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わかっちゃう! 知的財産用語 No.145
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こんにちは! わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。
☆ 本日の知的財産用語
[ PAT.P ]
「
特許出願中」であることを示す表記であって、「パテント・ペンディング」
の略です。
「ピーエーティ・ピー」と発音する人が多いように思います。
(1) 同様な表記として、
「
特許出願中」
「
特許願2007-1234号」
のような表記もよく目にします。
いずれも表記を義務づけられているものではありません。
出願人が自分の考えで表記しています。
(2) 商品のパッケージや広告などに「PAT.P」のような表記をしているの
を見かける機会があると思います。
この場合、あくまで「
特許出願しています」ということであり、「
特許にな
っている(
特許権がある)」ということでありませんので ご注意下さい。
(3) それだけでは商品の どの部分について
特許出願しているのか 良くわか
らないことが多いです。
例えば、商品のパッケージや広告に単に「PAT.P」と書かれていても、
「商品全体についての発明」なのか、「使っている部品の発明」なのか、「製
造方法の発明」なのか、「パッケージや容器についての発明」なのか、よくわ
かりません。
☆ ☆
[関連事項と経験談]
(1) 出願人が「PAT.P」のような表記をする理由はいろいろ考えられます。
まずは「宣伝広告」,「アピール」的な意味が大きいと思います。
特許出願しても、その出願が審査で拒絶になることは多いですし、審査され
ることもなく取り下げ扱いになることもあります。
でも、
特許制度をよく知らない人が「PAT.P」や「
特許出願中」の表記
を見ると、
「うわっ、
特許出願している。すごい技術に裏付けされた商品なのだろう。」
と思ってくれることがあります。
また、見た人が勝手に「
特許権がある」と誤解して 商品を高く評価する場
合もあると思います。
でも実際は、
特許出願しさえすれば、関係のある製品に「PAT.P」や「
特許出願中」のように表記をすることができます。
余談ですが、私の親戚に「東大を受験した」ことを自慢していた人がいまし
た。「東大を受験するほど頭がよい」ということを言いたかったらしいです。
でも受験しただけで、合格はしていません(^^;)。
「PAT.P」の表記を見ると、なんとなく その親戚のことを思い出しま
す。
(2) ライバルを牽制する効果を期待して表記することもあります。
同様な商品を真似して作ろうとする競合会社も、「PAT.P」という表記
を見ると、
「もし、その出願が
特許になれば攻撃されるかも・・」
という危機感から参入を躊躇することがあるからです。
その心理を逆手にとって、もともと
特許になりそうにない発明でも出願して
おき、商品や広告に「PAT.P」を書いてライバルを牽制することも あり
ます。
そして 競合会社が躊躇している間に 自社製品を一気に普及させて市場で
優位な立場に立つという販売戦略もあるようです。
(3)
特許出願が出願公開されていれば、
特許電子図書館などを利用して実際に
どのような内容の
特許出願がされているのかを調査することができます。
「PAT.P」と表記されている商品に関して調査した結果、
特許になる可
能性が低いことがわかることもあります。
(只、調査できるのは出願公開されている分だけですので、未公開で 「凄い」
発明について
特許出願されている可能性は有ります。)
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「わかっちゃう! 知的財産用語」
発行 西川
特許事務所 (
http://www.jpat.net/ )
兵庫県西宮市東山台3丁目9-17
電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821
発行人 弁理士 西川 幸慶
pat@jpat.net
ご意見、ご感想 お待ちしてます。
感想メールをいただくと嬉しくて やる気が出るので、よろしくお願い
します。(「読んでるよ」の一言だけでも たいへん勇気づけられます。)
* このメールに返信いただけば、西川に届きます。
☆「メール相談」
http://www.jpat.net/sodan.htm は「有料」ですが、
出願等のご依頼に伴うご相談は「無料」で承っております。
☆ 恥ずかしながら・・
私の日記
http://plaza.rakuten.co.jp/pinnote/
(書き込みも歓迎)
☆ ☆
掲載された記事の内容を許可なく転載することを禁じます。
但し、署名を含めて全文転載でしたら転載,転送していただいて結構です。
(C) 2007 Nishikawa Yukiyoshi
『まぐまぐ』 を 使ってお届けしています。
本マガジンの解除は
http://www.mag2.com/m/0000098536.htm から
お願いします。
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[編集後記]
商標登録の仕事をしている関係か、名刺交換をすると、相手の名刺に描かれ
ている会社のマーク(ハウスマーク)を意識してしまいます。
ちょっと変わった図形や 造語だったりすると
「この図形は何を意味しているのだろ?」
「この 言葉の意味は何だろう?」
と 気になります。
そこで、名刺交換した相手に その由来を尋ねるのですが、相手が創業者の
場合とても嬉しそうに話していただけます。
自社のマークに 思い入れや思い出が有るのでしょう。ご自分の信念や経営
指針を表していることを熱心に語っていただいたともありました。
でも、社員さんの場合は、人によって「温度差」を感じます。
先日 名刺交換した人は中堅の技術屋さんだったのですが、自社のマークの
由来を 全くご存じありませんでした。
ちょっと信じられない気もしましたが、そんなものなのでしょうか?
