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コラムの泉

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登録第6118252号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       6月4号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6118252号:

 角に丸みを帯びた四角形状の黒色枠線内に、4点をその四角形状内に
接するように図案化された朱色の「N」の欧文字を配した図形と、
その右側に、図案化された紺色の「NDK」の欧文字と、を
右斜めに配してなる構成

 指定商品等は、第7,28類の各商品です。


 ところが、この商標は、

(1)登録第847191号:

(2)登録第1646192号:

 やや右斜めに傾いた二重の楕円形(外側の輪郭線は、内側の輪郭線の
約4倍の太さ)の右下方を切り開いた図形に、普通に用いられる
態様により書された「NDK」の欧文字を配した構成

(3)国際登録第831681号:「NDK」


 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2018-010967)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「図形部分と文字部分とは、その構成態様及び色彩の相違により、
両部分は、視覚的に分離して看取されるものであって、その構成中の
図形部分と文字部分とが常に不可分一体のものとしてのみ認識
されるものとはいい難い。」

 してみれば、

「図形部分及び文字部分がいずれも独立して要部となり、自他商品
の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。」

 そこで、要部の一つである文字部分についてみると、

「「NDK」の文字は、一般に親しまれた外国語、略語とも認め
られないことから、特定の意味合いを理解させるとはいい難く、
一種の造語とみるのが相当であり、特定の観念は生じないもの
である。」

 次に、

「文字部分に施された図案化についてみるに、構成文字全体が
右斜めに傾斜しており、加えて、1文字目の「N」については、
文字を構成する線が鋭角に曲がる2カ所の部分が、文字の上下に
突出しており、また、2文字目及び3文字目の「D」及び「K」に
ついては、各文字の中央における右斜めの縦線により、文字の左右が
分断されているように、特徴的な図案化が施されているものである。」

 したがって、

「文字部分は、「エヌデイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じ
ないものである。」

 一方、引用商標1,2の

「図形部分及び文字部分は、その態様及び構成から視覚的に分離して
看取させるものであり、また、これらを常に一体のものと把握し
なければならない特段の事情も見いだせないことからすれば、それ
ぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものというべき
である。」

 したがって、引用商標1及び引用商標2は、

「文字部分から生ずる称呼をもって取引に資される場合もあると
いうのが相当であり、その構成文字に相応して「エヌデイケイ」の
称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 引用商標3は、

「その構成文字より、「エヌデイケイ」の称呼を生じるものであり、
また、該文字は、一般に親しまれた外国語、略語とも認められ
ないことから、特定の意味合いを理解させるとはいい難く、一種の
造語とみるのが相当であるから、特定の観念を生じないものである。」

 したがって、

「「エヌデイケイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないもので
ある。」


 そこでそれぞれを対比すると、外観は、

「色彩の有無、図案化の有無において顕著な差異を有するもので
あり、外観上、判然と区別し得るものといえる。」

 称呼は、

「共に「エヌデイケイ」の称呼を生じるものであるから、称呼上、
同一である。」

 観念は、

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、
比較することはできない。」

 そうすると、

「「エヌデイケイ」の称呼を共通にするとしても、観念において
比較することができず、その外観においては、両者は、顕著な差異が
あるから」

 非類似であるとされました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が共通する商標の類似が問題となりました。

 称呼が共通しても、その他の部分の差異が大きい場合には
非類似となる場合があります。

 外観や観念で違いを大きくすることが真似とは言わせないツボに
なります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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名無し

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