■ 1日3分で身につけるMBA講座
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さて、今回の『1日3分で身につけるMBA講座』は、
13期連続の増収増益を達成するも、14期連続達成が
すんなりとはいきそうにないABCマートの
ビジネスモデル、および戦略を分析してきましょう。

MAG2NEWSでは、図表付で解説していますので、
是非ともご訪問下さいませ。

http://www.mag2.com/p/news/240967


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■ ABCマートは成長の踊り場に差し掛かったのか?


ABCマートの14期連続増収増益に黄色信号が
灯っています。

シューズ市場で圧倒的なシェアを誇り、
トップを快走するABCマートは、
積極的な出店を背景に2016年2月期まで
13期連続で増収増益を達成。

2017年2月期は14期連続への挑戦となりますが、
1月に発表された第3四半期の決算短信では売上高こそ
1,789億円と前年同期比0.8%増を維持しましたが、
営業利益は320億円に留まり、2.3%の減益と
なってしまいました。

これは何もABCマートの事業に急ブレーキがかかったと
いうよりは、業界全体が成熟していることが要因と
考えられます。

なぜなら、業界2位のチヨダも同期間の決算売上高
1,050億円と前年同期比4.1%の減収、そして営業利益
至っては65億円と前年同期比17.4%も減少している
からです。

この業界2位のチヨダの決算数字を見る限りは、
ABCマートは厳しい経営環境の中で健闘している
といっても過言ではないでしょう。


■ ABCマートの強みはどこにあるのか?


シューズ業界では圧倒的な強みを誇るABCマートですが、
その強みの源泉はどこにあるのでしょうか?

それは、ユニクロやニトリと同じSPAモデル
といえるでしょう。

SPAとは、自社で製品の企画から製造、販売まで
一貫して行うビジネスモデルです。

ABCマートでは、アディダスやプーマ、ニューバランス
といったナショナル・ブランド(NB)も取り扱って
いますが、主力はヴァンズやホーキンスといった
ブランドの商標権を取得し、自社で商品を企画・生産・
販売を行っているプライベートブランド(PB)。

また、ナショナル・ブランド(NB)も、
どこででも買えるような商品ではなく、
ABCマートでしか購入できないオリジナルの
限定商品を先方の企業と共同開発することによって、
靴のディスカウンターとの価格競争を避け、
値崩れすることなく販売することができる
というのも強みといえます。

このように、国内外の有名ブランドの商品と
自社オリジナルの商品を組み合わせて展開する
トレンド発信型の高感度な業態は、
SPAモデルの中でも特に『バイイングSPA』と呼ばれ、
ABCマートはその最先端を行く企業といえます。

このSPAモデルでは、店舗で接客を通して感じ取った
顧客のトレンドやニーズをすぐさま商品企画に反映させ、
短期間で商品を生産し、店舗に投入することによって
ビジネスチャンスを逃さないというメリットもあります。

特にABCマートの場合は、毎日販売データで売れ筋商品
を見極めているのはもちろんのこと、全社員が週に1回
は必ず店舗で接客して数字には表れてこない生の顧客の
声を収集しています。

また社長自らも月に2回は定点観測している都心の店舗
があり、他にも2回は関東近郊の店舗に出向いて接客
するなど、現場での情報収集を大切にしているのです。

このようにして、社員全員が店頭に立って顧客と
コミュニケーションを図ることで、なぜ売れたのか、
そして今後どのようなシューズが売れるのかが
明確にわかるようになるというわけです。

ABCマートでは、店舗で収集した顧客情報を商品開発に
活かし、SPAモデルのメリットを最大限活かして
顧客のニーズに即した商品をいち早く投入すること
によって、顧客の心を掴み需要を創造してきたのです。


■ 成熟市場で成長を指向するためには
どうすればいいのか?


一方、シューズ市場も成熟し、ABCマートとしては
増収増益を維持することは益々難しくなってきています。

これまで、空白マーケットに出店して、店舗数の増加で
増収増益を演出することができましたが、2016年末で
国内の店舗数が910店舗に達し、目標とする1200店舗
体制に向けて出店余地はわずかになってきています。

今後はこれまでと同じ戦略では、いずれは成長の壁に
ぶち当たることは火を見るより明らかです。

それでは、ABCマートは今後成長を持続させるために
どのような戦略を取るべきなのでしょうか?

