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シャープが74億円申告漏れ、所得隠し16億円

*しばらくお休みしておりましたが、また復刊致します。
 引き続きよろしくお願い致します。

 シャープが大阪国税局の税務調査を受け、海外子会社との取引などを巡り、
2011年3月期までの5年間で約74億円の申告漏れを指摘された旨の報道があり
ました。

 申告漏れのなかには、シャープが海外子会社に製品を輸出する際、通常より
安い価格で販売したことによる否認項目があります。国税局はその取引につい
て、「子会社の支援を目的に取引価格を減額することで、本社の課税所得を意
図的に減らした」と判断したようです。

 この取引については、移転価格税制を適用したのか、国外関連者への贈与と
認定したのか明らかではありません。そこで、海外子会社支援を目的に取引価
格を調整することが税務上認められるのか、についてポイントを下記します。

 これは国内の子会社との取引でも同じですが、子会社支援を目的に取引価格
を調整することは、原則として寄附金として認定されます。子会社再建を目的
とした無利息貸付けが、合理的な再建計画等を条件に、寄附金とはならない取
扱いがありますが、棚卸資産の取引価格の調整は含まれません。

 よって、上記のようなシャ-プの行為は寄附金認定の対象となる行為です。
特に海外子会社への寄附金は、国外関連者への贈与として損金不算入となりま
す。

 また、支援目的にかかわらず、海外子会社との取引価格が第三者間の取引価
格と異なることによる移転価格税制の適用もあり得ます。その場合も、第三者
間の取引価格との差額は損金不算入です。

 子会社との取引では、移転価格税制の適用により、海外子会社との取引価格
を事後的に調整することがあります。この場合、子会社との間で取引価格の取
り決めがあり、その取引価格を合理的に算定している等を条件に税務上も認め
られます。寄附金とはなりません。

 子会社支援は、税務上も認められる形で行うことが、税コストの軽減の観点
からも必要です。

以         上

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税理士 齋藤 忠志(http://www.saito555.com)

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