■Vol.96 2006-12-13 毎週水曜日配信
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□□■ いまさら聞けない!お金と人と組織のこと
■■■ ― 経営者、起業準備の方必見です!―
□□■
■■■ 「抵当物件の
競売と賃貸借(1)」
□□■
■■■ 週刊(毎週水曜日発行)
□□■
http://www.c3-co.com/
■■■――――――――――――――――――――――――――――――――
著者の地元、東京都台東区では、300億円もする地下駐車場の建設が問題に
なっています。
300台収容の駐車場なので、一台に付き1億円です!
300億円あったら、駐車場、駅ビル付きの新しい駅が建設できそうです。
外部監査請求の署名をしていたことさえ知らず、テレビを見てその金額にび
っくり!夕張市の市民を笑えません。
家族4人で70万円以上の負担ですから、無関心のツケは、結構大きいです。
さて、「いまさら聞けない!お金と人と組織のこと」は、今回、抵当物件の競
売と賃貸借についてです。
知らない、は、損の元ですよ!
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「抵当物件の
競売と賃貸借(1)」
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弁護士の緒方義行です。
今回と次回は、抵当物件の
競売と賃貸借について考えてみます。
多くの会社はビルの1室やフロアーを事務所や事業所や店舗として借りてお
られることだと思います。そして、そのビルには大抵の場合、金融機関が抵
当権を付けています。
そのような場合に、建物が
競売(
抵当権の実行)されてしまったら、賃貸借
の権利や
敷金はどうなるのでしょうか。
今回は、短期賃貸借の制度の廃止と明渡猶予期間の制度について説明し、次
回、
抵当権者の同意
登記の制度について説明しましょう。
この問題は、平成15年の
民法改正(施行は平成16年4月1日)の前後で
大きく考え方が変わったところですので、賃貸借の時期によって分けて考え
ることになります。
===================================================================
1 平成16年3月31日までに設定された賃貸借-短期賃貸借の制度
===================================================================
改正前の
民法395条は,
抵当権設定
登記後に対抗要件を備えた賃貸借
であっても、短期賃貸借-
民法602条の定める期間(建物については3年)
を超えない期間の賃貸借-に限っては、
抵当権者に対抗できるとしていまし
た。
これにより、賃借人は、その
契約で定めた短期の賃貸借の期間中に限っては、
競売(
抵当権の実行)の後も、建物を借りていられるとされていました。
そして、
敷金についても買受人に承継され、賃借人は買受人に
敷金の返還を
請求することになるとされていました。
===================================================================
2 平成16年4月1日時点以降に設定された賃貸借-明渡猶予期間の制度
===================================================================
民法の改正によって、短期賃貸借の制度は廃止され、
抵当権設定
登記後に対
抗要件を備えた賃貸借は,たとえ短期の賃貸借であっても、
抵当権者(買受
人)には対抗できないことになりました。
しかし,建物の賃貸借についてだけは、
抵当権設定
登記後に対抗要件を備え
た賃貸借であっても、
競売手続の開始前から使用・
収益を行っている賃借人
は,買受人が建物を買受けた時点から6か月の明渡猶予期間を経過するまで
は,その建物を買受人に引き渡さなくてよいとされました。逆に言えば、こ
の明渡猶予期間を過ぎたら、建物を明け渡さざるを得なくなるわけで、この
明渡猶予期間中に引越し先を探す等をしなければならないということになり
ます。
この明渡猶予期間中は建物の明け渡しが猶予されているだけで、賃借権は消
滅しています。したがって、建物の
使用者は、買い受けから明け渡しまでの
間の建物使用の対価(通常の賃料相当額)を買受人に支払わなければなりま
せん。これを1ヶ月以上支払わないでいると、
催告の後に明渡猶予期間を失
うことになります。
また、賃借権は消滅しているわけですから、買受人は賃貸人としての地位を
引き継ぐわけもなく、
敷金は承継されないことになります。したがって、賃
借人としては、従来のオーナー(旧賃貸人)に対して
敷金の返還を請求する
ほかありません。
しかし、
競売を受けるような旧オーナーに
敷金を支払う資力があるとは思え
ません。そこで、
競売実行による
差押えの後は,賃借人は,事実上、旧オー
ナーに対して、
敷金額まで賃料の支払を停止するなどの対策をとることにな
ります(法律上、不安の
抗弁権として構成する見解もあります。)。
次回は、
抵当権者の同意
登記の制度について説明を続けることを予定して
います。
(弁護士 緒方義行)
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今回と次回は、抵当物件の競売と賃貸借について考えてみます。
多くの会社はビルの1室やフロアーを事務所や事業所や店舗として借りてお
られることだと思います。そして、そのビルには大抵の場合、金融機関が抵
当権を付けています。
そのような場合に、建物が競売(抵当権の実行)されてしまったら、賃貸借
の権利や敷金はどうなるのでしょうか。
今回は、短期賃貸借の制度の廃止と明渡猶予期間の制度について説明し、次
回、抵当権者の同意登記の制度について説明しましょう。
この問題は、平成15年の民法改正(施行は平成16年4月1日)の前後で
大きく考え方が変わったところですので、賃貸借の時期によって分けて考え
ることになります。
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1 平成16年3月31日までに設定された賃貸借-短期賃貸借の制度
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改正前の民法395条は,抵当権設定登記後に対抗要件を備えた賃貸借
であっても、短期賃貸借-民法602条の定める期間(建物については3年)
を超えない期間の賃貸借-に限っては、抵当権者に対抗できるとしていまし
た。
これにより、賃借人は、その契約で定めた短期の賃貸借の期間中に限っては、
競売(抵当権の実行)の後も、建物を借りていられるとされていました。
そして、敷金についても買受人に承継され、賃借人は買受人に敷金の返還を
請求することになるとされていました。
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2 平成16年4月1日時点以降に設定された賃貸借-明渡猶予期間の制度
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民法の改正によって、短期賃貸借の制度は廃止され、抵当権設定登記後に対
抗要件を備えた賃貸借は,たとえ短期の賃貸借であっても、抵当権者(買受
人)には対抗できないことになりました。
しかし,建物の賃貸借についてだけは、抵当権設定登記後に対抗要件を備え
た賃貸借であっても、競売手続の開始前から使用・収益を行っている賃借人
は,買受人が建物を買受けた時点から6か月の明渡猶予期間を経過するまで
は,その建物を買受人に引き渡さなくてよいとされました。逆に言えば、こ
の明渡猶予期間を過ぎたら、建物を明け渡さざるを得なくなるわけで、この
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ます。
この明渡猶予期間中は建物の明け渡しが猶予されているだけで、賃借権は消
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また、賃借権は消滅しているわけですから、買受人は賃貸人としての地位を
引き継ぐわけもなく、敷金は承継されないことになります。したがって、賃
借人としては、従来のオーナー(旧賃貸人)に対して敷金の返還を請求する
ほかありません。
しかし、競売を受けるような旧オーナーに敷金を支払う資力があるとは思え
ません。そこで、競売実行による差押えの後は,賃借人は,事実上、旧オー
ナーに対して、敷金額まで賃料の支払を停止するなどの対策をとることにな
ります(法律上、不安の抗弁権として構成する見解もあります。)。
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