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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□
□ 6月2日号
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弁理士 深澤です。
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★このメルマガの目的♪
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このメルマガでは、
商標の審判・裁判事例等を通して、
○どんな
商標が類似といわれたのか
○識別力のある
商標とはどんなものなのか
といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。
(配信中止はこちらまで
http://www.mag2.com/m/0000241197.html)
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例♪
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今回取り上げるのは、
○登録第6212429号:
「Bior」の欧文字を、灰色の縁取りをした白抜き文字に
影付きのデザインがされた書体で横書きしてなる構成
指定商品・
役務は、第3類の「せっけん類,洗顔料,化粧品,
香料,薫料」です。
ところが、この
商標は、
登録第5041030号
商標:
「ビオール」の片仮名と「BIALL」の欧文字とを、いずれも
明朝体の書体で上下二段に横書きしてなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-007557)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この
商標の
「欧文字は、辞書類に載録されていない造語であって、
本願商標の
指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として
使用されている実情も見受けられないことから、」
「特定の観念が生じないものである。」
また、
「指定商品を取り扱う分野においてしばしばフランス語由来の
商標
が使用されることは普通に知られており、加えて、例えば、末尾が
「or」で終わるフランス語である「corridor」を「コリ
ドール」、「tenor」(「e」の文字にはアクサン記号が付さ
れている。)を「テノール」と読むことなどからすれば、」
「その構成文字に相応して、フランス語風に「ビオール」との称呼
を生じ得るものと認められる。」
一方、
「一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の
商標において、その
仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと
無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼が、その
商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるところ、」
引用商標中、
「「BIALL」の欧文字のうち、「BI」が「ビ」と発音され
得るとともに、「ALL」が「オール」と発音され得ることは、
それぞれローマ字読み及び英語読みの観点から、理解できることで
ある。」
そうすると、
「「ビオール」の文字が「BIALL」の称呼を特定すべき役割を
果たすものと無理なく認識できると認められる。」
よって、
「
引用商標からは、「ビオール」との称呼が生じる。
また、
「「ビオール」の文字及び「BIALL」の欧文字は、いずれも、
辞書類に載録されていない造語であって、」
「指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として
使用されている実情も見受けられないことから、
引用商標からは、
特定の観念が生じないものである。」
そこで、両者を比較すると、外観については、
「
本願商標の語頭に位置する「Bi」の欧文字と
引用商標中、
欧文字部分の「BIALL」の語頭に位置する「BI」の欧文字とを、
大文字小文字の差を措いて共通にするものであるが、その余の文字
をすべて異にするものである。」
また、
「両者は、構成文字数が異なることに加え、文字のデザイン及び
段構成等、態様が異なるものであることから、視覚的な印象が
著しく相違し、外観上、判然と区別し得るものである。」
称呼は、
「「ビオール」の称呼を共通にするものである。」
観念は、
「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較
することができない。」
したがって、
「称呼においては共通する場合があり、観念において比較できない
としても、外観においては、その印象が著しく相違し、判然と区別
し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における差異を
凌駕するとは言い難く、」
両
商標は、非類似の
商標とされました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、称呼が共通する
商標の類否が問題となりました。
称呼が共通していても、外観や観念で異なるものがあれば、
そちらの違いが優先します。
どこかで大きく違いを出すことが真似とは言わせないツボに
なります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
ご質問・ご感想お待ちしております!
編集・発行 深澤 潔
http://brand-service.biz/
各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の
商標登録関連
を扱っております
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といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
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今回取り上げるのは、
○登録第6212429号:
「Bior」の欧文字を、灰色の縁取りをした白抜き文字に
影付きのデザインがされた書体で横書きしてなる構成
指定商品・役務は、第3類の「せっけん類,洗顔料,化粧品,
香料,薫料」です。
ところが、この商標は、
登録第5041030号商標:
「ビオール」の片仮名と「BIALL」の欧文字とを、いずれも
明朝体の書体で上下二段に横書きしてなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
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★判断の分かれ目♪
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-007557)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「欧文字は、辞書類に載録されていない造語であって、本願商標の
指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として
使用されている実情も見受けられないことから、」
「特定の観念が生じないものである。」
また、
「指定商品を取り扱う分野においてしばしばフランス語由来の商標
が使用されることは普通に知られており、加えて、例えば、末尾が
「or」で終わるフランス語である「corridor」を「コリ
ドール」、「tenor」(「e」の文字にはアクサン記号が付さ
れている。)を「テノール」と読むことなどからすれば、」
「その構成文字に相応して、フランス語風に「ビオール」との称呼
を生じ得るものと認められる。」
一方、
「一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その
仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと
無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼が、その
商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるところ、」
引用商標中、
「「BIALL」の欧文字のうち、「BI」が「ビ」と発音され
得るとともに、「ALL」が「オール」と発音され得ることは、
それぞれローマ字読み及び英語読みの観点から、理解できることで
ある。」
そうすると、
「「ビオール」の文字が「BIALL」の称呼を特定すべき役割を
果たすものと無理なく認識できると認められる。」
よって、
「引用商標からは、「ビオール」との称呼が生じる。
また、
「「ビオール」の文字及び「BIALL」の欧文字は、いずれも、
辞書類に載録されていない造語であって、」
「指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として
使用されている実情も見受けられないことから、引用商標からは、
特定の観念が生じないものである。」
そこで、両者を比較すると、外観については、
「本願商標の語頭に位置する「Bi」の欧文字と引用商標中、
欧文字部分の「BIALL」の語頭に位置する「BI」の欧文字とを、
大文字小文字の差を措いて共通にするものであるが、その余の文字
をすべて異にするものである。」
また、
「両者は、構成文字数が異なることに加え、文字のデザイン及び
段構成等、態様が異なるものであることから、視覚的な印象が
著しく相違し、外観上、判然と区別し得るものである。」
称呼は、
「「ビオール」の称呼を共通にするものである。」
観念は、
「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較
することができない。」
したがって、
「称呼においては共通する場合があり、観念において比較できない
としても、外観においては、その印象が著しく相違し、判然と区別
し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における差異を
凌駕するとは言い難く、」
両商標は、非類似の商標とされました。
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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。
称呼が共通していても、外観や観念で異なるものがあれば、
そちらの違いが優先します。
どこかで大きく違いを出すことが真似とは言わせないツボに
なります。
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お役に立ちましたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)
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編集・発行 深澤 潔
http://brand-service.biz/
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を扱っております
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