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コラムの泉

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登録第6249662号:「iMD」

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       1月26日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6249662号:「iMD」

 指定役務は、第42類の各役務です。

 ところが、この商標は、

(1)国際登録第1003801号商標

 円輪郭の上半分の円周に7個の扇状の輪郭線を配した図形(以下
「輪郭図形」という。)を上部に表し、その下部に何らかの文字を
デザイン化したものと看取される図形(以下「デザイン図形」と
いう。)を表した構成

(2)(3)国際登録第1105516号商標、国際登録第1205552号商標

 輪郭図形及びデザイン図形を表し、その下部に「REAL 
WORLD.REAL LEARNING」の欧文字を横書きして
なる構成

(4)国際登録第1353876号商標

 輪郭図形及びデザイン図形を表し、その下部に「REAL 
LEARNING.REAL IMPACT」の欧文字を横書き
してなる構成

 とそれぞれ類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-006008)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「文字は、一般的な辞書等には載録がなく、特定の意味合いを有する
語として知られているとも認められないものであるから、一種の
造語として理解されるとみるのが相当である。」

 そうすると、

「その構成文字に相応して「アイエムディー」の称呼を生じ、特定
の観念を生じないものである。」

 一方、引用商標1の

「輪郭図形とデザイン図形とは近接して表されており、輪郭図形の
円の下部の一部がデザイン図形の上部中心の窪みに入り込んで表さ
れていることから、輪郭図形とデザイン図形とはまとまりよく一体
の図形と看取されるといえるものであり、」

「当該図形部分は、我が国において特定の事物を表したもの又は
意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき
事情は認められないものであるから、これよりは、特定の称呼及び
観念を生じないものである。」

 引用商標2及び3の

「輪郭図形及びデザイン図形は、上記アのとおり、まとまりよく
一体の図形と看取されるものであり、特定の称呼及び観念を生じない
ものであって、下部の「REAL WORLD.REAL 
LEARNING」の欧文字部分は、「本当の世界、本当の学習」
程の意味合いを認識させる英語といえるものである。」

 そうすると、

「その構成中の欧文字部分に相応して「リアルワールドリアルラー
ニング」の称呼を生じ、「本当の世界、本当の学習」の観念を生じ
るものである。」

 また、引用商標4の

「輪郭図形及びデザイン図形は、上記アのとおり、まとまりよく
一体の図形と看取されるものであり、特定の称呼及び観念を生じない
ものであって、下部の「REAL LEARNING.REAL 
IMPACT」の欧文字部分は、「本当の学習、本当の衝撃」程の
意味合いを認識させる英語といえるものである。」

 そうすると、

「その構成中の欧文字部分に相応して「リアルラーニングリアル
インパクト」の称呼を生じ、「本当の学習、本当の衝撃」の観念を
生じるものである。」

 そこでこれらを比較すると、外観においては、

「両者は、図形の有無や構成文字において明らかな差異を有する
ものであるから、外観上、明確に区別できるものである。」

 称呼については、

本願商標が「アイエムディー」の称呼を生じるのに対し、引用
商標1は、特定の称呼を生じず、引用商標2及び引用商標3は、
「リアルワールドリアルラーニング」の称呼を生じ、引用商標4は、
「リアルラーニングリアルインパクト」の称呼を生じるものである
から、両者は、称呼上、明瞭に聴別できるものである。」

 観念については、

本願商標引用商標1は、共に特定の観念を生じないものである
から比較することができず、引用商標2及び引用商標3は、「本当
の世界、本当の学習」の観念を、引用商標4は、「本当の学習、
本当の衝撃」の観念を生じるものであるから、本願商標とは、
観念上、相紛れるおそれのないものである。」

 として、相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、商標の一部が共通すると思える商標の類否が問題となり
ました。

 文字としては不完全なものは何等かの図形として認識される場合
もあり、非類似になる場合があります。

 文字を図案化させることが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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