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コラムの泉

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登録第5795132号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       7月26日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第5795132号:

 左に約45度傾斜した黒塗りの航空機を表してなるところ、その
構成は、機首が鋭利な突状で、機首から機尾にかけて機体の幅が
狭まる形状であり、尾翼の長さは主翼の長さの約4割強からなる構成


 指定商品・役務は、第11類の各商品です。


 ところが、この商標は、日本工業規格の案内用図記号(JIS 
Z 8210)で制定された「航空機/空港」を表示する図記号
(以下「航空機図記号」という。)

 
 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2015-009510号)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「構成は、機首が鋭利な突状で、機首から機尾にかけて機体の幅が
狭まる形状であり、尾翼の長さは主翼の長さの約4割強からなる
ものである。」

「そして、本願商標からは、特定の称呼及び観念を生じないもの
である。」

 一方、航空機図記号は、

「角丸四角形の枠内に、直立した黒塗りの航空機を表してなるもの
であるところ、その構成は、機首が丸く、機首から機尾にかけての
機体の幅が同じであり、尾翼の長さは主翼の約3割弱であって、
尾翼の形状も、本願商標とは異なるものである。」

 そして、

「航空機図記号が航空機や空港を表すピクトグラム(絵文字、絵言葉)
として、不特定多数の者が使用する公共施設内の案内記号として
使用されていることは、広く一般に知られているというのが相当
であり、航空機図記号からは、「航空機や空港を表す図記号(マーク)」
といった観念及びそれに準じた称呼を生ずるものと認められる。」

 そこで、両者の外観を比較すると、

「両者は共に航空機のシルエット形状からなるものとして、やや
近似した印象を与えることがあるとしても、本願商標は、線で周囲
を囲まれておらず、左斜め方向に45度傾いた黒塗りの航空機を
表したものであり、また機首が鋭利な突状で、機首から機尾にかけて
機体の幅が狭まる形状であって、かつ、尾翼の長さは主翼の長さの
約4割強からなるものであるのに対し、」

「航空機図記号は、角丸四角形の枠内に、直立した黒塗りの航空機
を表してなり、機首が丸く、機首から機尾にかけての機体の幅が
同じであり、尾翼の長さは主翼の約3割弱であって、尾翼の形状も、
本願商標とは異なるものである。」

 そうすると、

「外観上、一見して異なる印象を与える標章として看取されるもの
である。」

 また、両者の観念及び称呼について比較すると、

本願商標からは、特定の観念及び称呼が生じないものであるのに
対し、航空機図記号からは、「航空機や空港を表す図記号(マーク)」
といった観念及びそれに準じた称呼を生ずるものであるから、
両者を比較することはできない。」

 そうすると、

「外観については、共に航空機のシルエット形状であるとしても、
その構成態様において類似性は低く、観念及び称呼については比較
し得ないものであるから、これらのことを総合して全体的に考察
すると、両者は、十分に区別し得るものというべきである。」


 として、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれ
はないものであるから、非類似の商標とされました。


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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、公共性の高いマークとの類否が問題となりました。

 図形だけの商標は称呼が生じませんが、観念が生じることがあり
ます。

 外観だけで区別できなくても観念を異ならせることが真似とは
言わせないツボになります。

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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