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共食いの危険のある商品で第二創業に挑んだシヤチハタ!

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      シリーズ「第二創業の実践の中で仕事のできる人の集団を作る!」

 <第449回>[(第9話)「共食いの危険のある商品で第二創業に挑んだシヤチハタ!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「第二創業の実践の中で仕事
のできる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介
していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】コダックが破たんしたわけは!
【3】シヤチハタは「インク浸透印」への挑戦を決断した!
【4】さまざまな機能性インクも商品化!
【5】編集後記

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「第二創業」を興す場合、大いに関係するのが「多角化」だ。商品や事業は一般論で
言えば一つよりは複数あったほうがリスクを分散する意味でも有効だ。

例えば、レコード針一筋だった「ナガオカ」はレコードからカセットテープ、カセッ
トテープからCDと言うようにかなりのスピードで経営環境が変化して行った。「多
角化」にも取り組んだようだが手遅れだったようだ。

家庭用ミシンで一世を風靡した「リッカー」も同じような道を辿った。リーズナブル
な価格で既製服が手に入る時代になり、家庭ではミシンは不要になったのだ。リッカ
ーは倒産し、ブラザー工業がサバイバルできたのは華麗なまでに「第二創業」を繰り
返してきたからに他ならない。

今回は自社の旧商品と共食いになる危険性のある商品で「第二創業」に挑んだ「シヤ
チハタ」を採り挙げる。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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新規事業の候補として自社の従来商品と共食いになる危険性のある商品が候補に挙が
ることがある。ボツにするかあえて採用して立ち上げるかがサバイバルの成否を分け
る。


       下山明央


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【2】コダックが破たんしたわけは!(第445回のレビュー)

コダックが経営破たんしたのに富士フィルムはびくともしなかった。写真用銀塩フィ
ルムがなくなるのは両社にとって共通の大問題だった。

コダックはデジタル化への進出には消極的だった。デジタルカメなどに進出すれば自
社の銀塩フィルムと共食いになるからだった。

一方、富士フィルムは近い将来、銀塩フィルムがなくなることを念頭に置いてデジタ
ルカメに進出し、さらには化粧品や医薬品、大型液晶テレビなどに使用するタックフ
ィルムでの「第二創業」を立ち上げ、華麗なまでの変身を遂げた。特にデジタルカメ
ラはカメラや銀塩フィルムと共食い状態になるがあえて両立させていたのだ。しかも
化粧品「アスタリフト」は銀塩フィルムに使用している材料を生かした商品だった。

世界のコダックは完全に戦略を誤ってしまったのだった。



【3】シヤチハタは「インク浸透印」への挑戦を決断した!

「尾張名古屋は城で持つ」。名古屋城と言えば金の鯱(しゃちほこ)だ。シヤチハタ
株式会社の社名の由来はこの金の鯱に由来する。

シヤチハタの前身は舟橋商会、1941年にシヤチハタ工業に社名変更し、後にシヤチハ
株式会社に社名変更している。創業当時はスタンプ台のメーカーだった。スタンプ
台を一個購入すれば後は補充用のインクを買うだけでいい。当然売上は頭打ちになる。
そこでいろいろ「第二創業」を模索していたが、「第二創業」の商品の候補として
「インク浸透印」が持ち上がった。新品は5000回以上もインクの補充なしで押印でき
る優れものだ。商品化には苦節10年を要した。研究開発の中心は舟橋紳吉郎氏(現会
長)だった。

ところが「インク浸透印」を世に出せば、旧商品のスタンプ台が売れなくなる。共食
いだと言うことで反対する社員が多かったそうだ。しかし、ここは同族経営のよいと
ころで、商品化することを大胆にも決断した。

「インク浸透印」は「Xスタンパー」と言う商品名で世に出された。たちまち評判と
なった。会社では管理職は一人一個を机の中に保有し、認印として広く普及した。一
般家庭でも宅配便の荷物を受け取るときの認印として玄関に常備するようになった。
我々ユーザーは「シャチハタ」と親しみを込めて呼んでいる。ここでは「ャ」は小文
字だ。

懸念されたスタンプ台の売れ行きにはほとんど影響なかったそうだ。共食いを理由に
「インク浸透印」をボツにしていたらコダックのようになっていたかもしれない。



【4】さまざまな機能性インクも商品化!

シヤチハタ工業ではさまざまな機能性インクも開発し、商品化に成功している。

例えば、子供が幼稚園に持って行く弁当箱やその他の持ち物に一目で分かる名前、も
しくは目印を付けなければならない。大好きなキャラクターの絵と共に、例えば名前
を「みゆき」とか「さとみ」などと捺印する。洗剤を付けて洗っても消えないインク
だから安心だ。

例えば、工場では100度以上の高温になる個所があって、そこに「高温危険」と表示す
ることがある。普通のインクだと高温でいつしか消えてしまう。しかしシヤチハタ工
業のインクは高温にさらされても消えないから安心だ。

このように機能性インクを開発して販路を拡大し、海外にも輸出している。

最近は、電子印鑑システム「パソコン決済」なる商品も開発し、販売している。舟橋
紳吉郎会長は「不安が創造の原動力」とおっしゃる。将来に対する不安がたゆまない
「第二創業」に駆り立てると言うことだ。



【5】編集後記

従来商品と共食いになるかもしれない商品が「多角化」の候補に挙がったとき、どう
決断するかが今回の課題だった。

コダックと富士フィルムの対比は大いに参考になる。さらにはシヤチハタ株式会社
決断も大いに参考になると思う。

ちなみに「Xスタンパー」のゴムには無数の小さな穴が開いている。成型のときゴム
に塩を混ぜて成型し、成型後お湯に浸けると塩が溶けて細かい穴が残る。失敗を繰り
返し、やっと辿り着いた独自技術だそうだ。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



第二創業に挑戦したい企業様からのご連絡をお待ちします。



コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp


次回に続く。


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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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