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★このコラムの目的
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商品・サービスに新しい名前をつけるときに気をつけなければいけないことの一
つに他人の
商標登録があります。
他人の商品・サービスと同じ又は類似する商品・サービスに、他人の登録
商標と
同じ又は類似する
商標を使用することは、他人の
商標権の侵害になります。
せっかく思い入れをもって名付けても権利侵害するので使えない、というのでは、
今までの努力も水の泡になってしまいます。
一方、苦労して考えたネーミングを
商標登録して保護しようとしたときには、
「類似」の前に、
商標に「識別力」があるかどうかがまず問われます。
このコラムでは、
商標の審判事例を通して、どんな
商標が「識別力あり」とな
るのか、また、どういった
商標が類似といわれたのか、又は類似といわれなかった
のか、といったことから、ネーミングのツボを明らかにしていきます。
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例
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今回取り上げるのは、登録第5021772「ぐっすりスーパーホテル」です。
この
商標は、第43類「宿泊施設の提供」を指定
役務として出願されました。
ところが、
この
商標は、ひらがなである「ぐっすり」とカタカナである「スーパーホテル」
とを結合させたものであり、
「
本願商標より「ぐっすり」の称呼をも生ずる」から、
登録4869488号
商標「ぐっすり\JAL GOOD SLEEP SERVICE」
、かつ指定
役務が、第39類「航空機による輸送等」及び第43類「宿泊施設の提供」
「と
引用商標が称呼上類似する」
また、
この
商標は、「「ぐっすりと眠ることのできる超一流の優れたホテル」を直感させ
る「ぐっすりスーパーホテル」の文字を書してなるものであるから、これを本願指定
役務に使用しても、取引者・需要者は「誇称表示」といった程度に理解・認識するに
とどまり、単に
役務の質を表示するにすぎ」ない、
として、一旦は登録が認められないと判断されてしまいました。
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★判断の分かれ目
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判
(不服2006-004545)が提起されました。
では、審判でどんなやりとりがあったかを紹介します。
(1)類似性について
「
本願商標は、前記のとおり、「ぐっすりスーパーホテル」の文字を同じ大きさ、
等間隔で外観上まとまりよく一体的に表してなるから、これよりは構成文字全体に
相応して「グッスリスーパーホテル」の称呼を生じ、構成文字全体をもって特定の
意味を有さない造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そして、他に構成中の「ぐっすり」の文字部分のみが独立して認識されるとする特
段の事情は見出せない。」
また、
(2)識別力について
「その構成中「ぐっすり」の文字が「深く眠っているさま。」を意味する語、「ス
ーパー」の文字が「超・・・、上の、より優れた」等を意味する語、「ホテル」の
文字が本願指定
役務の普通名称として、いずれも一般に知られているとしても、こ
れらを組み合わせた「ぐっすりスーパーホテル」の文字よりは、直ちに」
「ぐっすりと眠ることのできる超一流の優れたホテル」
という意味合いを思い浮かぶものとはいえない。
また、
「指定
役務の分野において、その
役務の質を表示するものとして、取引上普通に使用
されているという事実」もない。
として、登録が認められることになりました。
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★事例からわかったネーミングのツボ
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今回の
商標は、
商標の類似と識別力との両方が問題となりました。
造語でない限り、使用する語句には何らかの意味があります。
今回の
商標を構成する文字のうち、
・「ぐっすり」の文字は「深く眠っているさま。」を意味する語、
・「スーパー」の文字は「超・・・、上の、より優れた」等を意味する語
・「ホテル」の文字は、この出願の指定
役務の普通名称
として、いずれも一般に知られているものです。
ただし、
「ぐっすりと眠ることのできる超一流の優れたホテル」
をすぐに直感させるかどうかは、微妙なところです。
また、同じ大きさの文字、等間隔な配置で外観上まとまりよく一体的に表されて
いるので、これらを組み合わせたときに、「グッスリスーパーホテル」の称呼を生じ、
構成文字全体をもって特定の意味のない造語になります。
そうなると、「ぐっすり」の文字部分のみがことさら強調されることもありません。
造語であることを強調するためには、全体での一体感をいかに出すか、
がツボになります。
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お役に立ちましたでしたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ
ご質問・ご感想お待ちしております!
