• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

登録第6304212号:「anana」

------------------------------------------------------------
□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
■□                     
□                       6月1日号
------------------------------------------------------------

 弁理士 深澤です。

 よろしければご活用ください。

------------------------------------------------------------
★このメルマガの目的♪
------------------------------------------------------------

 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

------------------------------------------------------------
★今回の事例♪
------------------------------------------------------------

 今回取り上げるのは、

○登録第6304212号:「anana」

 指定商品は、第25類の各商品です。

 ところが、この商標は、

(1)登録第4744693,5127544号商標:「ANANAS」

(2)登録第6204556号商標:「ANANNA」

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


------------------------------------------------------------
★判断の分かれ目♪
------------------------------------------------------------

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2020-008357)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「文字は辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定
の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識される
ものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み
又は英語読みに倣って、「アナナ」の称呼が生じ、また、特定の
観念は生じないものである。」

 一方、引用商標1の

「欧文字は、「パイナップル科アナナス属の植物の総称」の意味を
有する英語であるとしても、当該語が我が国において一般的に親し
まれ知られているとはいえず、特定の意味合いを想起させることの
ない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において
広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って、「アナナス」
の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。」

 また、引用商標2の

「文字は辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定
の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識される
ものであるから、我が国において広く親しまれているローマ字読み
又は英語読みに倣って、「アナンナ」の称呼が生じ、また、特定の
観念は生じないものである。」

 そこで、まず引用商標1と比較すると、

「外観においては、語尾の「S」の有無及び小文字か大文字かの
差異を有しており、これらの差異が、5文字と6文字という比較的
短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響
は小さいものとはいないから、両者は相紛れるおそれのないもの
とみるのが相当である。」

 次に、「アナナ」の称呼と「アナナス」の称呼を比較すると、

「両者は、語尾において「ス」の音の有無という差異を有し、前者は
3音、後者は4音という短い音構成においては、「ス」の音の有無
の相違が両称呼全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼
しても、語調、語感が相違し、明瞭に聴別し得るものである。」

 さらに、

「観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものである
から比較できないものである。」

 引用商標2と比較すると、

「外観においては、1文字目から4文字目までは同じつづりである
ものの大文字と小文字の差異を有し、5文字目及び6文字目は
「a」と「NA」の差異を有しているところ、これらの差異が、
5文字及び6文字という比較的短い文字構成からなる両商標の外観
全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえないから、
両者は相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。」

 次に、「アナナ」の称呼と「アナンナ」の称呼を比較すると、

「両者は、3音目において「ン」の音の有無という差異を有している
ところ、前者は3音、後者は4音という短い音構成において、
「ン」の音の有無の相違が両称呼全体に与える影響は大きく、それ
ぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、明瞭に聴別し得る
ものである。」

 さらに、

「観念においては、両者はいずれも特定の観念を生じないものである
から比較できないものである。」

 そうすると、

「観念において比較できないものの、外観及び称呼において相紛れる
おそれのないものであるから、」

 非類似の商標と判断されました。

------------------------------------------------------------
★事例からわかったネーミングのツボ♪
------------------------------------------------------------

 今回は、一文字違いの商標の類否が問題となりました。

 一文字違いであっても、全体として識別できる場合には非類似に
なります。

 違いをしっかり強調することが真似とは言わせないツボになります。 

------------------------------------------------------------
 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

************************************************************
真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
************************************************************

名無し

閲覧数(1,355)

絞り込み検索!

現在22,382コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP