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<第255回>少子化に負けないユニチャームのマーケティグ術

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     シリーズ「マーケティング活動に威力を発揮するコンピテンシー!」

  <第255回>[(第18話)少子化の逆風に負けないユニチャームのマーケティング術!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「マーケティング
活動に威力を発揮するコンピテンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した
良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経
営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思いま
す。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「少子化の逆風に負けないユニチャームのマーケティング術!」
1.ユニチャームとは!
2.とにかく顧客を観察せよ!
3.全員が30分単位で行動計画!
4.海外現地法人にもユニチャーム流経営を導入!
5.金太郎飴組織で勝っていく!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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紙おむつなどは少子化、成熟市場という逆風下にあります。そんな逆風の中でも
成長を続けているのがユニチャームです。

しかも時代に逆行すると言われそうな金太郎飴の組織を標榜しています。

「成熟市場だとしても、まだ新しい提案の余地はある」と改良商品を提案しヒッ
トを飛ばしているのです。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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一番重要なのは、海外であろうと国内であろうと「思考の統一」です。社員全員
が同じ夢、志、価値観を持って進んでいくこと。

                          高原豪久

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【2】メルマガ本論

[(第18話)少子化の逆風に負けないユニチャームのマーケティング術!]


1.ユニチャームとは!

1961年(昭和36年)の設立で本社は東京都港区三田にあります。

資本金は160億円、社員数1,000人でベビーケア関連に強い会社ですが生理用品の
シェアも42%と強さを発揮しています。そのほかにヘルスケア、化粧品、ハウ
スホールド関連の商品も扱っています。

経営理念は「企業の成長発展、社員の幸福、および社会的責任の達成を一元化す
る正しい企業経営の推進に努める」です。


2.とにかく顧客を観察せよ!

「あら、もう売り切れたのですか」。とあるホームセンターで若い母親ががっか
りした様子でした。

母親のお目当ては「ムーニーマン汗スッキリ」という紙おむつでした。通常の紙
おむつよりも30%も高い1枚38円もします。小売店で売り切れ続出のヒット
商品になりました。

人気の決め手は「汗対策」です。赤ちゃんは紙おむつをすれば汗をかきますが、
汗対策を施した紙おむつはありませんでした。

自由闊達な雰囲気の中でアイディアが次々生まれるかといえばむしろ逆、その秘
密はみんなが「行動ノルマ」に忠実に地道な活動を積み重ねているからこそのア
イディアなのです。

ユニチャームが他社と違うのは顧客を徹底して見続けることです。多くの企業で
は目の前の仕事に忙殺されて顧客を観察することに思うように時間が割けないで
いるのです。しかし、ユニチャームではあらかじめ担当者が行動計画に組み込ん
でしまうため確実に顧客観察時間が取れるのです。

独創的なアイディアよりもどれだけ顧客観察に時間を割くかという行動ノルマが
課せられるのです。

開発担当者がオムツを交換している赤ちゃんを観察していると腰に汗もができて
いることに気付きました。そこから汗を吸い取る紙おむつを思いついたというわ
けです。

全社を挙げて「顧客志向力」なるコンピテンシーを磨いているのです。


3.全員が30分単位で行動計画!

例えば開発担当者は毎週金曜日、一週間単位で何をすべきかを決められたシート
に書き連ねていきます。先週の反省点、課題、毎日の具体的な行動という具合に
です。

しかも一週間の行動を30分単位で組むというから驚きます。さらにこのやり方
はユニチャーム全社で実施しているのです。

Schedule(思考して行動を計画する)→Action(実行する)→Performance(効果
を測定し課題を抽出)→Schedule(反省して次週の計画に反映する)

これを「SAPS経営」と名づけています。「SAPS経営」のサイクルは基本
的には一週間、しかも反省を踏まえてスパイラルアップしている点がすばらしい
のです。

毎週月曜日の朝に行われる社長参加の会議が原点になります。社長の考えや各担
当の前週までの進捗状況が発表され、海外の現地法人もテレビ中継で参加します。

ここでの会議を皮切りに部門ごとに会議を実施し、末端まで浸透されていくので
す。


4.海外現地法人にもユニチャーム流経営を導入!

海外現地法人はテレビで会議に参画するだけではありません。全く同様に同様の
スタイルで「SAPS経営」を実践しているのです。

現地法人は、現地人幹部にはもちろん、末端まで浸透させているから恐れ入りま
す。民族が異なれば文化も価値観も異なるわけですが、ユニチャームとしての価
値観は見事に統一されているのです。

海外のみならず取引先にまで「SAPS経営」を導入してその輪を広げています。

価値観を共有できる取引先だからこそユニチャームとともに成長発展していける
と考えているからでしょう。


5.金太郎飴組織で勝っていく!

高原豪久社長は二代目、45歳の若さです。大学卒業後三和銀行を経て1991年に
ユニチャームに入社しました。

「私は個性は尊重すべきだとは思いますが、価値観が極端に合わない人はその組
織にはいないほうがいいだろうと思います」とはっきりと言い切っています。

どこを切っても同じ絵柄が出てくる金太郎飴のような組織を目指しているからで
す。

多様性を生かす時代ではありますが、価値観の溝が埋まらない人であれば組織の
中で協調性を発揮できないでしょう。

トップも社員も「共通の価値観」と「同一の危機感」を持って仕事をするから少
子化の逆風をものともしない強い会社になれるということです。

(今回の参考資料:日経ビジネス2007年4月9日号、他)



【3】今日のまとめ

1.顧客をしっかり観察することがマーケティングの出発点であること。

2.30分刻みで行動計画を立て、確実に実行し、効果測定と反省を次週に生か
  すことで集中力と緊張感が持続されること。

3.「SAPS経営」を末端まで浸透させることで上から下まで意思統一が図ら
  れ、価値観が共有さけていること。

4.現地法人、取引先にもSAPS経営を浸透させ、価値観を共有することで強
  い金太郎飴組織のネットワークを構築していること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

【4】編集後記

成果の公式は「保有能力×行動力×合致計数=成果」です。

組織活動は社員の保有能力と行動力でその強さが決まります。しかし、成果は行
動の「合致計数」が高くなければなりません。

理念、ビジョン、経営計画、方針などに行動のベクトルが整合していなければ成
果はマイナスになることだってあり得るからです。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回に続く


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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