労働実務事例
[ 質問 ]
まもなく産前6週を迎える従業員がいますが、本人は引き続き出社する意思が堅いようです。休業は強制だと思うのですが、出社を拒否できますか。産前期間の途中で休業を請求しても、出産手当金はフルに出るのでしょうか。
【大分・G社】
[ お答え ]
産前休業は、産後休業と異なり強制ではありません。労働者の請求によって取得が認められます(労基法第65条)。
出産手当金が支給される「産前産後」とは、出産日以前42日(多胎妊娠は98日)と産後56日を指します。この間、被保険者が出産のため会社を休み、給料の支払いを受けなかった場合、その日ごとに標準報酬月額の過去12カ月平均の30分の1相当額の3分の2が支給されます(健保法第102条)。給料が3分の2未満であれば、差額が支給されます。
産前休業を請求した段階で、すでに出産予定日の6週間前に到達していれば、請求が遅れた分産前までの期間が短くなります。産前42日の内、休業した期間について手当金が支給されます。請求が遅れても出産予定日の6週間前にさかのぼるわけではありません。
いずれにしても、ご質問の場合は、産前42日以内に出勤あるいは年休を取得し、その日の給料が支払われていれば出産手当金は支給されません。
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