<臨時増刊号>「エンジニアリング業」における
コンピテンシーの高まり
3月15日(月)に六本木の全日空ホテルで、(財)エンジニアリング振興協会が
主催する
コンピテンシーのセミナーがあり、参加しました。その概要について「臨時
増刊号」として報告させていただきます。
独立行政
法人になった
雇用能力開発機構が「エンジニアリング業
雇用高度化推進事
業」として(財)エンジニアリング振興協会に委託して進めてきた事業ということで
す。
委員会を設立し、わが国のエンジニアリング業界を代表する企業が参加し、東京大学
社会科学研究所助教授の玄田有史が委員長を努められました。
玄田助教授の基調講演の後、各ワーキンググループの代表から、3年間の研究の成
果が発表され、貴重なパンフレットもいただいてきました。
(財)エンジニアリング振興協会は、こちらから
http://www.enaa.or.jp/
1.誇りを持って働くための気づきと行動
エンジニアリング業としての標準
コンピテンシー11項目が「仕事の極意」として
選定されています。11項目に絞り込む過程では、会員会企業の委員の皆さんの熱い
議論が重ねられたということです。ではそれらの項目を紹介しましょう。
(1)「機を逃さず性格に判断し、迅速に決断する」
これは「適時決断力」や「仕事の迅速さ」なる
コンピテンシーに通じるもので、エ
ンジニアのみならず、マネージャー以上の人に求められます。
(2)「頭から各専門分野への分業は慎み、真剣に、かつ深刻にならないよう、各人
のタスクを 明確にし、責任を持って完遂させる」
過度に分業化が進みますと一つの歯車意識に陥り、全体を見ての仕事ができなくな
り、全体に対する責任感も希薄になることに対する警鐘でもあります。
(3)「顧客やエンドユーザーのニーズを言語化し、これに基づいてベストソリュー
ションを提 供する」
顧客のニーズを掴んで云々は、業界を問わず言われていますが、実はこれが難しい。
お客様の購買行動やお客様との対話・コミュニケーションを通じてニーズをサーベイ
し、お客様の求めている価値を商品やサービスに反映することを強く意識して仕事に
当ることの大切さを説いています。
(4)「プロジェクトのゴールを示し、その目指す姿の具体的道筋を明確にする」
第一のゴール、第二のゴール、・・・、最終のゴールというようにゴールはステッ
プごとに設けることが望ましいのです。ある企業はお客様に商品やサービスを引き渡
した時点をゴールと考えるかもしれません。勿論遅れている企業です。
ある企業は、お客様に商品やサービスを提供した時点をお客様との関係のスタート
と考える企業があります。CRM(Customer Relationship Management)を標榜す
るのは進んでいる企業です。目指す姿の道筋を明確にすることは大切です。
(5)「将来のリスクやチャンスを予測し、行動する」
ビジネスチャンスが沢山ある反面、リスクも多くあります。BSE騒ぎや鶏インフ
ルエンザ問題が発生して、泣いた企業と笑った企業があります。“三菱ふそう”のよ
うに、リコール隠しをやれば、ただでさえ業績が悪いのに一層苦境に陥ります。野球
の世界でもチャンスの跡にピンチ有りです。予測して行動することが重要です。
(6)「情報を自ら発信、収集、分析する」
情報氾濫の時代であり、収集は比較的簡単です。問題は分析力と活用力です。そし
て自らも情報を発信し、関係する人に提供する力が求められます。
(7)「現状把握を行い、問題点・課題を発見し、解決策を示す」
業界を問わず三現主義は大切です。問題認識はあってもその解決策を示し、自らも
行動を起こすことが重要です。企業内には、「言うのは自分」で「やるのは他人」と
思っている人が多いのです。これでは仕事のできる人になれません。
(8)「経験、ノウハウ、知識・技術を蓄積し、共有する」
個人の知識・経験として分散し、組織としての財産になっていない企業は実に多い
です。ドキュメント化して、共有化し、そして活用できる体制の構築が大切です。
(9)「信頼関係を築く」
どんな企業でも社内の信頼関係、外部の仕入先、お客様との信頼関係の構築は大切で
す。
(10)「説得する(納得させる)」
説得力は、事実とデータで語り、誠実で真摯な行動・態度がなければ身につきませ
ん。力ずくでの説得はいい結果を生まないことを肝に銘じる必要があります。
(11)「熱意・情熱を持って仕事に臨む」
熱意・情熱は、バイタリティです。やる気があって行動すれば相手から共感と良い
反応が得られます。仕事は半分成功したようなものです。
2.活用の場面の提唱
活用の場面は、(新卒者の)
採用、育成、考課を挙げています。
採用は新卒者ばか
りでなく、中途
採用も多いことでしょう。新卒者はいわゆるIQ(専門知識など)一
辺倒の教育しか受けていないため、EQ(心の知能指数)は低いのです。したがって
入社後の訓練に重きを置く必要があります。
一方、中途
採用者は、前職での経験からEQを磨いている人もいれば、遅れている
人も多いことでしょう。温度差がありますから、EQの高い人が優先的に
採用される
ことになるでしょう。
直ぐに考課に活用するためには、本格的に
コンピテンシーを導入してからでなければ
無理があります。最初は行動特性の改革と行動特性の評価に活用するところから始め
るべきと思います。
3.感想
雇用能力開発機構が音頭を取り、エンジニアリング関連企業とコラボレーションし
ながら研究を重ねておられたことを知り、コンピテンーの普及活動を行っている者と
して深い感銘を受けました。
このような活動の輪が大きく広がっていくことを期待したいと思います。特に私の
ように中小企業への布教活動を目指している者にとっては刺激的で新鮮なセミナーで
した。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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<臨時増刊号>「エンジニアリング業」におけるコンピテンシーの高まり
