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大塚家具のV字回復を妨げる2つの障害とは?

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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』
  2017年4月28日号   受講者数:26,298人
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こんにちは!『1日3分MBA講座』をお届けする安部です。


早いもので、4月の営業日も本日が最終日・・・

来週からは5月に入りますね。

明日からゴールデンウィークで大型連休を取られる方も
多いのではないでしょうか?

私自身は遅れに遅れている次の書籍の執筆など、
じっくりと腰を据えて仕事をするゴールデンウィークに
なりそうです。

連休中に遠出をされる方もいらっしゃるでしょうから、
天候に恵まれるといいですね!(^^)


それでは、今回のMBA講座も張り切ってお届けして
いきますので、最後までよろしくお願いします!


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【Bizコンパスでも新しい記事が公開されています!】


今回は、立て続いた不祥事で極度の不振に陥った
マクドナルドのV字回復への戦略について。

今月でマクドナルドは高級バーガーの象徴であった
クォーターパウンダーの発売を止め、メニューから
500円以上のラインナップをなくしました。

シェイクシャックなど日本のハンバーガー市場で
高級バーガーの人気が過熱する中、なぜマクドナルドは
敢えて今高級バーガーを“捨てた”のでしょうか?

その背景を戦略的に推測していきます。

是非ともお読みいただけると嬉しいです!(^^)


『マクドナルドがクォーターパウンダーを切捨てた理由』

http://bit.ly/2pFf23x


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■ 1日3分で身につけるMBA講座
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さて、今回の『1日3分で身につけるMBA講座』は、
前期過去最悪の赤字に陥った大塚家具について。

3月に発表された新経営ビジョンをフレームワークで
読み解いたうえで、V字回復を成し遂げるために
乗り越えなければならない2つの障害を浮き彫りに
していきます。

MAG2NEWSでは、図表付で解説していますので、
是非ともご訪問下さいませ。

http://www.mag2.com/p/news/247371


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【過去最悪の赤字に沈んだ大塚家具がV字回復のために
乗り越えなければならない2つのハードルとは?】


■ 崖っぷちに追い込まれた大塚家具


親子による経営権の争い後、大塚久美子社長による
新生大塚家具の2016年12月期の決算は誤算だらけ
といっても過言ではないでしょう。

売上高は前期比20%ダウンの463億円、最終利益は
過去最悪の46億円の赤字に転落してしまったのです。

急激な業績悪化に、手元のキャッシュは1年間で71億円
も減少し、わずか39億円まで落ち込むなど、
まさに“崖っぷち”まで追い込まれた形となりました。

この原因としては、“新生”大塚家具の誕生後、
経営権を巡るゴタゴタのお詫びの意味での
『大感謝フェア』を開催し、通常価格を最大で50%割引
するなど、大規模なセールを実施することにより、
需要の先食いが起こったことが挙げられるでしょう。

また、この大幅な割引セールによって、大塚家具は
高級路線から決別し、ニトリやIKEAと同じような
低価格路線に舵を切ったというイメージが一般消費者の
間に浸透したことも、従来からメインの高価格帯の
顧客が離れる一方で、低価格帯の顧客はニトリやIKEA
から流れてくることはなく、完全に誤ったイメージが
世間に定着して顧客離れを招いてしまいました。

この誤算により、新生大塚家具が誕生した際に策定した
2015年度から2017年度までの中期経営ビジョンは達成が
困難になったとして、新たな経営ビジョン
策定し直さざるを得なくなったのです。


■ 大塚家具が策定した新経営ビジョンとは?


大塚家具は3月10日、早期にV字回復を果たすために
新たな経営ビジョンを発表しました。

その中心的な施策には『専門店・小型店による
多店舗展開』『プロフェッショナルによる提案サービス
を前面に』『商品とサービスのオムニチャネル化』
『購入だけではない、新しい選択肢のご提供』という
4つの柱が掲げられています。

まず、『専門店・小型店による多店舗展開』として、
大塚家具はベッドなど睡眠に特化した店舗や
ソファー専門店といった機能特化型や世界の
トップブランドに特化したブランド特化型の小型店を
50店舗を目途に全国展開することを計画しています。

家具業界も規模が大きければ大きいほど収益率が
高くなり、競争を有利に展開できる『規模型事業』
といえます。

ボストンコンサルティンググループが考案した
『アドバンテージマトリクス』と呼ばれる
フレームワークを活用すれば、大塚家具は
『規模型事業』として同業のニトリと戦っても
勝ち目は低く、何かに特化する『特化型事業』に
戦略を転換することにより、ニトリを上回る収益率を
実現することも可能になるのです。

また、あまり知られていないことかもしれませんが、
大塚家具には800名を超えるスリープアドバイザー
在籍しています。

この“眠りのプロ”達が、店舗で接客するだけでなく、
ブログやSNSなどを通して、睡眠に悩む多くの人の悩み
を解消するような情報を発信し続ければ、
インターネットを介して『大塚家具=睡眠の悩みを解消
してくれるところ』という認知度が高まることでしょう。

そして、決して販売目的でなく、顧客の悩みの解消する
ことを優先させて信頼を獲得すれば、結果としてネット
経由や実店舗で売り上げアップを実現することが
できるでしょう。

これがまさにシームレスに商品・情報・サービスを
提供できるオムニチャネル化につながっていくのです。

そして最後に昨今の消費者のライフスタイルの変化
を考えれば、『買う』から『シェアする』のレンタルや
『捨てる』から『長く使う』のリフォームやリユース
という家具業界における新たな消費スタイルの提案は
確実に売り上げ機会の増大につながっていくはずです。

このように大塚家具が掲げる新たな施策はまさに
理に適ったものであり、もし実際に実行できれば、
V字回復も決して不可能なことではないでしょう。


■ 大塚家具の復活に立ちはだかる2つの障害とは?


