◆◆
コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆
<第237回>できる人の
コンピテンシーをベンチマークする!
==■「エキナカPJを成功に導いた鎌田由美子氏のリーダーシップ力!」■==
===================================
人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、
成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「できる人の
コンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者
・社員の皆様、そして求職中の
離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みい
ただきたいと思います。
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<今回のメニュー>
=================================
【1】今までにないものを創るには若手にやらせるのが一番!
【2】鶴の一声でOKを出した大塚社長(当時)の決断!
【3】メンバーをその気にさせた“ぶれない”鉄の女!
【4】編集後記
=================================
東京駅に五つ目のエキュートがオープンした。エキュートとはどんな意味があるのだろう
か。Eki Center Universal Together Enjoyの頭文字をとり、「ECUTE(エキュート)
」というわけだ。駅の改札の中に設けた商業施設のことであり、改札の外は「駅ビル」と
称する商業施設である。
駅には立ち食いそばやキヨスクという売店がある程度で、時にはワゴン車でネクタイやア
クセサリーを売っていることもあったが総合的な商業施設など皆無だった。
JRは元はといえば国鉄。駅はお客が通過するものと決めて掛かっていた。できるだけ早
く、安全に改札を出てほしいのである。改札の中に一大商業施設を作ることなど
役員たち
には思いもよらないことだった。
品川駅で毎日65万人、大宮駅で48万人が乗降する。この乗客を取り込めば旅客運賃収
入以外に莫大な収入が得られる。当時の新井良亮
取締役(現JR東日本副社長)は今まで
にない全く新しい商業施設を思い描いた。そして文系一期生で百貨店にも
出向して流通を
勉強してきた鎌田由美子氏をリーダーに抜擢したが親方日の丸の巨大企業の壁は厚かった。
そこで、今回はエキナカPJを率いて大宮エキュートを成功に導いた“ぶれない”リーダ
ー、鎌田由美子氏の「リーダーシップ力」に迫ってみる。
【1】今までにないものを創るには若手にやらせるのが一番!
新井
取締役は乗降客が通過する場所を人が集まる場所に変えたいと考えた。今までにない
全く新しい商業施設を創ろうというわけだ。それには若手にやらせるのが一番だ。新井取
締役は文系一期生の鎌田由美子氏に白羽の矢を立てた。流通に強いだけでなくリーダーシ
ップ力も備えた切れる人材であることに気付いていたのである。
彼女は半分は「怖いもの知らず」で引き受けた。新井
取締役は「エキナカPJ」をスター
トさせようと彼女に持ち掛けた。彼女は「エキナカっですか、それ、いいですね」。新井
取締役は「今は何でも省略して縮めて言うのが流行っているんだろ」とにこやかに言った。
そこで彼女は「子会社に働きかけてPJメンバーを公募したい」と提案した。子会社との
一体感も期待できると考えての提案だ。新井
取締役は「いいじゃないか。やりたまえ」と
すぐさまOKを出した。96人も応募してきた中から10人を厳選した。そして2003年9
月、新会社(JR東日本ステーションリテーリング)を設立し、彼女は
取締役営業部長に
就任したのである。
彼女は早速駅の常識を変える魅力的な商業施設を企画し、新井
取締役と共に
役員会に提案
した。「ターゲットの顧客が女性だと。駅は老若男女が通るんだよ。何を考えているん
だ」。「こんな商業施設を創ってもし失敗したらあんた、責任取れるの?」など
役員連中
からは辛らつな意見が次々出された。意気消沈しそうな彼女の隣で新井
取締役は「今まで
にない、全く新しいものを創るんじゃなかったのか」と
役員たちに反論した。
【2】鶴の一声でOKを出した大塚社長(当時)の決断!
黙って聞いていた大塚社長が切り出した。「面白いじゃないですか。ここまで言うんだか
らやらせて見ましょうよ。ダメだったらそのときどうするか考えればいい」と。正に社長
の鶴の一声だった。辛らつな意見を吐いた
役員たちは「社長がそうおっしゃるなら・・」
と黙った。
大塚社長は当時を振り返り「自分が考えていた内容を大きく超えた提案だったのでびっく
りした。でも彼女のプレゼンには熱意、情熱があった。きっとやってくれると思った」と
言っている。
ターゲットを女性客に置く。それにはトイレを居心地のいい空間にする必要があった。通
路の壁に掲示している企業広告は全て取り払い、統一感のある通路にした。関係部署を説
得して回り、何とか了解してもらったのだ。PJのメンバーは彼女の精力的な行動力を見
てその行動特性に大いに影響を受けた。
【3】メンバーをその気にさせた“ぶれない”鉄の女!
