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起業を成功させる!起業時や起業直後に利用できる補助金・助成金を一覧で紹介します

起業を成功させる!起業時や起業直後に利用できる補助金・助成金を一覧で紹介します

2022.04.18

起業するためには、事業のアイデアはもちろんのこと資金が必要になります。自己資金に加え、金融機関によっては“創業融資”という形で制度を設けている場合があり、活用を検討するケースもあるでしょう。

そのような時におすすめしたいのが補助金や助成金の活用を検討することです。国や自治体の制度で、取り組みに対する一定の資金を補助、または助成するというものです。うまく活用できれば、起業後に事業を軌道に乗せる手助けとなるでしょう。

今回は、起業時または起業直後に活用できる補助金や助成金を紹介します。起業を検討している方はもちろん、関連会社の設立を検討している方もぜひご覧ください。

補助金・助成金は大きく分けて3つ

補助金や助成金は、大きく分けると以下のような種類があります。

・経済産業省が管轄する補助金
・厚生労働省が管轄する助成金
・各自治体が管轄する補助金や助成金

経済産業省が管轄する補助金は、“販売促進や設備投資等に要する費用について一定額を補助する”もので、事業計画書を作成し承認を受ける必要があります。一方、厚生労働省が管轄する助成金は、“従業員に対する処遇改善を計画し、実際に実行した事業所に対して一定額を助成する”ものになります。その他、各自治体独自が起業を予定している対象者に補助や助成をする制度もあります。

「起業のため」の助成金事業は、自治体が独自に実施

後ほど詳しくご紹介しますが、補助金や助成金は、”起業のため”というよりは”起業後”の取り組みに対して受給できるものです。つまり、申請をするためにすでに登記等をしていることが前提になります。

一方、自治体によっては”起業を予定している方”に対して、事業に関連する費用を補助、助成する制度を設けている場合があります。

ここでは、そのような制度の一つとして東京都が実施している『創業助成金(東京都中小企業振興公社)』を紹介します。

公募要領には、「都内開業率の向上を目標に掲げ、東京都における創業のモデルケースになりうる都内で創業予定の個人又は創業から間もない中小企業者等に対し必要な経費の一部を助成する」とあります。”創業予定の個人”も対象となっており、創業するために要する費用について助成を受けることができます。

助成限度額は上限300万円、対象経費は以下のとおり設定されています。

・賃借料
・広告費
・器具備品購入費
・産業財産権出願・導入費
・専門家指導費
・従業員人件費

2022年度第1回目の申請期間は、2022年4月11日(月)~2022年4月20日(水)となっており、比較的申請期間が短いことに注意が必要です。申請を計画する場合は、事前準備で数ヵ月必要になりますので余裕を持った準備が必要です。

ここでは、東京都の助成金事業を紹介しましたが、創業に対する助成金事業を行っているかは自治体によりけりです。「創業助成金 〇〇市」というように検索して、ぜひ確認してみてください。

【こちらの記事も】いざというときのために知っておきたい「資金調達方法」4つ

起業後に活用できる補助金は?

前述の通り、経済産業省が管轄する補助金は、事業者の事業活動に要する費用について一定額を補助する制度です。そのため、起業時の補助ではなく、起業後に取り組んでいく何らかの目的のためのものになります。

受給するためには“事業計画書”を作成する必要があり、審査を経て承認されなければ補助を受けられません。また、事業を実施した後に補助金をもらうため、事前に資金が必要になることも考慮に入れておきましょう。

一方で、補助金によっては1,000万円を超える規模のものもあり、承認を受けることができれば、創業直後に事業を軌道に乗せるために大きく寄与することになるでしょう。

【こちらの記事も】経験と勘じゃダメ?事業計画に必要な市場調査のやり方と手順【事業計画書の書き方】(公開前)

それでは、以下に各種補助金の概要とポイントをみていきます。

大胆な事業構築を目指したいときに活用する「事業再構築補助金」

事業再構築補助金』は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、中小企業等の事業再構築を支援するための補助金です。具体的には、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編という思い切った事業再構築を目指す中小企業を支援するものです。

補助金額の上限が大きい補助金となっており、例えば通常枠の場合で最大8,000万円(※従業員数101人以上)という設定になっています。

執筆時点においては、第6回目の公募期間が発表されています。

・公募開始:2022年3月28日(月)
・申請受付:2022年5月下旬~6月上旬予定
・応募締切:2022年6月30日(木)18:00

本補助金はコロナの影響を受けた事業者が対象となっており、以下のような要件があることに注意が必要です。

”2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヵ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3ヵ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること”
または、”2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヵ月の合計付加価値額が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3ヵ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること”となっており、コロナ以前から事業を展開していたことが必要になるということです。

一方で、公募要領には”コロナ以前(2020年3月31日以前)から創業を計画等しており、2020年4月1日から2020年12月までに創業した場合は、特例的に支援の対象となります”と記載があり、この期間に創業した事業者は対象となります。

ほかの申請要件も満たした上で、大胆な事業再構築を目指したいという場合は申請を検討してみるとよいでしょう。

【もっと詳しく】社労士が教える!「事業再構築補助金」申請書づくりのコツ・書き方のポイント

革新的サービスや試作品開発等を支援する「ものづくり補助金」

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)』は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたって行われる制度変更に対応するために、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものとされています。