その答えは『アンゾフのマトリクス』という
フレームワークで導き出すことができるでしょう。

アンゾフのマトリクスは、製品市場戦略とも呼ばれ、
製品と市場を既存と新規に分けて、企業が取るべき戦略
を明らかにするものです。

まず、企業の最初の取るべき戦略は、既存製品を
既存市場で販売することです。

これは市場浸透戦略と呼ばれます。

この市場浸透戦略に成功すると、既存市場でのシェアが
高まり、成長が鈍化していくことになります。

続いて、リスクをできるだけ低くして成長を指向する
ためには、2通りの考え方があります。

一つは、既存市場に新製品を投入していく戦略です。

これは新製品開発戦略と呼ばれています。

すでに取引のある顧客に新製品を販売するために、
比較的に成功しやすい戦略といえます。

他方、既存製品を新市場で販売するという手もあります。

これは、新市場開拓戦略と呼ばれています。

この戦略もすでに成功体験のある製品を新たな市場で
販売するということで、開発コストも必要ありませんし、
リスクは低いといえるでしょう。

それ以外にも、マトリクスでいえば新市場に新製品を
投入するという戦略も考えられます。

これは、多角化と呼ばれ、既存の市場が飽和した時に、
さらなる成長を目指すために取られる戦略の一つですが、
まったく新たな市場に新たに開発した製品を投入する
ということで、成功はまったく未知数であり、前述した
2つの戦略に比べればリスクはかなり高くなります。

もし、この多角化を選択せざるを得ない場合、
ゼロから自社で始めるのではなく、すでに実績のある
企業を買収するという手段を講じるとリスクの低減が
図れるでしょう。

さて、このようなアンゾフのマトリクスに基づけば、
飽和したシューズ市場でABCマートが成長を持続する
ためには、一つには既存顧客に新製品を販売する
新製品開発戦略を取ることができます。

たとえばABCマートの場合は、シューズと親和性のある
アパレルに進出するということも十分に考えられます。

実際にABCマートはアパレルブランドである
ユナイテッドアローズに出資していた時期もあるので、
有名ブランドを買収してSPAモデルを導入し事業ポート
フォリオを拡大するという戦略も効果的でしょう。

SPAモデルでインテリア業界トップのニトリがアパレル
の参入を検討していることを踏まえれば、
同じファッションというカテゴリーにあるABCマートが
アパレルに参入したとしても何ら不思議はないでしょう。

また、もう一つの新市場開拓戦略でいえば、
日本のマーケットはすでに空白地が限られてきている
ため、海外進出を加速させるという手があります。

実際にABCマートは海外進出を加速させていて、
海外では韓国を中心に2016年11月末現在で227店と
すでに多くの店舗を展開しています。

ABCマートの決算書を分析すると、現預金が1,000億円を
超えて高い水準にあるので、資金を寝かせておくのでは
なく、新たな事業や海外進出など将来の成長に投資する
ことによって、足踏みしそうな現状を打破し、再び成長
路線を維持することができるのではないでしょうか。


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■ 編集後記:
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明日から3月・・・

3月は特に決算月の会社も多く、多忙を極める方も
多いのではないでしょうか?

体調を崩しやすい時期でもありますので、くれぐれも
体調管理にはお気を付けいただきたいと思います。

それでは、また次回のメルマガまで!(^^)


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■ 今回も26,298人の方にご参加いただきました!
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最後までお読みいただきましてありがとうございました。
m(_ _)m

今回の1日3分MBA講座はいかがだったでしょうか?

ご意見やご要望があれば下記のフォームから
お気軽にお寄せ下さいませ!
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それでは、また次回あなたにお会いできるのを
楽しみにしています!(^-^)


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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』
(ビジプロ通信)

編集長: 安部 徹也

発行元:
株式会社 MBA Solution
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〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1
渋谷マークシティW22階

URL : http://www.mbasolution.com

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