どんな店に出店してもらうか、自分が買う立場で提案するようにとメンバーに課題を課し
た。ところが雑誌に載っていたとか、これが行列のできる人気店だとか、そのような提案
ばかりが目立った。これでは彼女のコンセプトには合致しない。
くる日も、くる日も深夜まで会議が続いた。次々提案しては却下される。切れるメンバー
が続出した。「鎌田さんはいったい、どんな店ならいいんですか」と食って掛かるメンバ
ーもいる。いつしか「地獄の会議」と呼ばれるようになった。
そのとき彼女は自分でいろいろなお店を回り、自ら試食して記録を残し、評価して自分な
らこれを買いたいという商品を探していた。そのことを知ったメンバーは彼女の行動特性
を真似し始めた。提案の仕方が変わった。単なる受け売り情報ではなく、自分で商品を試
してその中からこれぞと思うものを提案するようになったのである。
「これ、いいわね。出店の交渉をしてください」。交渉は難航したものもあったが次々出
店のお店が決まっていった。そして2005年3月5日、大宮エキュートのオープンを迎えた。
いても立ってもいられない新井
取締役も駆けつけ準備を手伝った。そしてついにオープン、
成長したのは彼女だけではなくメンバー全員が大きく成長していた。彼女の「リーダーシ
ップ力」が花開き、大役を果たした満足感がこみ上げてきた。
その後、彼女はエキュート立川に保育園を併設することに尽力した。エキナカだけでなく
駅近郊に既に保育園を34ケ所オープンした。若いママさんたちも大事なお客様だから・
・・。
【4】編集後記
会社で何か新しいことをやろうとするとき大きな壁になるのが頭の固い
役員たちという話
は良くある。だが、そんな時、若手にやらせてみることだ。怖いもの知らずで斬新なこと
を提案してくる。そんな時、Goを出すことを決断する勇気あるトップがいてほしい。今
回の新井
取締役や大塚社長のようなトップがいなければあっさり潰されていた案件だ。
<この記事は平成22年5月放送のテレビ東京「ルビコンの決断」の記事も参考にしてい
ます。>
次回に続く
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==■「エキナカPJを成功に導いた鎌田由美子氏のリーダーシップ力!」■==
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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れとなり、
成果に結び付けられない人が実に多いのです。
「できる人のコンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説していきます。
コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・管理者
・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非ともお読みい
ただきたいと思います。
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<今回のメニュー>
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【1】今までにないものを創るには若手にやらせるのが一番!
【2】鶴の一声でOKを出した大塚社長(当時)の決断!
【3】メンバーをその気にさせた“ぶれない”鉄の女!
【4】編集後記
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東京駅に五つ目のエキュートがオープンした。エキュートとはどんな意味があるのだろう
か。Eki Center Universal Together Enjoyの頭文字をとり、「ECUTE(エキュート)
」というわけだ。駅の改札の中に設けた商業施設のことであり、改札の外は「駅ビル」と
称する商業施設である。
駅には立ち食いそばやキヨスクという売店がある程度で、時にはワゴン車でネクタイやア
クセサリーを売っていることもあったが総合的な商業施設など皆無だった。
JRは元はといえば国鉄。駅はお客が通過するものと決めて掛かっていた。できるだけ早
く、安全に改札を出てほしいのである。改札の中に一大商業施設を作ることなど役員たち
には思いもよらないことだった。
品川駅で毎日65万人、大宮駅で48万人が乗降する。この乗客を取り込めば旅客運賃収
入以外に莫大な収入が得られる。当時の新井良亮取締役(現JR東日本副社長)は今まで
にない全く新しい商業施設を思い描いた。そして文系一期生で百貨店にも出向して流通を
勉強してきた鎌田由美子氏をリーダーに抜擢したが親方日の丸の巨大企業の壁は厚かった。
そこで、今回はエキナカPJを率いて大宮エキュートを成功に導いた“ぶれない”リーダ
ー、鎌田由美子氏の「リーダーシップ力」に迫ってみる。
【1】今までにないものを創るには若手にやらせるのが一番!