3月15日(月)に六本木の全日空ホテルで、(財)エンジニアリング振興協会が
主催するコンピテンシーのセミナーがあり、参加しました。その概要について「臨時
増刊号」として報告させていただきます。
独立行政法人になった雇用能力開発機構が「エンジニアリング業雇用高度化推進事
業」として(財)エンジニアリング振興協会に委託して進めてきた事業ということで
す。
委員会を設立し、わが国のエンジニアリング業界を代表する企業が参加し、東京大学
社会科学研究所助教授の玄田有史が委員長を努められました。
玄田助教授の基調講演の後、各ワーキンググループの代表から、3年間の研究の成
果が発表され、貴重なパンフレットもいただいてきました。
(財)エンジニアリング振興協会は、こちらから
http://www.enaa.or.jp/
1.誇りを持って働くための気づきと行動
エンジニアリング業としての標準コンピテンシー11項目が「仕事の極意」として
選定されています。11項目に絞り込む過程では、会員会企業の委員の皆さんの熱い
議論が重ねられたということです。ではそれらの項目を紹介しましょう。
(1)「機を逃さず性格に判断し、迅速に決断する」
これは「適時決断力」や「仕事の迅速さ」なるコンピテンシーに通じるもので、エ
ンジニアのみならず、マネージャー以上の人に求められます。
(2)「頭から各専門分野への分業は慎み、真剣に、かつ深刻にならないよう、各人
のタスクを 明確にし、責任を持って完遂させる」
過度に分業化が進みますと一つの歯車意識に陥り、全体を見ての仕事ができなくな
り、全体に対する責任感も希薄になることに対する警鐘でもあります。
(3)「顧客やエンドユーザーのニーズを言語化し、これに基づいてベストソリュー
ションを提 供する」
顧客のニーズを掴んで云々は、業界を問わず言われていますが、実はこれが難しい。
お客様の購買行動やお客様との対話・コミュニケーションを通じてニーズをサーベイ
し、お客様の求めている価値を商品やサービスに反映することを強く意識して仕事に
当ることの大切さを説いています。
(4)「プロジェクトのゴールを示し、その目指す姿の具体的道筋を明確にする」
第一のゴール、第二のゴール、・・・、最終のゴールというようにゴールはステッ
プごとに設けることが望ましいのです。ある企業はお客様に商品やサービスを引き渡
した時点をゴールと考えるかもしれません。勿論遅れている企業です。
ある企業は、お客様に商品やサービスを提供した時点をお客様との関係のスタート
と考える企業があります。CRM(Customer Relationship Management)を標榜す
るのは進んでいる企業です。目指す姿の道筋を明確にすることは大切です。
(5)「将来のリスクやチャンスを予測し、行動する」
ビジネスチャンスが沢山ある反面、リスクも多くあります。BSE騒ぎや鶏インフ
ルエンザ問題が発生して、泣いた企業と笑った企業があります。“三菱ふそう”のよ
うに、リコール隠しをやれば、ただでさえ業績が悪いのに一層苦境に陥ります。野球
の世界でもチャンスの跡にピンチ有りです。予測して行動することが重要です。
(6)「情報を自ら発信、収集、分析する」
情報氾濫の時代であり、収集は比較的簡単です。問題は分析力と活用力です。そし
て自らも情報を発信し、関係する人に提供する力が求められます。
(7)「現状把握を行い、問題点・課題を発見し、解決策を示す」
業界を問わず三現主義は大切です。問題認識はあってもその解決策を示し、自らも
行動を起こすことが重要です。企業内には、「言うのは自分」で「やるのは他人」と
思っている人が多いのです。これでは仕事のできる人になれません。
(8)「経験、ノウハウ、知識・技術を蓄積し、共有する」
個人の知識・経験として分散し、組織としての財産になっていない企業は実に多い
です。ドキュメント化して、共有化し、そして活用できる体制の構築が大切です。
(9)「信頼関係を築く」
どんな企業でも社内の信頼関係、外部の仕入先、お客様との信頼関係の構築は大切で
す。
(10)「説得する(納得させる)」
説得力は、事実とデータで語り、誠実で真摯な行動・態度がなければ身につきませ
ん。力ずくでの説得はいい結果を生まないことを肝に銘じる必要があります。
(11)「熱意・情熱を持って仕事に臨む」
熱意・情熱は、バイタリティです。やる気があって行動すれば相手から共感と良い
反応が得られます。仕事は半分成功したようなものです。
2.活用の場面の提唱
活用の場面は、(新卒者の)採用、育成、考課を挙げています。採用は新卒者ばか
りでなく、中途採用も多いことでしょう。新卒者はいわゆるIQ(専門知識など)一
辺倒の教育しか受けていないため、EQ(心の知能指数)は低いのです。したがって
入社後の訓練に重きを置く必要があります。
一方、中途採用者は、前職での経験からEQを磨いている人もいれば、遅れている
人も多いことでしょう。温度差がありますから、EQの高い人が優先的に採用される
ことになるでしょう。
直ぐに考課に活用するためには、本格的にコンピテンシーを導入してからでなければ
無理があります。最初は行動特性の改革と行動特性の評価に活用するところから始め
るべきと思います。
3.感想
雇用能力開発機構が音頭を取り、エンジニアリング関連企業とコラボレーションし
ながら研究を重ねておられたことを知り、コンピテンーの普及活動を行っている者と
して深い感銘を受けました。
このような活動の輪が大きく広がっていくことを期待したいと思います。特に私の
ように中小企業への布教活動を目指している者にとっては刺激的で新鮮なセミナーで
した。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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彩愛コンサルピア代表 下山明央
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