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ハラスメント

パワハラ、モラハラ…経営者が注意したい「職場のハラスメント」要因別事例と防止対策

2021年4月に厚生労働省より『職場のハラスメントに関する実態調査』の報告書を公表されました。今回の調査は、前回の2016年度から、4年経過した2020年10月に実施されました。

調査結果によると4年前に比べ、セクシャルハラスメントのみ“件数は減少している”という割合が高かったものの、パワーハラスメント、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為については“件数は変わらない”という結果になりました*。

2022年4月に法改正される男性育休にも関連して、過去5年間に育児に関わる制度を利用しようとした男性労働者の中で、育児休業等ハラスメントを受けたと回答した者の割合は、26.2%になりました。

新型コロナウイルスにより、人材不足に悩んでいる経営者の方もたくさんいるのではないのではないでしょうか? ハラスメントが発生してしまうと、被害者・加害者の片方もしくは両名ともに退職してしまう状況になりかねません。会社としてはハラスメントを未然に防ぎ、働き続けたい・従業員満足度の高い組織づくりを目指したいものです。

そこで、今回は職場で起こりがちなハラスメント事例と、未然に防ぐための対策についてまとめました。

* 過去3年間に受けた各ハラスメントに関する相談のうち、ハラスメントに該当すると判断した事例の件数の傾向。「件数の増減は分からない」「該当すると判断した事例はない」を除く。

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コミュニケーション不足によるハラスメント

ハラスメントが発生している現場での一番の問題点としてあげられるのが“コミュニケーション不足”です。一概にコミュニケーション不足といっても原因は複合的にあるうえ、一方からの歩み寄りで解決するものでもありません。

コミュニケーション不足が原因のハラスメントには下記のようなものがあります。

・指示を出す際に、あえて言葉で伝えなくてもわかっているだろうと思いこんだ結果、成果物が伴わず叱責する
・叱責や注意をする際に、その背景にある期待などの意図を伝えていない

コミュニケーション不足により、信頼関係が築かれていないことも課題です。雑談の中から信頼関係が生まれることもありますし、会議の場ではなかなか自身の意見を発することのできない従業員もいます。そもそもコミュニケーションをとれる方法を話し合う場を作ることも大事です。

経営者としては、直属の上司との1on1ミーティングや、会議以外の意見交換会などで、人となりを知ることができるコミュニケーションの場をつくることが、ハラスメントを未然に防ぐことにもなります。コミュニケーションは相手がどう感じたか、相手の様子を注意深く観察しながら、相手に合わせて変えていくことが必要です。

また、評価者となる直属の上司には、本音や不満を伝えにくいという側面がありますので、利害関係の少ない相手に相談をできる機会を設けるのも1つの対策になります。

【こちらの記事も】そのやり方、パワハラかも!? パワハラの定義・具体例・対策

個人の価値観や意識の違いによるハラスメント

自分の価値観・軸を持つことは仕事をするうえで大事です。ですが、人それぞれの異なる価値観を認めることも、異なる背景をもつ社員が働く場所では必要になってきます。

価値観の違いによる発生しがちなハラスメントとしては、下記があげられます。

・職場における役割を男女などによって区別している(女性がお茶出しや会議室の準備をするものだ等)
・自身が若い頃に受けた厳しい指導方法で部下を指導している
・男性の育児休業の申請を認めない

上司が強く自身の価値観を部下に伝えると、反論できない部下がほとんどです。経営者の方は、社内の価値観や意識の違いによるすれ違いを減らすため、社員に部下の意見や考えを聞いてみるように促しましょう。さまざまな価値観すべてに寄り添うのは難しいかもしれませんが、特に業務上で必要になってくる仕事の進め方や業務で部下に求める役割については共通の認識を持っていることをしっかり確認させるようにしましょう。

また、40~50代の管理職世代は厳しい指導を受けていた方も多くいるとは思います。時代が変わった今、同じ方法は適さないということは分かっているものの、どうやって指導をするべきかが分からないという方もいるようです。そのような場合、経営者としては、部下を持つ社員を対象に、コーチングセミナーを受けさせ、効果的で伝わりやすい指導方法を学ばせることも考えられます。さらに、怒りの感情と上手に付き合うためのアンガーマネジメントを取り入れることで、怒りのみの伝達ではなく、伝えたい・伝えるべき事項が相手に伝わるようになるでしょう。

【もっと詳しく】「パワハラ」と言われないための注意指導トラブルを防止する4つのコツ

男性の育児休業は2022年にも法改正がありますが、男性の育児休業取得率は12.65%と女性の取得率81.6%と比べて非常に低いです。男性が育児休業を取得するという意識がまだまだ浸透せず、育休を取った男性に対して裏切られ感や反発が生まれ、パタハラ(パタニティーハラスメント)につながるケースもあります。

