• HOME
  • コラムの泉

コラムの泉

このエントリーをはてなブックマークに追加

専門家が発信する最新トピックスをご紹介(投稿ガイドはこちら

販売代理店契約と販促物の著作権

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ビジネスに直結する実践的判例・法律・知的財産情報
弁護士法人クラフトマン 第133号 2014-10-07
(旧 石下雅樹法律・特許事務所)

-------------------------------------------------------
弊所取扱分野紹介(契約書作成・契約書チェック・英文契約
http://www.ishioroshi.com/btob/jisseki_keiyakub.html
(弁護士費用オンライン自動見積もあります)

弊所取扱分野紹介(英文契約書翻訳・英語法律文書和訳)
http://www.ishioroshi.com/btob/jisseki_honyakub.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1 今回の判例  販売代理契約と販促物の著作権
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

東京地裁平成26年8月28日判決

 健康食品製造販売会社であるA社と、B社との間で、小動物用の
サプリメントに関する販売代理契約が締結されました。

 A社は、B社に対して、パンフレットやポスターのデータ、写真
やチラシなどの資料を提供していました。B社は、これをウェブサ
イトに掲載したり、販売者の記載をA社からB社に変更したチラシ
や、A社から提供されたデータや写真を使用したポスター・チラシ
を作成し、使用したりしていました。

 これに対しA社は、B社がA社から提供された資料を利用する場
合、都度、A社から事前に許諾を得る必要があったのにA社から許
諾を得ていないとして、著作権侵害を主張しました。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2 裁判所の判断
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 裁判所は、以下の各点を含む事情を総合考慮して、代理契約
間中、A社がB社に、提供したデータや資料の自由な利用を許諾し
ていたと認めるのが相当、と判断しました。

● 契約は、B社による営業活動を全面的に支援する目的であり、
 複製や加工等が容易なデータで提供されていた

● 提供されたデータや資料は、パンフレットやチラシ等で一般に
 公表することが前提のものばかりであり、A社も当該データや資
 料の内容を自身のウェブサイトに掲載していた

● B社の使用についてA社は認識していながら異議を唱えなかっ
 た。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3 解説
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


(1) 実務上の留意点1~代理店側の視点

 今回のケースは、代理契約において見過ごされがちな規定にも
注意を払うべきことを留意させるものといえます。

 まず代理店側としては、取扱商品の販促についてメーカーから提
供された素材を使えるのは当然と思うかもしれません。

 しかし、紙媒体で受け取った資料をそのまま配布するならともか
く、メーカーが提供する素材や資料には著作権や商標権といった知
的財産があります。それで、代理店といえども、こうした資料や素
材を改変したり、複製してウェブサイトや代理店独自の販促資料を
使ったりすることは、これらの権利に触れるため、当然にできると
は限らないのです。

 今回の判例では、諸般の事情からメーカーには資料の使用につい
て「許諾」があったと判断されましたが、逆にいえば事情によって
は「許諾」がなかったと判断され、著作権等の侵害と判断される可
能性もあったわけです。

 それで、代理店側としては、代理契約を締結する段階で、販促
資料をどのように使いたいか、商品の性質や営業方法などを考慮し
て、メーカー側の販促資料の提供義務や対価の要否、また提供され
た販促資料の使用や加工の可否などについて、契約書にきちんと書
いておくことは重要と思います。


(2) 実務上の留意点2~メーカー側の視点

 他方、メーカー側の視点からみても、代理契約の作成にあたっ
て、自社の知的財産や営業秘密の保護の観点から、販促資料や技術
資料の権利の帰属、無断作成の禁止や事前承認等の手続等の規定を
整備する必要性を考えておくことは重要と思います。

 そうでないと、代理店に対し、あくまで内部参考資料や秘匿すべ
き技術資料として提供したはずの資料が、意図せずに販促資料とし
て使われ公開されてしまうという事態が生じかねないからです。

 また必要な規定を整えることで、メーカーとしては、代理店が使
う販促資料のブランドイメージ合致性や、景表法などの適法性をチ
ェックでき、自社の評判に無用な損害が及ぶリスクを軽減できるわ
けです。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4 弊所ウェブサイト紹介~著作権法 ポイント解説
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

弊所のウェブサイトの法律情報の解説のページには、ビジネス・企
業に関係した法律情報に関する豊富な情報があります。

例えば本稿のテーマに関連した著作権法については、

http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/chosakuken/index/

にあるとおり、著作物の定義、利用方法、パブリシティ権の問題、
権利行使の方法まで、著作権法に関する解説が掲載されています。
必要に応じてぜひご活用ください。

なお、同サイトは今後も随時加筆していく予定ですので、同サイト
において解説に加えることを希望される項目がありましたら、メー
ルでご一報くだされば幸いです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本稿の無断複製、転載はご遠慮ください。

ただし、本稿の内容を社内研修用資料等に使用したいといったお申
出については、弊所を出典として明示するなどの条件で、原則とし
て無償でお受けしています。この場合、遠慮なく下記のアドレス宛

メールでお申出ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


【編集発行】
弁護士法人クラフトマン (旧 石下雅樹法律・特許事務所)

横浜主事務所
〒221-0835 横浜市神奈川区鶴屋町3-32-14 新港ビル4階
クラフトマン法律事務所
TEL 045-276-1394(代表) 045-620-0794 FAX 045-276-1470

新宿オフィス
〒160-0022 東京都新宿区新宿4-2-16
パシフィックマークス新宿サウスゲート 9階
弁護士法人クラフトマン新宿特許法律事務所
TEL 03-6388-9679 FAX 03-6388-9766

mailto:info@ishioroshi.com

弊所取扱分野紹介(リーガルリサーチ・法律調査)
http://www.ishioroshi.com/btob/jisseki_legalresearchb.html

顧問弁護士契約顧問料)についての詳細
http://www.ishioroshi.com/btob/komon_feeb.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本稿に対するご意見、ご感想は mailto:info@ishioroshi.comまで
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

絞り込み検索!

現在23,161コラム

カテゴリ

労務管理

税務経理

企業法務

その他

≪表示順≫

※ハイライトされているキーワードをクリックすると、絞込みが解除されます。
※リセットを押すと、すべての絞り込みが解除されます。

スポンサーリンク

経営ノウハウの泉より最新記事

スポンサーリンク

労働実務事例集

労働新聞社 監修提供

法解釈から実務処理までのQ&Aを分類収録

注目のコラム

注目の相談スレッド

スポンサーリンク

PAGE TOP