mark@trademark-kaiketsu.comまで(@を@に替えてください。)
編集・発行 弁理士 深澤 潔(
http://trademark-kaiketsu.com/brand)
(各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の
商標登録関連を扱っております)
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★このコラムの目的
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商品・サービスに新しい名前をつけるときに気をつけなければいけないことの一
つに他人の商標登録があります。
他人の商品・サービスと同じ又は類似する商品・サービスに、他人の登録商標と
同じ又は類似する商標を使用することは、他人の商標権の侵害になります。
せっかく思い入れをもって名付けても権利侵害するので使えない、というのでは、
今までの努力も水の泡になってしまいます。
一方、苦労して考えたネーミングを商標登録して保護しようとしたときには、
「類似」の前に、商標に「識別力」があるかどうかがまず問われます。
このコラムでは、商標の審判事例を通して、どんな商標が「識別力あり」とな
るのか、また、どういった商標が類似といわれたのか、又は類似といわれなかった
のか、といったことから、ネーミングのツボを明らかにしていきます。
それでは、今週も始めます。
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★今回の事例
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今回取り上げるのは、登録第5021772「ぐっすりスーパーホテル」です。
この商標は、第43類「宿泊施設の提供」を指定役務として出願されました。
ところが、
この商標は、ひらがなである「ぐっすり」とカタカナである「スーパーホテル」
とを結合させたものであり、
「本願商標より「ぐっすり」の称呼をも生ずる」から、
登録4869488号商標「ぐっすり\JAL GOOD SLEEP SERVICE」
、かつ指定役務が、第39類「航空機による輸送等」及び第43類「宿泊施設の提供」
「と引用商標が称呼上類似する」
また、
この商標は、「「ぐっすりと眠ることのできる超一流の優れたホテル」を直感させ
る「ぐっすりスーパーホテル」の文字を書してなるものであるから、これを本願指定
役務に使用しても、取引者・需要者は「誇称表示」といった程度に理解・認識するに
とどまり、単に役務の質を表示するにすぎ」ない、
として、一旦は登録が認められないと判断されてしまいました。
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★判断の分かれ目
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そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判
(不服2006-004545)が提起されました。
では、審判でどんなやりとりがあったかを紹介します。
(1)類似性について
「本願商標は、前記のとおり、「ぐっすりスーパーホテル」の文字を同じ大きさ、
等間隔で外観上まとまりよく一体的に表してなるから、これよりは構成文字全体に
相応して「グッスリスーパーホテル」の称呼を生じ、構成文字全体をもって特定の
意味を有さない造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そして、他に構成中の「ぐっすり」の文字部分のみが独立して認識されるとする特
段の事情は見出せない。」
また、
(2)識別力について
「その構成中「ぐっすり」の文字が「深く眠っているさま。」を意味する語、「ス
ーパー」の文字が「超・・・、上の、より優れた」等を意味する語、「ホテル」の
文字が本願指定役務の普通名称として、いずれも一般に知られているとしても、こ
れらを組み合わせた「ぐっすりスーパーホテル」の文字よりは、直ちに」
「ぐっすりと眠ることのできる超一流の優れたホテル」
という意味合いを思い浮かぶものとはいえない。
また、
「指定役務の分野において、その役務の質を表示するものとして、取引上普通に使用
されているという事実」もない。
として、登録が認められることになりました。
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★事例からわかったネーミングのツボ
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今回の商標は、商標の類似と識別力との両方が問題となりました。
造語でない限り、使用する語句には何らかの意味があります。
今回の商標を構成する文字のうち、
・「ぐっすり」の文字は「深く眠っているさま。」を意味する語、
・「スーパー」の文字は「超・・・、上の、より優れた」等を意味する語
・「ホテル」の文字は、この出願の指定役務の普通名称
として、いずれも一般に知られているものです。
ただし、
「ぐっすりと眠ることのできる超一流の優れたホテル」
をすぐに直感させるかどうかは、微妙なところです。
また、同じ大きさの文字、等間隔な配置で外観上まとまりよく一体的に表されて
いるので、これらを組み合わせたときに、「グッスリスーパーホテル」の称呼を生じ、
構成文字全体をもって特定の意味のない造語になります。
そうなると、「ぐっすり」の文字部分のみがことさら強調されることもありません。
造語であることを強調するためには、全体での一体感をいかに出すか、
がツボになります。
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お役に立ちましたでしたでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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編集・発行 弁理士 深澤 潔(
http://trademark-kaiketsu.com/brand)
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