相談の広場

このエントリーをはてなブックマークに追加

企業法務

企業法務について、みんなに相談したり、分かるときは教えてあげたりと、相互協力のフォーラムです!

総務の森イチオシ記事が満載: 経営ノウハウの泉(人事労務~働き方対策まで)

会計に限定した監査役の責任範囲

著者 houm さん

最終更新日:2009年04月28日 14:51

いつもお世話になります、お伺いします。

弊社は取締役会設置会計に限定した監査役の機関設計です。
監査役報酬を決定するにあたり、会計に限定した監査役の権限と責任の範囲を
確認しています。


権限・責任の範囲は以下の通りです。



役員等の株式会社に対する損害賠償責任

第四百二十三条  取締役会計参与監査役執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

権限(会計に関するものに限定)
①事業報告請求権
②業務財産調査権
③子会社調査権
株主総会提出書類の調査・意見報告義務 


その他、漏れている箇所がございましたらご指摘願います。
以上宜しく御願いします。

スポンサーリンク

Re: 会計に限定した監査役の責任範囲

著者傳右衛門さん

2009年04月29日 21:29

どなたも回答されないようなのでとりあえず。


御社では既に監査役の監査範囲を会計監査に限定しているということですから、その成り立ちについては説明する必要がないでしょう。

ご質問の趣旨がもうひとつわかりにくいのですが、会社法第423条に言及しているということは、監査役等の役員が法令や定款の定めに違反した場合の責任を確認しているのでしょうか。
その責任は裁判を通して追及することになりますが、当該行為には故意または過失が必要となります。蛇足ながらその証明は責任を追及する方(会社)が行うことになります。

さて、監査の範囲を会計監査に限定した監査役は、まさに計算書類とその付属書類の監査だけに限定されるので、お書きになっている第423条の①事業報告に対する監査はできません。
ゆえに、この部分については任務懈怠は生じません。(この部分について監査依頼をした場合は、その依頼をしたほうが間違いということですね)

さらに、②業務・財産調査権も「業務」の調査は業務範囲ではありませんし、財産調査権はセーフのような感じがしますが、実は会社法施行規則第108条には規定されていないので、この監査役の業務範囲ではありません。

当然③の株主総会提出書類とは計算書類とその付属書類に限定されます。

要するに、ご質問の「権限と責任」は会社法第389条、会社法施行規則第108条に規定されているものであり、その責任を全うしなかった場合(会社法第976条第7号)は100万円以下の過料の処罰を得る可能性があります。

以上あくまでもご参考まで。

Re: 会計に限定した監査役の責任範囲

著者houmさん

2009年04月30日 14:42

傳右衛門様

ご回答ありがとうございました。

実質監査報告書の作成のみを行っていただいている監査役報酬の金額を決定するにあたり、質問に至りました。
趣旨としましては、監査報告書の作成以外に法令上求められる責任範囲・権限を金額決定に反映させようとしております。

前回私が記載した情報は自分で調べたものなのですが、傳右衛門様よりいただいたご回答を元に再度法令をよく読みましたら、傳右衛門様のご意見が正しいようです。大変助かりました、ありがとうございました。

すみません、追加で疑問が生じてまいりましたので、ご意見いただけるようでしたら、下記の点もご意見願います。

389条3の会計に関する「会計に関する議案その他の法務省令で定めるものの調査、株主総会への報告」ですが、
今まで調査も報告も行った実績がありません。384条は、会計に限定する監査に関しては除外されますが、下線の通り、
「違反、不当な事項がある場合には報告」とのただし書きがあります。

384条  監査役は、取締役株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない

が、
389条3については、但し書きがございませんので、定められる事項については全て株主総会への報告が必要という理解でよろしいでしょうか。

389条3 前項の監査役は、取締役株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。


以上、お手数ですが御願い申し上げます。

Re: 会計に限定した監査役の責任範囲

著者傳右衛門さん

2009年04月30日 21:11

少しでもお役に立てたのであれば大変うれしく思います。
私は実務担当者ですので間違いも多々あると思いますので、あくまでもご参考としてお読みください。

さて、houm様のお会社では監査役から監査報告書の提出を得ていないのでしょうか。

会社法384条の規定というのは、監査役株主総会に対する報告義務を定めているものです。

これは具体的にどのようなアクションなのかといいますと、監査役取締役からの監査依頼に基づき監査を行った結果を監査報告書にまとめて取締役に報告し、会社はこの監査報告書を株主総会招集通知添付書類として株主総会に報告するということになります。

そして、株主総会の実開催の場では、監査役がこの監査報告書に基づき監査の報告を行っているわけです。
会社はこれをやらなければなりません。

そして、本件の監査役会計監査のみを権限としていますから、その権限の事項について監査をして監査報告書を作成し、そして株主総会で報告するということです。
これが今回のご質問への私の答えです。


ちなみに、会計権限だけの監査役の監査報告の例は次のとおりです。(日本監査役協会雛形に基づく・・一部変形)

『私監査役は、平成20年4月1日から平成21年3月31日までの第10期事業年度に係る計算書類及びその附属明細書を監査いたしました。その方法及び結果につき以下のとおり報告いたします。
 なお、当会社の監査役は、定款第16条に定めるところにより、監査の範囲が会計に関するものに限定されているため、事業報告を監査する権限を有しておりません。

監査の方法及びその内容
 私は、取締役等から会計に関する職務の執行状況を聴取し、会計に関する重要な決裁書類等を閲覧いたしました。また、会計帳簿又はこれに関する資料を調査し、当該事業年度に係る計算書類貸借対照表損益計算書株主資本等変動計算書及び個別注記表及びその附属明細書について検討いたしました。

監査の結果
 計算書類及びその附属明細書は、会社の財産及び損益の状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認めます。


追記情報(記載すべき事項がある場合)

(**注)
次に掲げる事項その他の事項のうち、監査役の判断に関して説明を付す必要がある事項又は計算書類及びその附属明細書の内容のうち強調する必要がある事項については、追記情報として記載する(会社計算規則第122条第1項第4号及び第2項)。
・ 正当な理由による会計方針の変更
・ 重要な偶発事象
・ 重要な後発事象

Re: 会計に限定した監査役の責任範囲

著者houmさん

2009年05月01日 11:39

傳右衛門様

早速のご回答ありがとうございました。
他に相談できる方がおりませんので、大変助かっております。

いろいろと混乱しておりまして、
私の質問がわかりにくかったかと思います、すみませんでした。
本日改めていただいた情報を読み返して、頭の中を整理してみました。

弊社の監査実施状況は以下の通りです。
会社法施行規則108条1に定められる計算関係書類に関する調査報告=監査報告書を作成、株主総会に報告 /実行済み
②その他会社法施行規則108条2に定められる会計に関する調査=監査報告書を作成、株主総会に報告 / 実行していない

よって、②が実行できていない部分であり、これから実行が必要という事かと思います。

どうもありがとうございました。

1~5
(5件中)

    スポンサーリンク

    経営ノウハウの泉より最新記事

    スポンサーリンク

    労働実務事例集

    労働新聞社 監修提供

    法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

    注目のコラム

    注目の相談スレッド

    PAGE TOP