新井取締役は乗降客が通過する場所を人が集まる場所に変えたいと考えた。今までにない
全く新しい商業施設を創ろうというわけだ。それには若手にやらせるのが一番だ。新井取
締役は文系一期生の鎌田由美子氏に白羽の矢を立てた。流通に強いだけでなくリーダーシ
ップ力も備えた切れる人材であることに気付いていたのである。
彼女は半分は「怖いもの知らず」で引き受けた。新井取締役は「エキナカPJ」をスター
トさせようと彼女に持ち掛けた。彼女は「エキナカっですか、それ、いいですね」。新井
取締役は「今は何でも省略して縮めて言うのが流行っているんだろ」とにこやかに言った。
そこで彼女は「子会社に働きかけてPJメンバーを公募したい」と提案した。子会社との
一体感も期待できると考えての提案だ。新井取締役は「いいじゃないか。やりたまえ」と
すぐさまOKを出した。96人も応募してきた中から10人を厳選した。そして2003年9
月、新会社(JR東日本ステーションリテーリング)を設立し、彼女は取締役営業部長に
就任したのである。
彼女は早速駅の常識を変える魅力的な商業施設を企画し、新井取締役と共に役員会に提案
した。「ターゲットの顧客が女性だと。駅は老若男女が通るんだよ。何を考えているん
だ」。「こんな商業施設を創ってもし失敗したらあんた、責任取れるの?」など役員連中
からは辛らつな意見が次々出された。意気消沈しそうな彼女の隣で新井取締役は「今まで
にない、全く新しいものを創るんじゃなかったのか」と役員たちに反論した。
【2】鶴の一声でOKを出した大塚社長(当時)の決断!
黙って聞いていた大塚社長が切り出した。「面白いじゃないですか。ここまで言うんだか
らやらせて見ましょうよ。ダメだったらそのときどうするか考えればいい」と。正に社長
の鶴の一声だった。辛らつな意見を吐いた役員たちは「社長がそうおっしゃるなら・・」
と黙った。
大塚社長は当時を振り返り「自分が考えていた内容を大きく超えた提案だったのでびっく
りした。でも彼女のプレゼンには熱意、情熱があった。きっとやってくれると思った」と
言っている。
ターゲットを女性客に置く。それにはトイレを居心地のいい空間にする必要があった。通
路の壁に掲示している企業広告は全て取り払い、統一感のある通路にした。関係部署を説
得して回り、何とか了解してもらったのだ。PJのメンバーは彼女の精力的な行動力を見
てその行動特性に大いに影響を受けた。
【3】メンバーをその気にさせた“ぶれない”鉄の女!
どんな店に出店してもらうか、自分が買う立場で提案するようにとメンバーに課題を課し
た。ところが雑誌に載っていたとか、これが行列のできる人気店だとか、そのような提案
ばかりが目立った。これでは彼女のコンセプトには合致しない。
くる日も、くる日も深夜まで会議が続いた。次々提案しては却下される。切れるメンバー
が続出した。「鎌田さんはいったい、どんな店ならいいんですか」と食って掛かるメンバ
ーもいる。いつしか「地獄の会議」と呼ばれるようになった。
そのとき彼女は自分でいろいろなお店を回り、自ら試食して記録を残し、評価して自分な
らこれを買いたいという商品を探していた。そのことを知ったメンバーは彼女の行動特性
を真似し始めた。提案の仕方が変わった。単なる受け売り情報ではなく、自分で商品を試
してその中からこれぞと思うものを提案するようになったのである。
「これ、いいわね。出店の交渉をしてください」。交渉は難航したものもあったが次々出
店のお店が決まっていった。そして2005年3月5日、大宮エキュートのオープンを迎えた。
いても立ってもいられない新井取締役も駆けつけ準備を手伝った。そしてついにオープン、
成長したのは彼女だけではなくメンバー全員が大きく成長していた。彼女の「リーダーシ
ップ力」が花開き、大役を果たした満足感がこみ上げてきた。
その後、彼女はエキュート立川に保育園を併設することに尽力した。エキナカだけでなく
駅近郊に既に保育園を34ケ所オープンした。若いママさんたちも大事なお客様だから・
・・。
【4】編集後記
会社で何か新しいことをやろうとするとき大きな壁になるのが頭の固い役員たちという話
は良くある。だが、そんな時、若手にやらせてみることだ。怖いもの知らずで斬新なこと
を提案してくる。そんな時、Goを出すことを決断する勇気あるトップがいてほしい。今
回の新井取締役や大塚社長のようなトップがいなければあっさり潰されていた案件だ。
<この記事は平成22年5月放送のテレビ東京「ルビコンの決断」の記事も参考にしてい
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