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コラムの泉

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登録第6092853号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       3月5日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6092853号:

 緑色円輪郭内の青色の円の内側に白抜きでデザイン化した「K」
の文字を配した図形,及びその下にデザイン化した「KooKii」
の欧文字(前半の「Koo」を青色及び後半の「Kii」を緑色
で表してなり,2つの「K」の文字は,図形部分内のデザイン化
した「K」と共通した態様で表されている。また,欧文字部分は,
1文字目の「K」の文字の右下部を,4文字目の「K」の文字まで
水平に伸ばし,同様に4文字目の「K」の文字の右下部を,語尾の
「i」の文字まで水平に伸ばして表されている。)を配してなる
構成

 指定商品等は、第28類の各商品です。


 ところが、この商標は、

 登録第5847612号:

 「Kookie」の欧文字を籠字でややデザイン化した構成


 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2018-001952)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「図形部分と欧文字部分とは,重なりなく間隔を空けて配されて
いるため,視覚上,一見して分離して看取されるばかりでなく,
図柄部分からは特定の称呼及び観念は生じないことから,両者に
称呼及び観念上のつながりはなく,それぞれを分離して観察する
ことが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している
ものではない。」

 そのため、

「需要者,取引者は,図形部分と欧文字部分のそれぞれを出所識別
標識としての機能を有する要部として認識,理解するというのが
相当であり,これら要部をもって他人の商標と比較して商標として
の類否を判断することも許されるというべきである。」

そして、

「欧文字部分中,「Koo」及び「Kii」並びにこれらを結合
した「KooKii」の各欧文字は,いずれも辞書等に載録のない
ものであるから,欧文字部分全体として特定の意味合いを想起させる
ことのない一種の造語として認識されるものである。」

 そうすると、

商標の要部である当該欧文字部分からは,「クーキー」及び
「コーキー」の称呼のほか,取引の実際においては」

「「クッキー」と称されていることから「クッキー」の称呼も生じる
ものといえる。」

 以上からすれば、

「「クーキー」,「コーキー」及び「クッキー」の称呼を生じ,
特定の観念を生じないものである。」


 一方、引用商標

「欧文字は,「風変わりな;気が狂った」(ランダムハウス英和
大辞典 第2版 小学館)との意味があることが認められるが,
我が国において親しまれている,又はその意味がよく知られている
語とは認められないから,直ちに特定の観念が生じるものとは
いえない。」

 そして、

「その構成文字に相応して「クーキー」,「コーキー」及び
「クッキー」の称呼を生じるものと認められる。」


 そこで、両者を対比すると、

本願商標の要部である「KooKii」の欧文字部分と引用商標
とは,外観においては,両者は,そのつづりの末尾が「i」と
「e」とで相違するほか,前者は,「Koo」部分と「Kii」
部分とで色彩を異にし,共に「K」部分が独特の書体で表されて
いるのに対し,後者は,「Kookie」の欧文字を籠字でやや
デザイン化して表されているものであるから,顕著な差異を有する
ものであり,明確に区別できるものである。」

 次に,称呼においては,

本願商標の要部である「KooKii」の欧文字部分及び引用
商標の称呼は,いずれも「クーキー」,「コーキー」及び「クッキー」
の称呼を生じることがあり得るといえるところ,これらに
接する取引者,需要者にあっては,同じ場合と異なる場合があると
いえる。」

 そして,観念においては,

本願商標の要部である「KooKii」の欧文字部分及び引用
商標からは,いずれも特定の観念を生じないから,これらを比較
することはできない。」

 そうすると、

本願商標の要部である「KooKii」の欧文字部分と引用商標
とは,両者の称呼が同じ場合があり得るとしても,それぞれの外観
は大きく異なっている上,称呼上も,同じ場合だけでなく異なる
場合もあるから,たとえ両者の観念につき比較できないとしても,
両者は誤認混同のおそれがなく,」

 両者は非類似の商標とされました。


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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が同一の商標の類似が問題となりました。

 称呼同一であっても外観や観念で違いが大きい場合があります。

 外観を大きく異ならせたり、観念で比較できないようにしたり
することが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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