確かに戦略的にはセオリー通りであり、
実現することができれば、確実にV字回復を
実現することも可能と思われますが、
現実的には大塚家具の前には乗り越えなければならない
2つの大きな障害が立ちはだかっています。

一つは、消費者の間で定着してしまった
“トラブル”のイメージです。

『親子喧嘩の末に娘が父親を追い出してしまった』
というイメージは、それが真実か否かは関係なく、
多くの消費者の間で定着してしまったのです。

特に家具は長年使うものであり、縁起を気にする
顧客にとっては、トラブルのイメージのある家具店から
積極的に購入しようという気にはならないでしょう。

いかに『幸せをレイアウトしよう』というスローガンを
掲げても、消費者の目には逆に白々しく感じてしまう
こともあるでしょう。

一旦定着してしまったイメージを覆すことは相当難しく、
今後も短期的には苦戦が続くことは避けられない
かもしれません。

この悪いイメージを払拭するためには、
たとえば使用期限切れの鶏肉使用疑惑や異物混入で
ブランドイメージが地に堕ちたマクドナルドの復活劇が
参考になるかもしれません。

マクドナルドは立て続く不祥事で過去最悪の347億円の
最終赤字を計上するなど、業績は急速に悪化しましたが、
顧客の立場に立った安心安全を徹底したメニュー開発や
ハンバーガー総選挙など顧客を巻き込んだイベントなど
が功を奏してイメージの回復に成功し、2016年1月から
既存店の月次売上高は15ヶ月連続で2桁成長を続ける
など、V字回復を達成することができたのです。

同じように大塚家具も、消費者のイメージを
変えるために積極的にイベントを取り入れ、
真の姿を知ってもらう必要があるでしょう。

実際に3月末までにリユース家具の愛称を公募する
イベントを開催し、顧客を巻き込む試みに取り組んで
いますし、今後は家具総選挙などを開催して多くの
消費者の注目を浴びることも有効かもしれません。

また、二つ目は“実現性”のハードルが
挙げられるでしょう。

確かに戦略的には理に適っており、完璧といっても
過言ではありませんが、実際に実現できるかどうかは、
また違う次元の問題です。

新生大塚家具がスタートした頃のビジョンも、
オペレーションの問題で達成できなかったことを
考えれば、今回のビジョンも実行段階の問題で
“絵に描いた餅”になる可能性も
十分に考えられるのです。

このハードルをクリアするためには、社員全員が
新たなビジョンを理解し、リーダーの思い描く
大塚家具の理想像を実現すべく、能力を最大限に
発揮して一生懸命努力する必要があるでしょう。

果たして、大塚家具はこの2つの大きな障害を
乗り越えて、V字回復を実現することができるのか?

今年度中に黒字化できなければ久美子社長の
経営能力にも疑問符が付きかねず、
堪え切れない株主から退陣要求が出ることも
十分考えられるだけに、久美子社長に残された時間は
そう多くないといえるでしょう。


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■ 編集後記:
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先月末から続いていた新入社員研修が
今週で一段落しました。

続きはゴールデンウィーク明けになりますが、
もうピークは過ぎたので一安心といったところです。

今年は1000名近い新入社員の研修を担当しましたが、
例年以上にやる気がみなぎっている新入社員が
多いように感じました。

是非とも一日でも早く仕事に慣れて、それぞれの会社で
活躍していただけると嬉しいですね!

新入社員研修を担当していると私の方も若いパワーを
いただいてリフレッシュすることができます。

その勢いでゴールデンウィーク中の仕事も
スイスイ片付けたいと思います。(笑)

それでは皆様、楽しいお休みをお過ごし下さいませ!
(^-^)/~


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■ 今回も26,298人の方にご参加いただきました!
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最後までお読みいただきましてありがとうございました。
m(_ _)m

今回の1日3分MBA講座はいかがだったでしょうか?

ご意見やご要望があれば下記のフォームから
お気軽にお寄せ下さいませ!
(このメールへ返信しても届きませんのでご注意!)

→ http://www.mbasolution.com/contact.htm


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それでは、また次回あなたにお会いできるのを
楽しみにしています!(^-^)


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『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』
(ビジプロ通信)

編集長: 安部 徹也

発行元:
株式会社 MBA Solution
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〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-12-1
渋谷マークシティW22階

URL : http://www.mbasolution.com

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