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わかっちゃう! 知的財産用語 No.145
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こんにちは! わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。
☆ 本日の知的財産用語
[ PAT.P ]
「特許出願中」であることを示す表記であって、「パテント・ペンディング」
の略です。
「ピーエーティ・ピー」と発音する人が多いように思います。
(1) 同様な表記として、
「特許出願中」
「特許願2007-1234号」
のような表記もよく目にします。
いずれも表記を義務づけられているものではありません。
出願人が自分の考えで表記しています。
(2) 商品のパッケージや広告などに「PAT.P」のような表記をしているの
を見かける機会があると思います。
この場合、あくまで「特許出願しています」ということであり、「特許にな
っている(特許権がある)」ということでありませんので ご注意下さい。
(3) それだけでは商品の どの部分について特許出願しているのか 良くわか
らないことが多いです。
例えば、商品のパッケージや広告に単に「PAT.P」と書かれていても、
「商品全体についての発明」なのか、「使っている部品の発明」なのか、「製
造方法の発明」なのか、「パッケージや容器についての発明」なのか、よくわ
かりません。
☆ ☆
[関連事項と経験談]
(1) 出願人が「PAT.P」のような表記をする理由はいろいろ考えられます。
まずは「宣伝広告」,「アピール」的な意味が大きいと思います。
特許出願しても、その出願が審査で拒絶になることは多いですし、審査され
ることもなく取り下げ扱いになることもあります。
でも、特許制度をよく知らない人が「PAT.P」や「特許出願中」の表記
を見ると、
「うわっ、特許出願している。すごい技術に裏付けされた商品なのだろう。」
と思ってくれることがあります。
また、見た人が勝手に「特許権がある」と誤解して 商品を高く評価する場
合もあると思います。
でも実際は、特許出願しさえすれば、関係のある製品に「PAT.P」や「
特許出願中」のように表記をすることができます。
余談ですが、私の親戚に「東大を受験した」ことを自慢していた人がいまし
た。「東大を受験するほど頭がよい」ということを言いたかったらしいです。
でも受験しただけで、合格はしていません(^^;)。
「PAT.P」の表記を見ると、なんとなく その親戚のことを思い出しま
す。
(2) ライバルを牽制する効果を期待して表記することもあります。
同様な商品を真似して作ろうとする競合会社も、「PAT.P」という表記
を見ると、
「もし、その出願が特許になれば攻撃されるかも・・」
という危機感から参入を躊躇することがあるからです。
その心理を逆手にとって、もともと特許になりそうにない発明でも出願して
おき、商品や広告に「PAT.P」を書いてライバルを牽制することも あり
ます。
そして 競合会社が躊躇している間に 自社製品を一気に普及させて市場で
優位な立場に立つという販売戦略もあるようです。
(3) 特許出願が出願公開されていれば、特許電子図書館などを利用して実際に
どのような内容の特許出願がされているのかを調査することができます。
「PAT.P」と表記されている商品に関して調査した結果、特許になる可
能性が低いことがわかることもあります。
(只、調査できるのは出願公開されている分だけですので、未公開で 「凄い」
発明について特許出願されている可能性は有ります。)
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電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821
発行人 弁理士 西川 幸慶
pat@jpat.net
ご意見、ご感想 お待ちしてます。
感想メールをいただくと嬉しくて やる気が出るので、よろしくお願い
します。(「読んでるよ」の一言だけでも たいへん勇気づけられます。)
* このメールに返信いただけば、西川に届きます。
☆「メール相談」
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出願等のご依頼に伴うご相談は「無料」で承っております。
☆ 恥ずかしながら・・
私の日記
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(書き込みも歓迎)
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但し、署名を含めて全文転載でしたら転載,転送していただいて結構です。
(C) 2007 Nishikawa Yukiyoshi
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[編集後記]
商標登録の仕事をしている関係か、名刺交換をすると、相手の名刺に描かれ
ている会社のマーク(ハウスマーク)を意識してしまいます。
ちょっと変わった図形や 造語だったりすると
「この図形は何を意味しているのだろ?」
「この 言葉の意味は何だろう?」
と 気になります。
そこで、名刺交換した相手に その由来を尋ねるのですが、相手が創業者の
場合とても嬉しそうに話していただけます。
自社のマークに 思い入れや思い出が有るのでしょう。ご自分の信念や経営
指針を表していることを熱心に語っていただいたともありました。
でも、社員さんの場合は、人によって「温度差」を感じます。
先日 名刺交換した人は中堅の技術屋さんだったのですが、自社のマークの
由来を 全くご存じありませんでした。
ちょっと信じられない気もしましたが、そんなものなのでしょうか?