意識改革のためには、まずトップからのメッセージや企業として人員補充を促すなどの不安を払拭しましょう。

【もっと詳しく】改正育休法で「男性の育休制度」はどう変わる?全企業に課せられた新たな義務とは

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組織風土が原因のハラスメント

トップダウンの構造がはっきりとして、組織全体統率がとれている状態は、必ずしも悪ではありませんが、委縮してしまう従業員も出てきてしまいます。

組織風土の問題がハラスメントにつながる例としては、下記のようなことがあります。

・残業が多く、業務が早く終わっても帰りにくい雰囲気があり、残業時間の少ないことで人事査定が低くなる
・本社から独立した支店で、支店長が業務決定権を独断的に握っていて、毎日会議等で特定の人物に対して叱責がある
・会議室などの閉鎖された空間の中で、指導という名目で嫌がらせ行為が行われる
・妊娠をしたら退職をするよう促される

ハラスメントの相談窓口を設置している企業もありますが、加えて内部通報制度としての窓口を設置することで、ハラスメントを未然に防ぐような意見の収集も可能です。

その場合できれば匿名での通報も可能にするような方法もあると、より悩んでいる従業員は意見を挙げやすいです。

【もっと詳しく】脱パワハラ!職場におけるハラスメント対策とは

取引先や顧客からによるハラスメント

職種にもよりますが、顧客からの過剰なクレームを受けたり、暴力を受けたりすることもあります。また取引先から暴言や暴力、威圧的な対応を受けるなどと行った、社外から受けるハラスメントをカスタマーハラスメントといいます。

このような場合は自社の社員を守るため、相談を聴いた上で、その担当者に一人で対応させず管理職を同席させることや、担当から外してあげるなどの措置を検討すべきと考えられます。予防は難しいですが、悪質なカスタマーハラスメント事例を社内で情報共有し、従業員にクレームや要求が正当なものか悪質なものかの判断基準も持たせることで、実際に起こった場合の早期発見につながるでしょう。

また、注意しなければならない点として、自社の社員が加害者となることも想定しておくべきです。取引先への対応で過剰な要求や威圧的な態度を取っていないかなど、社外の人間に対しての態度は企業イメージにもつながってきます。加害者にならないためにも、先ほど紹介した事例の共有により判断基準も持たせることは効果的です。

リモートワークでのハラスメント

最近ではコロナ禍によって普及したリモートワークでの、新しい形のハラスメントが発生しています。

リモートによるハラスメントでは、下記のような事例があります。

・チャット上で業務外のプライベート空間に言及したり、私生活についても口出しをする
・業務時間外の電話対応を要求する
・リモート会議で背景利用を禁止して部屋の様子を見せるように指示される
・業務とは関係ないSNSのアカウントを聞き出そうとする

リモートで働くことはまだまだ非日常感があり、相手との距離感を見失ってしまっている場合もあります。また社内で同じ空間で働いていた時と違い、目が届かないことによる不安から過剰な指示や干渉が増えてしまう管理職もいます。

まずは基本的な対策として、トップからのハラスメントを行ってはならないという大原則を周知・徹底しましょう。その上で具体的なハラスメント事例を紹介したり、自分の行動がハラスメントに該当しないかの意識付けを行います。また定期的なアンケートを収集し、実態把握をすることも大事です。

急速に働き方が変わったことでリモートワークに伴う、ハラスメント対策が間に合わなかった企業もあると思います。従業員のモラルだけに頼ることなく、個々のメンタルヘルス状態に気を配り、ハラスメント研修や一人一人とのコミュニケーションを取りながら予防対策を講じましょう。

ワークライフバランスを考え仕事と生活の調和を大事にすることで生産性もあがり、働き続けたい職場作りができるのではないでしょうか。

【もっと詳しく】一層の配慮が必要。テレワークの浸透で感じた心の変化と経営者が考えるべきこと

 

ハラスメントが発生する職場で、社員は安心して働けません。また、一般的に心理的安全性が高い職場ほど作業効率が向上し、組織内の人間関係が深まるといわれています。

心理的安全性とは、他人の反応に怖がったり、恥ずかしいと感じたりすることなく、自然体の自分をオープンにできるような穏やかな雰囲気のある環境のことです。ハラスメントが発生している現場を目撃してしまうと、直接的な被害者ではない他の社員の心理的安全性も損なわれてしまうことがある点も忘れないようにしましょう。

社員がいるからこそ会社は成長します。いざハラスメントが発生してからの対応になると、意見聴取・調査・処分決定・事後フォロー等と、多大な時間と費用も発生するでしょう。なにより被害者のメンタルヘルスの深刻な被害状況は計り知れません。

一番大事な人材を守るために、この機会にぜひハラスメント予防について考えてみてください。

【こちらの記事も】パワハラの事例集はこちら!定義・具体例・対策も

【参考】
職場のハラスメントに関する実態調査について』 / 厚生労働省
令和2年度雇用均等基本調査』 / 厚生労働省

* kouta、mits、株式会社キタデザ(北村笑店)、天空のジュピター / PIXTA(ピクスタ)

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