労働実務事例
[ 質問 ]
先日、会社の法定休日に出勤した社員がいます。36協定で休日労働の始業および終業の時刻を9時から18時までと規定しているのですが、当日は予定より1時間長引いて19時まで勤務したようです。この場合、休日出勤のほかに時間外の分も合わせて60%の割増が必要になるのでしょうか。
千葉・J社
[ お答え ]
36協定は書面によって行わなければならず、その協定の内容は労基法施行規則第16条に定める事項を具体的に規定していなければなりません。すなわち、①時間外または休日労働をさせる具体的事由、②業務の種類、③労働者の数、④1日および1日を超える一定の期間について延長することができる時間または労働させることができる休日、などについて規定する必要があります。
休日労働については、労基法第35条の規定による休日のうち労働させることができる日につき協定しなければなりませんが、一定期間について労働させることができる日数を協定しても差し支えありません。
たとえば、法定休日の出勤は月に1回などと回数を規定するという場合です。割増賃金を支払うべき法定休日とは、労基法第35条の休日を指しますから、それ以外の法定外休日に労働させても割増賃金を支払う義務はありません。
ご質問の会社では、法定休日の勤務時間を午前9時から午後6時と定めているということですが、始業終業の時刻に替えて8時間と協定することも可能です。
1日の限度8時間を超えて労働させた場合、割増率はどのようになるのでしょうか。超過した時間はあくまでも休日労働であって時間外労働にカウントはされません。
法律上、時間外労働に対する割増率は25%以上、休日労働は35%以上となっており、それらが夜10時以降に及んだ場合には深夜労働の割増率25%以上が加算され、それぞれ50%以上、60%以上の割増率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
このように、法定休日には時間外労働が成立せず、36協定で協定した時間外労働時間と休日労働時間は別管理が原則です。
このため、労働時間が深夜に及んだ場合を除いては、労働時間が8時間を超えても35%以上の割増率で計算した割増賃金を支払えばよいのです(平6・5・31基発第331号)。
ただし、過重労働による健康障害を防止するための時間外管理においては、1カ月当たりの時間外労働時間が45時間を超えて、長くなればなるほど業務と健康障害の関連が強まるとされていますが、この場合は休日労働を含めてカウントしますので注意が必要です。
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