取り組む事業内容により、”一般型”、”グローバル展開型”、”ビジネスモデル構築型”という種類に分かれています。例えば、”一般型”の通常枠では補助金額が750~1,250万円(※従業員規模により補助上限の金額が異なる)となっています。

執筆時点(22年4月)においては、以下の公募期間が発表されています。

<一般型・グローバル展開型>
・公募開始:2022年2月16日(水)
・申請受付:2022年3月15日(火)(※デジタル枠のみ3月29日(火))
・応募締切:2022年5月11日(水)17:00

<ビジネスモデル構築型>
・公募開始:2022年3月30日(水)
・申請受付:2022年4月22日(金)
・公募締切:2022年5月31日(火)

公募要領には、”応募申請時点で補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有していること”と記載があり、すでに事業を開始している必要があります。一方で、申請の要件として決算書の提出が求められますが、”設立後間もないこと等により決算書の提出ができない事業者は、設立事業計画書等を提出する”という記載があり、起業直後でも相応の事業計画を有していれば、申請をすることが可能となっています。

【もっと詳しく】補助率や対象の拡大も!? 中小企業の強い味方「ものづくり補助金」を詳しく解説

ITツール導入により生産性の向上を目指す「IT導入補助金」

IT導入補助金』は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたって行われる制度変更に対応するために、生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア・サービス等)を導入するための事業費等の経費の一部を補助等することにより、生産性の向上を図ることが目的とされています。

”通常枠”と”デジタル化基盤導入枠”があり、例えば”通常枠であれば最大450万円が補助されます。ソフトウェア購入費、ハードウェア購入費に加え、クラウド利用料等も対象の経費となります。

執筆時点(22年4月)においては、以下の公募期間が発表されています。

<通常枠>
・交付申請開始:2022年3月31日(木)
・1次締切日:2022年5月16日(月)1::00(予定)
・2次締切日:2022年6月13日(月)17:00(予定)

<デジタル化基盤導入枠>
・交付申請開始:2022年3月31日(木)
・1次締切日:2022年4月20日(水)17:00(予定)
・2次締切日:2022年5月16日(月)17:00(予定)
・3次締切日:2022年5月30日(月)17:00(予定)
・4次締切日:2022年6月13日(月)17:00(予定)

公募要領には、”交付申請時点において、日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む法人又は日本国内で事業を営む個人であること”と記載があり、すでに事業を開始している必要があります。 また、法人の場合”直近分の法人税の納税証明書の提出が必須となっており、起業後1決算期間を終えている必要があることに留意が必要です。

【もっと詳しく】生産性向上や業務効率化を実現!ITツールを導入するなら活用したい「IT導入補助金」とは【基本編】

販路開拓や業務効率化への取り組みには「小規模事業者持続化補助金」

小規模事業者持続化補助金』は、小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることが目的とされています。

”通常枠”、”賃金引上げ枠”、”後継者支援枠”等、複数の種別があり、例えば”通常枠”では50万円、”後継者支援枠”では200万円が上限に設定されています。

上記で紹介した補助金と比較すると、補助上限額は小規模であるものの数ヵ月ごと申請受付が設定されており、申請できるタイミングが多くあります。

執筆時点(22年4月)においては、以下の公募期間が発表されています。

・第8回申請受付締切:2022年6月3日(金)
・第9回申請受付締切:2022年9月中旬
・第10回申請受付締切:2022年12月上旬
・第11回申請受付締切:2023年2月上旬

公募要領には、”申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)”となっており、すでに事業を開始している事業者が対象となります。

一方で、直近期の決算書の提出は求められないため(※業績が赤字の事業者に対する要件等、一部例外あり)、起業直後でも申請することが可能です。起業直後に課題となり得る販路開拓や業務効率化への取り組みが対象になるため、多くの事業者が活用できるものになるでしょう。

【もっと詳しく】「小規模事業者持続化補助金(一般型)」とは?対象・支給金額・申請方法を整理【社労士解説】

従業員を雇用する場合は「キャリアアップ助成金」も活用できる

厚生労働省が管轄する助成金は様々な種類がありますが、起業後に活用を検討しやすいという点で推奨できるのが『キャリアアップ助成金』です。この『キャリアアップ助成金』の中に”正社員化コース”として、有期雇用労働者等を正社員に転換または直接雇用した場合に助成金を受給できる制度があります。

例えば、創業時には事業展開が不透明でパートとして雇用契約していた従業員を、創業後軌道に乗ってきた段階で正社員に転換するというようなケースが考えられるでしょう。

”正社員化コース”では以下のように支給額が設定されています。

・有期→正規:1人当たり57万円(生産性の向上が認められる場合72万円)
・無期→正規:1人当たり28万5,000円(同36万円)

助成金は、補助金とは異なり必要となる要件をクリアし、定められた取り組みを実施することで受給することが可能になります。

起業後に活用できそうなものがあれば、積極的に検討をするとよいでしょう。

 

今回は起業時または起業直後に活用できる補助金や助成金を紹介しました。

起業時、起業直後には特に資金が必要になるものです。補助金や助成金を申請するという選択肢があることを、ぜひ視野に入れてみてください。

【こちらの記事も】キャリアアップ助成金との違いは?3分でわかる「人材開発支援助成金」 【申請に必要な情報まとめ】

*アン・デオール、MediaFOTO、mits / PIXTA(ピクスタ)