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「転居を伴う異動の意識調査」について

時代は急速に変わってきています。小さなウイルスが、多くの人の仕事や生活を一変させてしまったのです。
ゼロコロナを標榜して五輪を開催した北京の空は、空気が澄み渡っていたそうです
(私が居た30年ほど前の北京の冬の空は、スモッグでいつもどんよりと曇っていました)。
コロナショックは、他方で環境にはいい影響を与えたのかもしれません。
然し、世界経済には大きな打撃を与えました。トヨタ自動車の豊田社長はある日の記者会見で、
「なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べていました。
トヨタは、かつて奥田元社長が「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」という言葉を残したように、
社員のリストラには否定的で、日本型雇用システムの象徴ともいえる存在でした。しかし、日本の基幹産業
である自動車産業は今、EV(電気自動車)や自動運転というテクノロジーによって「移動産業」へと移行する
大変革期に直面しています。その激変する環境に対応して行くため、トヨタは本気になって、人事システムや
評価制度の見直しを行っているようです。

そして同時に、新聞紙面や雑誌などで最近よく目にするようになったのが、「働かないおじさんたち」
といった、40代後半~50代サラリーマンの一部を揶揄するような言葉です。新入社員などはそんなおじさんたち
を見て、「会社には居るんだけど、重要な仕事をしているようには見えない。でも、それなりの給料を
貰っているし、威張っている」変な存在と映っているようです……。

でも、日本型雇用システムにおいては、終身雇用や年功序列などの特徴から、若い頃は多大な労働力を提供
しながら給料は低く抑えられ、その後年齢が上がるにつれ給料も上がり、50歳前後になると、給料が生産性を
追い抜いてしまうということが起こります。つまり、働かないおじさんたちは、若い頃の会社への貸しを今、
取り返しているのであり、日本型雇用システムの象徴ともいえる存在なのです。そんな彼らがクローズアップ
されていることと、トヨタなどが日本型雇用システムの刷新に手を付け始めたこととは明らかにリンクしています。
日本型雇用システムからの脱却──社会の流れははっきりしてきました。もう既に大手各社では希望退職の募集が
行われています。デジタル革命に対応し、生残っていくため、企業は抜本的な体質改善を迫られているのです。
そして、コロナ感染がこの人事制度など企業の大改革に拍車をかけています。
そんな中で生存競争をしなければならない現役サラリーマンは、冒頭のエッセイでいう「一日一日をひたすら
消化していく生活……」どころではなく、
「一日一日をそれこそ胃の痛い思いをして」送っていることでしょう。
まさに人生いろいろです。特に時代の流れの境目に遭遇している現在は、いろいろな人生がまた交錯しているのです。

人の人生も若いときと齢をとったときでは、同じ人であっても随分と様子が異なります。私の人生も齢を取るに
つれて段々と変化して来ました。年をとると物忘れが進むと言われていますが、私の場合も日々物忘れが進んでいる
感じがしています。「ぼんやりしたり、他のことに気をとられている」とき、ふと気が付くと、なにをしようと
しているかを忘れてしまうのです……。
若い頃なら、ぼんやりしても、何かに気をとられても、すぐにその前に考えていたことを思い出せたものでした。
復元力があったのでしょう。
今はその復元力がだいぶ弱ってきて、いわば、ゴムが古びて伸びた状態になってしまったのかもしれません。

私は、医者の処方薬のほかにビタミンとかカルシウムとか、沢山のサプリメントを飲んでいますが、数が
多すぎてその管理に往生するようになってしまいました。そしてその混乱に拍車をかけているのが、私自慢の
「ど忘れ」です。サプリメントを飲んでいるとき、テレビに気を取られていると、“あれっ?今何を飲んだっけ??”
こんな「ど忘れ」を毎日繰り返すようになりました。
「ど忘れとキレる」……。
最近世間で注目されているこの「高齢者の2大特質」を私は、いつのまにか誰にも負けないほど身に着けて
しまったようです。
“まぁ、ほかに威張れるものもないから、人に負けないものを持っているのもいいか?”と、別に恥とも思って
いませんが………。


前回の「雇用保険マルチジョブホルダー制度」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「転居を伴う異動の意識調査」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「転居を伴う異動の意識調査」
昨年、NTTグループがリモートワークの活用などにより、転勤・単身赴任を廃止するという方針を打出し、
世間を驚かせましたが、転居を伴う異動(転勤)についてはそれをネガティブに捉える社員が増加しています。
先般、パーソル総合研究所が実施した「一般社員層(非管理職)の異動配置に関する調査」の結果は以下の通りと
なっています。
 会社主導の異動命令に対する受け入れ意向に対する回答結果を見ると、拒否意向の割合が非常に高いようです。
(1)会社の指示による【職種の変更】を伴う異動
・受け入れ意向:78.4%
・会社の指示なので従う:43.2%
・希望条件に合えば従35.2%
・拒否意向 21.6%
・希望条件にあわなければ拒否する:14.4%
・拒否できないのであれば、退職や転職を検討する:7.2%
(2)会社の指示による【転居】を伴う異動
・受け入れ意向:69.4%
・会社の指示なので従う:37.3%
・希望条件に合えば従う:32.1%
・拒否意向 30.6%
・希望条件にあわなければ拒否する:19.1%
・拒否できないのであれば、退職や転職を検討する:11.5%

  転勤拒否などの問題は以前より多く見られ、様々な裁判例も出されていますが、会社指示による人事異動に
対する拒否意向は更に高まりを見せています。共働きの増加により転勤できない社員の増加は不可避であることに加え、
人生100年時代のキャリア形成を考えれば、自らの専門分野を高めたい、よって職種や事業部門の変更は望まないと
いう者が増えているのかもしれません。
これに対応して企業も今後更に限定正社員制度などの導入を検討するケースも増えて来るのではないでしょうか。

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