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“会社法”等のポイント(100)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第156号/2010/4/15>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(100)」
 3.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 現在開会中の第174通常国会(※)。
様々な法案が審議されていますが、
中でも、「地球温暖化対策基本法案」は、注目の1つですね。
※)http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/17-e09d.html

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

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 2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(100)」
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★本稿では、「平成21年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第11回は、「新設合併新設分割および株式移転」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■新設合併新設分割および株式移転に関する次の記述のうち、
 正しいものはどれか(午前─第34問)。
1.株式会社が組織再編により新たに株式会社を設立する方法として、
  新設合併新設分割および株式移転があるが、
  当該組織再編を行う既存の株式会社が消滅するのは、
  新設合併の場合のみであり、
  新設分割株式移転の場合には、いずれも、
  当該新設分割または株式移転をする株式会社が消滅することはない。
 □正解: ○
 □解説
  「新設合併(2以上の会社がする合併であって、
  合併により消滅する会社の権利義務の全部を
  合併により設立する会社に承継させるもの/会社法2条28号)」の場合は、
  当該新設合併を行う既存の株式会社は、消滅します。
  一方、「新設分割(1又は2以上の株式会社又は合同会社
  その事業に関して有する権利義務の全部又は一部を
  分割により設立する会社に承継させること/同法2条30号)」や
  「株式移転(1又は2以上の株式会社がその発行済株式の全部を
  新たに設立する株式会社に取得させること/同法2条32号)」の場合には、
  いずれも、当該新設分割または株式移転をする株式会社が、
  消滅することはありません。

2.1つの株式会社株式移転を行う場合においては、
  株式移転完全子会社株主に対し、
  当該株主の株式に代わるものとして、
  株式移転設立完全親会社の株式を交付しなければならないが、
  1つの株式会社新設分割を行う場合においては、
  新設分割株式会社に対し、
  承継される事業に関する権利義務に代わるものとして、
  新設分割設立株式会社の株式を交付せずに、現金を交付することができる。
 □正解: ×
 □解説
  前段は、「株式移転計画の記載事項」に関する会社法773条1項5号
  の規定に沿った、正しい記述です。
  しかし、同法763条1項は、
  「1又は2以上の株式会社又は合同会社新設分割をする場合において、
  新設分割により設立する会社(新設分割設立会社)が株式会社であるときは、
  新設分割計画において、一定の事項(1号~12号)を定めなければならない」
  とした上で、6号において、
  「新設分割設立株式会社が、新設分割に際して新設分割会社に対して交付する、
  その事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる
  当該新設分割設立株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、
  株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
  並びに当該新設分割設立株式会社資本金及び準備金の額に関する事項」、
  8号において、「新設分割設立株式会社が、新設分割に際して、
  新設分割会社に対して、その事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる、
  当該新設分割設立株式会社社債等を交付するときは、
  当該社債等についての一定の事項(イ~ハ)」と規定しています。
  よって、後段の「株式を交付せずに、現金を交付することができる」
  とする記述は、誤りです。

3.新設合併新設分割については、
  その登記をした日に、その効力が生ずるが、
  株式移転については、
  株式移転計画に定められた効力発生日に、その効力が生ずる。
 □正解: ×
 □解説
  会社法49条(株式会社は、その本店の所在地において、
  設立の登記をすることによって成立する)の規定は、
  新設合併設立株式会社新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社
  の設立についても、適用されます(同法814条1項)。
  また、同法579条(持分会社は、その本店の所在地において、
  設立の登記をすることによって成立する)の規定は、
  新設合併設立持分会社又は新設分割設立持分会社の設立についても、
  適用されます(同法816条1項)。
  よって、本肢のいずれの場合においても、
  その登記をした日に、その効力が生ずることとなります。

4.新設合併消滅株式会社は、債権者の異議手続を行わなければならないが、
  株式移転完全子会社は、
  株式移転計画新株予約権新株予約権社債に付された新株予約権である場合
  における当該新株予約権社債についての社債権者が、
  異議を述べることができるときを除き、
  債権者の異議手続を行う必要はない。
 □正解: ○
 □解説
  前段は、会社法810条1項1号・2項、
  後段は、同法同条同項3号・2項の規定に、それぞれ沿った記述です。
  なお、株式移転計画新株予約権については、同法773条1項9号イを参照のこと。

5.定款の絶対的記載事項である株式会社の目的、商号等については、
  新設合併契約新設分割契約または株式移転計画で定められ、
  新設合併消滅株式会社新設分割株式会社および株式移転完全子会社は、
  そこで定められた事項を内容とする定款を作成し、
  公証人の認証を受けることにより、効力が生ずる。
 □正解: ×
 □解説
  前段は、会社法753条1項2号・3号、763条1号・2号、773条1項1号・2号
  の各規定に沿った記述です。
  しかし、株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、
  その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならず(同法26条1項)、
  当該定款は、公証人の認証を受けなければ、
  その効力を生じません(同法30条1項)が、
  同法814条1項は、公証人の認証に関する規定は、
  新設合併設立株式会社新設分割設立株式会社又は株式移転設立完全親会社
  の設立については、適用しない旨を定めています。
  よって、後段の「公証人の認証を受けることにより、効力が生ずる」
  とする部分が、誤りです。

★次号では、「株式会社がする会社分割登記」について、ご紹介する予定です。

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 3.編集後記
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★春の宮崎は、「フラワーフェスタ(※1)」や「宮崎国際音楽祭(※2)」など、
 花と音楽に彩られています・・・。是非、足を伸ばしてみてくださいね。
 ※1)http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/2010-e7b5.html
 ※2)http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-731c.html
■本号は、いかがでしたか?
 次号の発行は、2010/5/14(金)を予定しております。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □当事務所へのご連絡は、
  上記Webサイト・トップページのメールリンクをご利用ください。
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